“若くても老けている”が蔓延中!データを元に今と昔を比べたら今どき女子は老化の危機に晒されているという事実が。ナニが問題?どう解決すべき?“老け”が進む前にスタディ。
“痩せ女子”は目指さなくていい。老化を加速させる前に知ってほしいヘルスデータ
“痩せ女子”率が8.3%アップ
早く閉経する可能性も上昇
BMI18.5以下の20代女子の推移
参考: 厚生労働省 「平成29年 国民健康・栄養調査」
昭和末期の痩せ女子率は10%前半だったのが、今や20%以上。痩せすぎは医学的に見るとリスキーな状態。
「体型の基準となるBMI値が18を切るほどになると女性ホルモンのバランスが崩れて肌や骨がもろくなり、老化を加速させる懸念が。気づかないうちに不妊に陥っていたり、生理が止まる人も出てきます。そのまま30代を迎えると老化に拍車がかかり、早期閉経や更年期障害のような症状が出ることも」(田路さん)。
痩せ信仰とはサヨナラすべき!
solution!
☑BMI値=「体重kg ÷(身長m×身長m)」を計算し、減量が必要か見直す。WHOが健康値としているのは18.5〜25。
☑カロリーに縛られない。1日3食をルールにし、糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルをバランスよく。
☑理想のボディイメージをアップデートする。海外では痩せすぎがタブーとされつつあるので、世界基準を参考に。
12年で約20万人も増えた!アレルギー性鼻炎で老け顔に?
アレルギー性鼻炎患者の推移
参考: 厚生労働省 「平成28年 アレルギー疾患の現状等」*数値は花粉症も含んだもの
2002年には40万人台だったアレルギー性鼻炎の推計患者数は2014年には66万3000人に。なぜ急増?
「現代人はクリーンな中で生活しています。極端に清潔な環境で育つと多様な物質に体を慣らすことができず、アレルギーを発症しやすくなります。また、栄養の偏りによって皮膚・粘膜のバリアが弱まることや、大気汚染物質の増加などの環境の変化も症状を助長する一因」(田路さん)。
過敏な状態が続くと炎症性の肌老化が起こりやすくなるとの説も。
solution!
☑摂取する食材のバリエーションを増やす。たとえばタンパク質なら肉・魚・豆類など、いろいろな素材から摂る。
☑粘膜を強化する栄養素(ビタミンA、B群、鉄、亜鉛)を積極的に補給する。サプリメントで補うのもアリ。
☑アレルゲンをできるだけシャットアウトする。こまめに掃除をしてハウスダストを減らすなど、工夫して。
魚の摂取量は24g−
血管から老いが…
成人の魚介類・肉類の摂取量平均値
参考: 厚生労働省「平成26年版 厚生労働白書」
肉ブーム真っ盛り。肉の摂取量が増え、反比例するように魚の摂取量が減るという現状はデータにもまざまざと。
「青魚に多く含まれるDHAやEPAといった必須脂肪酸は人の体内では作ることができない、生きるために不可欠な栄養素。血液をサラサラにしたり中性脂肪値を低下させるほか、生活習慣病を防ぐことでも知られています。逆に肉の過剰摂取は悪玉コレステロールを増やし動脈硬化を招く原因。血管からエイジングを進行させる心配が」(田路さん)
solution!
☑週に2回はメインディッシュを肉から魚にシフト。スパイスを利用すると魚嫌いでもトライしやすくなる。
☑魚の調理が苦手な人は下処理されたものをチョイスする。缶詰や調理済みのレトルトを利用するのも手。
☑DHAやEPAが入ったサプリメントをチャージして、魚不足で足りなくなる栄養分を補っておく。
DHA・EPAに加え免疫力を向上させると注目のCBDオイルも。オイル・ファーマシー プレミアムCBDカプセル 30粒 ¥5,000(サンナチュラルズ)
骨と皮が取り除かれ口当たりもマイルド。ラ・カンティーヌ さばフィレ オリーブオイル漬 レモン味 ¥430(マルハニチロ)
難聴の人が約4万7000人も増加!特に若者が危ない
難聴の総患者数の推移
参考: 厚生労働省「平成26年 患者調査」
80年代後半には5万人台だった難聴患者数が今や10万人超え。
「通勤や仕事の合間にイヤホンで音を聴く行為が原因で難聴になる若者が増えているとされています。実は耳に入っても問題にならない音量とリスニング時間には上限が!WHOと国際電気通信連合は今年、難聴リスクにならない1週間あたりのリスニング量を80dB(電車の中くらいの音)なら40時間以内と発表しました。たとえば花火大会に行ったら、1週間分の耳の負担を負う計算になります」(中川さん)
solution!
☑イヤホンを使うのは1日1時間未満・週5日までに(電車内でイヤホンを使う際の一般的音量90dBを想定)。
☑乗り物での長時間の移動など、騒音を浴びる際は耳栓をして、大音量の刺激になるべく触れないようにする。
☑定期的に聴力テストをして難聴の兆しが無いかチェックする。App Storeなどの無料アプリを活用して。
左から 内蔵された小型マイクロホンが必要な音は残し環境騒音だけを95%カット。デジタル耳せんMM2000 ¥8,500(キングジム)/App Store「聴力検査&耳年齢テスト」https://apps.apple.com/jp/app/聴力検査-耳年齢テスト/id1067630100
話を訊いた方々
田路めぐみさん
松倉クリニック医師。7月に『東大医師が教える最強の育毛革命』(集英社)を上梓した。
中川雅文さん
国際医療福祉大学医学部耳鼻咽喉科学教授。耳と脳などの関係を研究し、メディアでも活躍。
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Photo: Yoshio Kato Collage: Ayame Ono Text: Chihiro Horie