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FROM EDITORS 初夏の旅 緑が美しい益子へ

FROM EDITORS 初夏の旅  緑が美しい益子へ

初夏の足音が聞こえてきたら、旅に出たくなる。奇しくも今日5月16日は松尾芭蕉がおくの細道へ出発したとされる”旅の日”。編集部員それぞれの旅の形をリレーでお届けします。3人目は──


Early Summer Trip 3

益子といえば、器の街。かの陶芸家・濱田庄司も住んでいた街としても有名。日本全国・器をめぐる旅をしていた頃もあったほど、実は器好きな私。GW中に陶器市を開催していると聞き、急遽、益子への旅を敢行。

まず向かったのは、見渡す限り、田んぼしかない風景の中に、堂々とそびえ立つ『道の駅ましこ』。この後にお会いした益子在住の木工作家・高山英樹さんによると、「この先、周辺に建物が立つ予定はなく、景観含めての設計なんですよ」とおっしゃっていて、昨年には「JIA日本建築大賞」を受賞した益子のニューシンボルなんだとか。外には、GWだからか、おいしそうなジェラートやコーヒー、猪の串焼き、窯焼きピッツアの屋台の数々。中に入ると、陽光降り注ぐ天井の高い空間に、フレッシュな野菜だけでなく、盆栽や益子メイドの加工物がズラリ。もちろんすぐにカゴを手にして、お買い物開始。ちょうどGWの時期はイチゴが旬。イチゴを買って、イチゴスムージーでビタミンチャージして、すでに大満喫。

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人でいっぱいでこんな角度でとりましたが、ぜひ田園風景に佇む建築はご自身の目で!

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ピクルスもビジュアルよく鎮座。

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一緒に行った料理人は、野菜を買い占める勢いでレジに並んでました!

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戦利品。クレソンも香菜、水菜と卵。イチゴも買いました!

次に向かったのは、「pejite」。初夏の緑に囲まれた素敵な外観。約60年前の蔵を改装し、明治~昭和初期に作られた日本の家具や器などを置いている店。中をぐるりとした後は、木陰で休む人たちも。

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まるで物語の中のお店に入るような気分に。

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ここでワインを飲んでみたい。と思うほど、風通しの良い木陰。

ひととおり物色して堪能した後、去り際に、「『pejite』ってどういう意味なのかな」と口に出すと、同行者の一人が「『風の谷のナウシカ』にペジテという国名が出てくるよね」と。ナウシカが由来かどうか、真偽のほどは定かではありませんが、なんだか勝手に合点がいく。

そうこうしているうちにお腹がすいてきたので、地元の人が愛してやまないそうめん流しスポット『大川戸ドライブイン』へ。昭和にトリップしたかのようなレトロな店内には、そうめん流し器が各テーブルに。オーダーすると、自動的に水が出てきてまわりはじめ、そうめんを入れる。すると、ひっかかることなく、美しい輪を描き、回りはじめる。もはや一種のアート。またもや前述の高山さんいわく、「創業者の方が細部にまでこだわり、そうめんが美しく流れるよう計算されている」とのこと。また初めて知ったのですが、3年以上寝かせたそうめんを古物(ひねもの)というそうで、この店では企業秘密的な古物を使って、茹で加減にもこだわりが(高山さん談)。30分以上流れ続けていても、そうめんが柔らかくなることなく、ずっと同じコシの状態で食べ続けられる奇跡!そうめん流しの奥深さに気付かされたよき店。ドライブインという名前にも、昭和生まれの私にはググッとくる。

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シンプルな看板。

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山菜の天ぷらとともに。タラの芽、うまし。

最後に立ち寄ったのは、木工作家・高山英樹さんのアトリエ。かわいらしいプレハブ小屋の中には、持った時に手になじむオブジェの数々。なかでも、藍染めされた木のオブジェからは、自然の深さを感じられました。素敵なご家族に手づくりしたという(!)ご自宅に迎えていただき、改装途中のアトリエ周辺の森を案内していただきました。現在、息子さんが木を切り倒し、散歩道を作ってらっしゃって、そこの空気がおいしいことといったら!(残念ながら、一般には開放されてません)

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アトリエ内。いつもはこんなに作品がないそうで、ラッキーでした!

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藍染のオブジェ。佇まいがただただ美しい。

気づけば、夕暮れ前。結局、当初の目的の陶器市に立ち寄らず、だったものの、食いしん坊の私たちを満足させてくれ、さらには初夏の風や緑を感じられるワンデイトリップに大満足でした。

 

編集バタコ

器の旅で印象的だったのは大分県の小鹿田焼と、いまは岐阜にアトリエがある吉田次朗さん(当時山口県にいらっしゃったときにお邪魔しました)。ここ3年はシュノーケルの旅にハマってます。

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