愛すべき服を「いつもキレイに美しく!」。今の時代だからこそ実践したいホームクリーニング術をプロフェッショナルに教えてもらいました。#大切なものほど自分でケア。お手入れとお洗濯
ホームクリーニング術をプロたちが指南|レザー&シューズ編
レザーグッズのレスキューは水洗い
「ナチュラルクリーン」では丸ごと水洗いを実践。「油分を加えた水で、バッグなどは馬毛のブラシを使って汚れを落とします。水洗いやキズ、色の補正は自分では難しいですが、プロに任せれば復活させることができます。自然からの贈り物であるレザーを長く大事に使うことが生き物への供養にもなります。普段はカビ予防のクリームを塗ったり、紫外線焼けしないようカバーを。スウェードのシミやボールペンの跡は深く入ってなければ砂消しゴムで消せます。ただし、テクニックが必要」(中田)
レザーシューズのプロ技
シューキーパーできちんと綺麗に
写真左は髙田さんが7年前から使っている〈オールデン〉のレースアップ。「しまう時にたまったホコリをとって、汚れを落としてからクリームをつけて磨くようにしています。レザーは手をかければかけるほど表情が変わります。無骨にはきたい靴は磨き上げず味を楽しむ。ただ形が崩れないようシューキーパーは欠かせないですね」(髙田)。女性用でもロングブーツなど専用のキーパーを活用したい。
自分好みに育てたいレザーブルゾン
保湿クリームでしなやかに。汚れはマメにチェック
写真左は髙田さん所有の2010年の〈メゾン マルタン マルジェラ〉、〈レプリカ〉ラインのもの。「ある程度着たら革用のブラシでホコリを落として、クリーナーで汚れをとってから保湿クリームを。ラムレザーの表情がいい感じに。汗を吸ったら裏地に熱いスチームをかけて飛ばす技も」(髙田)。右は谷崎さんの初期の〈JW アンダーソン〉。「白襟は汚れやすいので硬く絞ったタオルで軽くたたいてケア。レザーはとにかくカビさせないこと。脱いだら風通しの良いところで休ませて、雨の日は着ない。濡れたらすぐに拭きとります」(谷崎)。あとは定期的に着用し「動くことで革の中の油脂分が行き渡り繊維の滑りが良くなって柔らさを保てます」(中田)。
毎日はくスニーカーも丁寧に
横着しないで靴ベラを
「レザーはもちろんなんですが、消耗しやすいスニーカーでもはく時に必ず靴ベラを使うようにすると踵がつぶれず、形を維持できます」(髙田)。髙田さんが使っているのは水牛の靴べら(写真)。踵にシワが寄りがちなショートブーツなどでも、毎回の脱ぎはきで使用することで違いが。「外出先から帰ってきたら、アルコールでアクセサリーを消毒する流れで靴底も拭いています。毎日のちょっとしたお手入れで保ちが変わってきます」(谷崎)
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教えてくれた方たち
ナチュラルクリーン 代表代行
中田輝道
伊勢丹新宿店などにショップを構える千葉のウォータークリーニング&修復・復元専門店。ブログも必見。watercleaning-kimitsu.net
スタイリスト
谷崎 彩
1998年から代官山で輸入洋品店を。服への情熱を綴った本誌ウェブ連載でのクリーニング術も話題。「結果がすぐに出るから洗濯って楽しいです」
スタイリスト
髙田勇人
祐真朋樹氏に師事し2016年に独立。洗濯歴は長く、高校時代から大切な服は自分で洗っていた。「良いものを長く着ることはサステイナブルにも」