帰りたいデートはブルームーンを頼めばよし⁉︎ 気になるカクテル隠語

帰りたいデートはブルームーンを頼めばよし⁉︎ 気になるカクテル隠語

ネオンが街を彩り始める頃、胸にふつふつと湧き上がる「今夜は何を飲もうかな」。お洒落なバーでアルコールを楽しむひと時は、お酒の歴史やうんちくを知れば、きっとより一層味わい深いものになるでしょう。ちょっとタメになってクスッと笑える、そんなバーテンダーの囁きをあなたへ……今回はブルームーンにしたためられた秘密をBar Culterのオーナー川渕陽介さんが教えてくれました。


デート相手に「お断り」を伝えたいなら

文豪の夏目漱石が“I LOVE YOU”を“月が綺麗ですね”と意訳したという有名すぎるエピソード、ギンザ淑女の皆様にとっては常識でしょう。言いにくい思いを、代わりの言葉や行動に置き換えて伝えるのは、奥ゆかしさが如実に現れる日本カルチャーとでも言いましょうか。京都の人は、客人にそろそろ帰って欲しい時にぶぶ漬け(お茶漬け)を出す、というのもこれに近いものがありますよね。万葉集の和歌に含まれた真意を理解するには、教養が求められます。

実はこれ、カクテルにもあるというんです!

「ブルームーンというカクテルをご存知ですか? ジンベースに甘いスミレのリキュール『パルフェ・タムール (Parfait Amour) 』とレモンジュースを合わせた可憐なブルーのカクテル。青いスミレの花言葉は愛、貞節! そこから作られたリキュールがパルフェ・タムール(完璧なる愛)とは……なんてロマンチック! 余談ですが、僕はパルフェ・タムールを自分の勝負酒に認定しています(笑)」

カクテル お酒 リキュール バーアルコール度数は大体25度と高めのパルフェ・タムール

こんなロマンチックな要素が込められたブルームーンのことだから、込められた意味もさぞかし甘いものだと思いきや、実は全く逆だそう。ときに男性にとっては狂気のカクテルになりかねませんのでしっかりとご確認ください。

「やっとの想いで漕ぎ着けたデート。2軒目はカウンターバーにGO!宴もたけなわ、そろそろ時間も気になるし最後の1杯かな?というときです。女性が『ブルームーンください』と言ったら、紳士の皆さまはその夜は静かに解散することをお勧めします」

カクテル ブルームーン お酒 リキュール バーバーテンダーの手さばきを間近で見ることができるのもカウンターバーの醍醐味

「ブルームーンには“ありえない”→ “お断り”という意味が含まれております。ちょっと昔遊んだ年配の方たちはご存知かもしれませんが、最近の若い方からは聞きませんね。バーテンダーやお酒に詳しい人なら、笑えるクサイうんちくとして知っている方も多いです。ちなみに、僕の経験からでしか報告できませんが、実際にこのシチュエーションを見たことはありません(笑)」

そもそもブルームーンにこの意味が込められた由縁は諸説あるそうですが、年に数えるほどしか見ることのできないブルームーンの希少性から、“珍しいこと”“極めて稀なこと”が転じて“ほぼありえないこと”が、お酒のシーンの言葉遊びで“お断り”という意味で使われるようになったとか。

男性にとってはちょっと残念なうんちくかもしれませんが、淑女の皆様にはぜひ頭の片隅にでも残してくだされば、もしかしたら役立つ日が来るかもしれません。

女性が頼めば「今夜はOK」のシェリー

男性はブルームーンを頼まれたら絶望的ですが、安心してください。逆の意味のお酒もるそうです。それは、シェリー酒「ティオぺぺ」。一緒の女性がティオぺぺを注文したら、または女性に勧めて断られなかったら“今夜は一緒に寝たい”という意味になるそうです。

「ただ、これを踏まえてお酒を飲んでいる人が多いかと言ったら、NOでしょう。ブルームーンもティオぺぺも、好きなものをオーダーすればいい。いちいち気にしていたら、美味しいものも美味しくなくなってしまいますしね」

あえて淑女の皆様に使用上の注意を申し上げるのであれば、ひとつ。男性ははっきり言わないと分からない生き物です。ブルームーンやティオぺぺは自分のテンションを高めるカンフル剤としてオーダーし、伝えたいことははっきり明快にYes or Noを唱えましょう!

Bar Culter (バー クルテル)

 

住所: 東京都新宿区3-1-32 新宿ビル1号館B1F
電話番号: 03-6380-5105
営業時間: 18:00〜5:00(日曜のみ18:00〜24:00)
定休日: 月曜日

川渕 陽介 カワブチ ヨウスケ

奈良県出身、元カメラマンで新宿の名店DUGやどん底で修行を積み2018年秋に独立。ジャズ、オーディオに明るく、真空管アンプとレコードに囲まれて日々カウンターに立つ。

Photo: Sawako Nishimoto Text&Edit: Norie Sato

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