07 Mar 2018
〈ツェツェ・アソシエ〉デザイナー ゴレーヌ・プレボワさんが暮らす、かつて工場だった建物

インスピレーションが生まれる、デザイナーが暮らすプライベート空間。それはこだわりのクリエイションに通づる、こだわりのインテリアが広がる。部屋の隅々から醸し出されるこだわりの“おしゃれ”を取材しました。
「もの」が思い出を語ってくれる空間づくり
シゴレーヌさんが暮らすのはかつて工場だったという建物。家を探しているときに見つけ、まるで大きな箱のような空間に触発されて、家づくりのアイデアが湧き上がってきたと話す。 「まずは自然光を家全体にまわしたくて、吹き抜けと天窓を取り入れました。だから1階のキッチンも光がたっぷり入って快適。最初はものが少なかったけど、17年間暮らすうちに愛着あるもので埋め尽くされてしまいました(笑)」
キッチンの収納にはツェツェ・アソシエのインディアンキッチン・ラックが大活躍。天井は上階のブリッジに。「カウンター下は黒板塗装にしたから気が向くとチョークで絵を描いています」
キッチンの壁にはステンレスラックがずらり。そのちょっと無骨な表情をお気に入りの器や愛用のツールが彩り、リビングの壁も好きなアートなどたくさんのもので自分流の世界観をつくりだす。 「私にとって居心地のいい場とは、ものが思い出を語ってくれる空間。それをいっぺんにつくろうとすると、どうしても人工的になってしまう。自分の居心地よさをつくるには時間がかかるし、そんな時の積み重ねこそが大切なんです」





リビングには1950年代のソファが置かれ、横にはイサム・ノグチのフロアランプ。壁にはお気に入りのアーティストの写真作品やデッサンを思いのままに飾る。
ダイニング横の壁につくった棚にはコレクションするウズベキスタンのボウルを並べる。
古いものと新しいもの、東洋と西洋……さまざまなものが入り混じって独自のスタイルに。「飾るのにルールなんてありません。自分が気持ちいいと感じるものを自由に配しています」
創造力にあふれた家づくりを楽しむシゴレーヌさん。壁の赤い丸板をスライドさせると寝室が現れるという遊び心たっぷりの仕掛けも。
バスルームの壁にはアンティークミラーのコレクション。カメラマン泣かせの場所だそう。





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シゴレーヌ・プレボワ Tsé&Tsé associées Designer
カトリーヌ・レヴィ(右)とシゴレーヌ・プレボワ(左)の2人が1984年にパリの国立工芸学院で出会い、制作活動を開始。卒業後の92年に〈ツェツェ・アソシエ〉を設立。デビュー作「四月の花器」はパリのポンピドゥセンターの永久定番コレクション。
Photo: Ayumi Shino Text&Edit: Nobuko Sasaki (tampopo) Cooperation: H.P.DECO
GINZA2018年3月号掲載