19 May 2022
さまざまな“黒”の景色を愛でる|クリエイターたちの快適空間に潜入 vol.4 デザイナー・根本 晶さん

独創的な活動を展開している人たちは自宅もオリジナルな魅力たっぷり。個々の感性が作る心地よいインテリアが素敵な暮らしを覗いてみました。
さまざまな“黒”の景色を愛でる
根本 晶
デザイナー
アールを描く、横長の窓が開放感たっぷり。ほとんどいつも黒しか着ないという根本晶さんと一緒に暮らすパートナーはそろってモノトーンが好みで、インテリアのアクセントもブラック中心。
レザーソファー、メタルメッシュのランプシェード、ラウンドテーブルや椅子の足、ウッドのサイドボード、そして、根本さんが生地を選んで縫った透け感のきれいなオーガンジーとマットなスウェード調を2枚重ねたカーテン。いろいろな質感がちりばめられて、とても表情豊かだ。
「私にとって黒はいちばん深い色。上質なイメージがあります。このリビングはカーペットがもともとアイボリーだったこともあり、黒を差し込むことで全体がグッと締まった感じになりました」
もうひとつ印象的なのが、ドイツの写真家、トーマス・ルフの作品の取り入れ方。リビングの壁面に掲示している宇宙モチーフの2点をはじめ、キャビネットの上には展覧会の図録を置き、気分により開くページを変えている。さらに、玄関には彼の名前を平面作品にした他者のアートまで!? さりげなくて楽しい!
「窓から借景できる木は桜。春には部屋にいながらお花見ができて、緑の芽吹きも美しくて。ここに来て1年ちょっと、家が好きすぎて、外に出かけたくなくなってしまいました」
根本 晶 ねもと・あき
フリーランスデザイナーとして、舞台、映画、CM、アイドルなどの衣装制作を手がける。
Photo: Yuka Uesawa Text: GINZA
GINZA2022年3月号掲載