好きなことを仕事にしたい、けど… 不安を打ち消すには?:お金に愛される夢の叶え方

好きなことを仕事にしたい、けど…  不安を打ち消すには?:お金に愛される夢の叶え方

好きなことを仕事にするって幸せなこと。でも、その実感が得られるまでにはひたむきに努力する時間が必要なもの。前回の相談者は、夢に向かってがむしゃらに行動した後のキャリアを思案中でしたが、ここまで辿り着く前の葛藤を現在進行形で抱えている人も多いはず。今回は、OLから一念発起してスタイリストを目指す杏奈さんについて。好きなことを仕事にしようと意気込んで踏み出しましたが、将来が不安でマイナス思考のループに陥っているようです。多くの成功者を見てきた経済評論家の加谷珪一先生に3度の転職を経た編集Sが、不安に打ち勝つためのアドバイスを聞きました。


編集S:好きなことを仕事にするかしないかって、よく天秤にかけられますけど、どうなんですかね。就活の時によく、「好きなことを仕事にするなんて博打みたいなもの。現実を見なよ」と先輩方は言っていて、疑問を感じつつも経験者が言っているならそういうものなんだろうと、自分の正直な気持ちに蓋をして後悔しました。だから一旦OLの道から憧れのスタイリストを目指して行動した杏奈さんの選択に共感してしまうし、どうにか諦めずに踏ん張って欲しいと思ってしまいます。

加谷:結果論で言えば、好きなことを仕事にするよりも得意なことを仕事にした方が成功はしやすいです。ただこれは、卵が先か鶏が先かの話に通じる部分があって「好きなことだからやる→好きなことに磨きがかかる→評価される→得意なことになる」ということが言えます。もちろん、社会に出れば評価するのは他人なので、そこでダメなら好きなことを仕事にするのはキツいかもしれません。でも、杏奈さんはまだアシスタントの身ですから、結論を出すのは時期尚早すぎませんか?

編集S:焦る気持ちが大きいんだと思いますよ。みんなが当たり前に出来ていることが自分には出来ないんだって。杏奈さんのように元OLなら、年齢的にも着実にライフイベントを重ねている人たちが周りに多いと思うので、SNSとかでなおさら目についてしまうんじゃないでしょうか。見てください、杏奈さん、結構思い詰めていますよ。


楽しいことばかりじゃないのは分かるけど今が辛い杏奈さん・28才(仮名)

「都内の短大を卒業して、事務職に就いていたのですが27才の時に、このままで人生が終わるのは嫌だなあとぼんやり思って。同じ職場で働く先輩の姿を見ていたら、自分の10年、20年先の姿が見えてしまった気がしたんです。その頃、たまたま目に入ったファッション・スタイリストのアシスタントに応募しました。昔から憧れていた職業だったしタイミング的にも運命を感じました。実際に働き始めると地味な作業のことの方が多いですが、始めのうちはお金なんて関係ないと思えるくらい毎日が新鮮で楽しく“人生変えられる!”という実感に浸る毎日でした。けれどアシスタント2年目にして、何だか不安になってきたんです。まず仕事の悩みは、不安定なことに尽きます。前職が安定していたし実家住まいだったので楽だったんだなあと。プライベートの悩みは、結婚とこの先のライフイベントとかへの不安。短大時代の友人はみんな結婚しているし、温度差を感じます。」


起こってもいないことを心配しない。今出来ていることに自信を持つ

加谷:自分は下働きをする一方で、周りの友人たちはどんどん進んで行くのを比べてしまう……まさに「隣の芝生は青い」状態です。いいですか、皆さん。夢を追うのは決して悪いことではありませんし、むしろ大事なことだと思います。

編集S:漠然とした不安って一度大きくなるとなかなか抜け出せないものだと思いますが、気持ちを強く持つ方法ってあるんですか?

加谷:人間は、未来のこととかまだ起こってもいない「分からないこと」に対して不安を抱くものです。これは、不安について深掘りして解明することである程度解消されます。杏奈さんの場合、問題は、先が見えないことだと思いますが、最終的にはこの業界でどんな夢を実現したいのかという点に尽きます。

とりあえずアシスタント的な仕事でもよいので業界の仕事ができればよいのか、独立、あるいはどこかに所属したいのか、それとも職種にかかわらず、この業界でそれなりの立場になりたいのか?

おそらくですが、今のままだと、中途半端な状態で結果的に仕事をおじゃんにしてしまう可能性もあるでしょう。せっかく踏み出したのに、それでは勿体ない。出来ないことばかりを考えるのではなく、「周りの人たちに出来ないことが自分には出来ているんだ」と考えを転換してください。

夢のマイルストーンを書き出して具体的な行動を逆算する

加谷:とりあえずスタイリストとして独立することを目指すのであれば、実際にうまくいった人がどうやってその地位を築いたのか徹底的に調べてみてはいかがでしょうか。おそらく、独立できたきっかけは千差万別だと思いますが、何らかの法則があると思います。成功する人は、縁と運の仕組みを理解しています。

編集S:この人みたいになりたい!というロールモデルを探して、考え方や、年代ごとにどんな時間の使い方をしていたのかを分析すると、具体的な努力のしようが見えてきますよね。

加谷:今後のライフプランとの兼ね合いもあると思いますから、例えば35歳までと期限を定め、それまでの間に、あらゆる手段を使って独立を画策すると決めてしまうのもひとつの方法です。

ある有名な写真家の方が言っていましたが、自分が弟子入りしている時は、師匠のクルマを勝手に乗り回したり、やりたい放題だったそうです。師匠のことはすべて使い倒してやる、というくらいの気概がないと独立などできないとも言っていました。クリエイティブな仕事には、そうした面があることは否定できません。

本当に追いたい夢なのであれば、その間は、それこそ命懸けで取り組んでみてはいかがでしょうか。人生100年時代と言われる今だからこそ、「好きなこと=得意なこと」にして生きていきたいものです。現実にもなっていない不安とか他人と比べた時の一瞬の惨めさを言い訳にして、せっかく開けた夢への扉を自分で閉めてしまうなんてことはしないでくださいね。

加谷珪一 かや けいいち

経済評論家。仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。経済、ビジネス、マネー、政治、ITなどの分野で執筆を行っており、多くの媒体で連載を持つ。「加谷珪一の分かりやすい話」にて、お金から社会問題まで、日々情報を更新中。

Illustraiton: Maiko Moriya Text&Edit: Norie Sato

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