新橋にあるその焼き鳥屋は正月と忠臣蔵が一度にやってきたようなお名前の店主がひとりで切り盛りしていて、ちょっと食べて飲んで1000円くらい。いつも混んでいる。ある日隣にスーツ姿の背の高い男性がひとりでやってきた。(お酒は)どうしましょう?と聞いた店主に「どーゆーふーに行くのが正解っすか?」質問に質問で答えた。そのお店では黒ラベルか燗酒の二択しかないので、正解もなにもないのだけど。
お酒のオーダーといえば、私はマティーニが好きで、そもそもは旅行に行った時にうまく注文が通らないと恥ずかしいので、マティーニと言えば世界中どこでもちゃんとマティーニが出てくると思って頼んでいたら、ちょいと違いなんかも分かるようになってきて、いつの間にか本当に好きになっていたのだった。キューバのトリニダっていう小さな町でもちゃんとおいしいのが出てきたし、ドバイのホテルで飲んだ超高い一杯も忘れられない。でも、マティーニの能力に甘え過ぎですね。正解男のことをあれこれ言えない。
🎨CULTURE
編集KSの「食後の本題」03 : 正解を探す男とマティーニに甘える女
最近感動したのは、大森のテンダリーというバーのマティーニ。宮崎優子さんが作る一杯がとびきりおいしいのはもちろんだけど、グラスに添えて出してくれるオリーブ用のかわいらしい紙ポケットがこれまた素敵。ほおずきくらいの大きさで、ブーケの形に作られた専用の包み。これで口元を自然に隠して、そこに種をコロンと落とす。さてこれがそのオリーブ用のブーケですとアップしたいところだけど、酔っぱらっていて写真なんて撮っていないのでありました。ごめんなさい。
テンダリーの写真ではないけれど。最近見つけたバーにて。出刃包丁で大きな氷塊を「切って」グラスの内径に合う大きさになるまで形を整えてゆく。とってもきれいでしょ? もったいなくて持って帰りたかったけど氷のテイクアウトって聞いたことがないな。
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編集KS
GINZA歴7年。食とか美とか、マインドフルネスとか、幅広く不思議なバランスで担当中。食育指導士®