16 May 2022
光の空間を彩る骨董品のディスプレイ|クリエイターたちの快適空間に潜入 vol.3 「CEMENT」代表・田島秀一さん

独創的な活動を展開している人たちは自宅もオリジナルな魅力たっぷり。個々の感性が作る心地よいインテリアが素敵な暮らしを覗いてみました。
光の空間を彩る骨董品のディスプレイ
田島秀一
「CEMENT」代表
サンルームのように日差しがふりそそぐ最上階のメゾネット。冬でも晴れた日は半袖で過ごせるほど暖かいという、白いフローリングと壁が眩しいスペースに、使い込まれたテーブルやオブジェの深いブラウンが映える。
「10年ほど前から骨董に興味が芽生えて、暇さえあれば蚤の市に行ったり、海外から取り寄せたり。とうとう古物商の資格を取り、自分の店でも趣味で集めた品を販売し始めたほど。最近はどんどんフォークアートにはまっていって、アジアや南米の民芸品が大好物です」
惹かれるのは、時代を感じさせる木の質感の、どこかファニーな味のあるタイプ。それをあくまで軽やかに取り入れるのが田島流。いわば、欧米人の考えるモダンリビングに合う和洋折衷の感覚だ。ひと続きのリビングフロアに明確な区切りはないけれど、メゾネットの階段を挟んだ逆サイドに、ホームセンターやアジア雑貨店で見つけたお手頃アイテムで構成するコーナーを仕立てたのも、バランス感覚に優れた田島さんらしい。
「この部屋の醍醐味は、美しい朝と、エモーショナルな夕暮れです」
天気のいい日は、大判のカシミア毛布にくるまってテラスでワインを飲むのがなによりの贅沢だ。
田島秀一 たじま・しゅういち
目白のセレクトショップ&ショールーム「CEMENT」のオーナーバイヤー。
Photo: Yuka Uesawa Text: GINZA
GINZA2022年3月号掲載