『ミックス。』(17)
ドラマ『リーガルハイ』の脚本家・古沢良太と新垣結衣が再びタッグを組んだスポ根もの。『ピンポン』以来久しくお目にかかっていなかった卓球邦画だが、本編で描かれるのは男女混合(ミックス)ダブルス。元天才卓球少女の富田多満子は「普通の幸せを手に入れたい」と願うアラサーOL。恋人に騙され、会社も辞め、田舎へ戻った彼女を待ち受けていたのは、瑛太扮する挫折した元プロボクサー萩原久との第一印象最悪な出会いと、亡き母が経営していた卓球クラブを再建するというミッションだった。飛び交うピンポン玉のごとく登場する豪華キャストによるユニークなキャラクターからも目が離せない。10/21より全国公開。
映画『ミックス。』公式サイト
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『ソニータ』(15)
タリバンから逃れイランで難民生活を送っている16歳の少女を追ったドキュメンタリーだ。アフガニスタンでは、一定の年齢をすぎた娘は結婚を強いられ、見ず知らずの男に売られるという古い習慣が残る。兄の結納金の肩代わりに結婚をしろと母は言う。ソニータの値段は9,000ドル(約100万円)。だが、ラッパーになる夢を持つ彼女にその気はさらさらない。ソニータは自分たちが置かれた現実に対する怒りを詩にする。家族の絆も夢もあきらめずに結婚から逃れられる道とは? そんな彼女が助けを求めたのは、監督であるロクサレ・ガエム・マガミだった。10/21よりアップリンク渋谷ほか公開。
映画『ソニータ』公式サイト
『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』(15)
近代建築の巨匠ル・コルビュジエをある意味低俗なまでに狂わせた女性がいた。1920年代初頭、気鋭の家具デザイナーとして活躍していたアイリーン・グレイ。パートナーの建築評論家ジャン・バドヴィッチとの連名で初めて手がけた海辺のヴィラ〈E.1027〉は、モダニズム建築史上に残る傑作とされる。彼女の才能に強く惹かれたコルビュジエは、やがてその聖地を侵す。ストーカーと化していく彼自身が語り部となり言い訳のように回想は進むが、アイリーンの独白はひとつだけ。コルビュジエとの確執から一度は建築史から消されかけながらも、自らのスタイルを貫いた彼女の生き様を見た。10/14よりBunkamuraル・シネマほか公開。
映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』公式サイト
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