SEARCH GINZA ID

劇団雌猫が考える、幸せな働き方と仕事の選び方 〜前編〜

劇団雌猫が考える、幸せな働き方と仕事の選び方 〜前編〜

平成元年生まれのオタク女子4人組からなるグループ「劇団雌猫」のみなさんが、GINZA読者の悩みをズバッと解決してくれる「劇団雌猫 愛と浪費のおなやみ劇場」。応募フォームに寄せられる読者からの悩みを見ていると、お仕事に関するものが多いこと多いこと……。ということで、今回は仕事の悩みについて4人が語りつくすスペシャル版でお届けします!


ようやく“推してるもの”から、
オタクそのものに興味が湧いてきた

ひらりさ こんにちは、劇団雌猫です! すでに「おなやみ劇場」の連載を何回か掲載しているのですが、まだ読者には「なんなんだこいつら」って思われてるんじゃないかって不安もあるので(笑)、今回はまずそれぞれ自己紹介しましょうか。

GINZA(以下、G) みなさん平成元年生まれなんですよね。お仕事はバラバラなんですか?

もぐもぐ バラバラですね。

ひらりさ でもそれぞれの業界はそんなに遠くないんです。全員、朝早くてきっちり終わるような仕事ではないから、仲良くなった部分もあるのかなって思いますね。

G 共通しているのは、オタクってことですよね。みなさんが推してるものを教えてください!

かん 私は、今はK-POPと宝塚。

ひらりさ 私は20代半ばまではアニメ・漫画・BLを追う典型的なオタクだったのですが、最近は映画とコスメにお金をかけていますね。あとは海外旅行と伊勢丹が好きです。美容院に行くといつもGINZAを置かれていますよ!

もぐもぐ 私はもともと宝塚にいた女優さんが好きで、今はその子の舞台を追いかけてることが多いですかね。チケットが平気で1万超えるので、まとめてある程度出費しています。1つの公演に5〜10回くらい入って、そのあと質素な生活をするみたいな感じ…。季節浪費者(笑)。

ユッケ 季節浪費者、いい言葉(笑)。

かん あとセクゾ?

もぐもぐ そうですね、ジャニーズはSexy Zoneが好きです!あとは宝塚で新しくトップに就任する2人の組み合わせがすごく好きで今ドキドキしています。

かん やばいよね〜!星組。

もぐもぐ 新しい扉が開く音が…。一寸先は闇状態です(笑)。

ユッケ 私が好きなのはジャニーズJr.と、最近ちゃんと行けてないんですけど、2.5次元ミュージカルとハロー!プロジェクトとか女子アイドルも。ステージで集団でパフォーマンスする人たちが好きです。

G 最近、アメリカに行かれてましたよね。日経MJの連載で読みました。

ユッケ ありがとうございます(笑)。ジャニーズJr.の美少年のコンサートを観に行きました。

G そんなみなさんが結成したのが「劇団雌猫」で、これまでお金、メイク、そしてお仕事についての本が出ています。

劇団雌猫 著書

仕事と趣味、どっちも頑張る女性たちのリアルな声を収録する『本業はオタクです。-シュミも楽しむあの人の仕事術-』(中央公論新社)を7月にリリースした

G 最新の『本業はオタクです。』で仕事がテーマになったのはどうしてですか?

かん もともとはZing!というwebメディアでの連載なんです。

ユッケ 「オタクと暮らし」についての連載をSUUMOタウンさんでやっていて、そのあとにZing!さんでこの連載をはじめたんですけど、暮らし以外でオタクのライフスタイルでトピックにするとしたら何かを考えて。

ひらりさ 『浪費図鑑』シリーズがもう3冊出ていて、ひとしきりオタクのど真ん中の話をしたからこそ、その周辺の話で気になることを拾うターンになったみたいな感じで。

もぐもぐ 推してるものから人間に興味が広がっていった、みたいな(笑)。オタクとして出会った相手に仕事の話ってそうそうしないから発見があるし、連載って形式的にもいろいろ聞けて面白いかなってことで始まったんです。

ユッケ もともと同人誌は “インターネットで言えない話”っていうコピーがあって、1冊目の『悪友 vol.1 浪費』では、「自分の推しにどれくらいお金を使ってるか」「どんなふうに応援してるか」ってネットだとちょっとマウントっぽくなっちゃう、人に言いづらい部分を深掘りして聞いていたんです。仕事も年収がどれくらいで、どういう仕事内容でって聞きづらい部分があるじゃないですか。

G 例えば仕事に対してのパーセンテージとかも言いづらいですもんね。「私、60%でやってます」とか(笑)。

ユッケ 堂々とは言いづらいですよね(笑)。

G 『本業はオタクです。』では、オタクと仕事を割り切ってる人と関連してる人で2つの章に分かれていますが、みなさんはどっち派ですか?

ひらりさ 私はもともとBLが好きだったので、最初はBLマンガの編集をやりたい…という気持ちもあったんです。でもど真ん中で仕事にすると嫌いになっちゃうかもなと思って、ぐるぐるしているうちに新卒では、WEBメディア編集になりました。今は本業では編集者はやめてしまい、副業でライター・編集をしています。

ユッケ 私も趣味=仕事って感じではないけど、割り切ってお金を稼ぐための手段とは思えないし、飽きるだろうなと思ったので、割と趣味に近いところの仕事をしてます。

もぐもぐ 私はもともとブログで文章を書いてて、こういう仕事なら続けられるかなぁって思ったからかな。趣味を優先したっていうよりは、趣味に使う時間や気力を取っておきたいから、仕事は自分がある程度得意なことの延長線でやれることって感じで決めた気がする。

G オタク活動で培われたことからってことですか?

もぐもぐ 私そもそも、オタクになったのは大人になってからなんですよ。働きだしてから、毎日が張り合いがなさすぎて土日で楽しいことがないと5日も働けないわ! 正気じゃいられねえ!って…。アニメとか舞台とかいろいろ見はじめたら楽しかったんですよね。

かん 文章を書くことはオタクになる前からしてたの?

もぐもぐ そう。だから自分の中では趣味とは別かも。繋げようと思えば繋げられるけど、あんまり関係ないかな。

かん 私はまったく働きたくなかったんで、せめて気を紛らわせられるところを探してたら、雑誌で好きなアイドルがその会社のオフィスに行ってたから会えるかもって思って。

ユッケ そういう理由なの?(笑)

かん 面接でも言ったし、入ってからの社員へのインタビューでも言った。会えなかったけど(笑)。

もぐもぐ 2回は来ないわな(笑)。

かん 考えが甘すぎました(笑)。

 

業界、年齢、スキルも多種多様
仕事の悩みはオタク友だちに相談すべし

 

G みなさんの推しとお仕事のことが分かったところで、今回は読者からのお悩みに4人でお答えいただきます! まずはこちらから。

「好きなことに携われるけれどいわゆるブラックな会社に勤めていて、多忙なのにお給料が少ないのが悩みです。土日出勤、残業が多いけれど、残業代は出ないし、忙しいため休みもとれません。しかもボーナスもなしです。唯一のモチベーションは仕事で年に数回推しに会えることだけです。上司は悪い人ではないし、小さい会社で人数も少なく、多忙なのは仕方なくとも、せめてお金が欲しいです。なんとか我慢していますが、なんだか趣味を人質にとられているようだし、残業代分本来ならもっと稼いでいるはずなのにと考えると損した気分になります。でも推しに会える仕事を手放したくない気持ちもあり転職に踏み出せません。好きなことと福利厚生を両方とりたいと考えるのはわがままでしょうか。アドバイスをいただけると幸いです。」(深夜さん/22歳・宣伝会社・都内で彼氏と同棲中)

ユッケ やりがい搾取問題だ。お金だけが問題なんですかね。今と同じ条件で給料が倍になりますよって言われたら満足できるのかな。

ひらりさ 「年数回会えるって結構お得な職場では?」と思ってしまう一方で、実際趣味を人質に取られてるのは間違いないよね。自分が満足いくほうが結果的に長く推しに会えるオタク活動を続けられると思うので、推しに会える可能性がある業界のままでいいから転職したほうがいいんじゃないかな。

もぐもぐ この会社で昇進できるとか、何か転職に有利なカードが切れるとかの可能性があるならい続けるのももちろんアリだけど、こういう気持ちのままで無為に過ごすのはちょっともったいない気がする。

ひらりさ モチベーションが推しに会えることだけなのもよくないよね。

ユッケ 私だったらこの会社に4〜5年はい続ける気がしますね。推しに会いたいって気持ちだけで、28歳くらいまではやれると思う。でも最近30歳になって、体力の低下を実感してるんですよ。28歳と30歳で全然違うんです、体の重さが(笑)。朝は起きれないし、徹夜できないし、同じ量を飲んでるのに潰れちゃうし。

【劇団雌猫 愛と浪費のおなやみ劇場 スペシャル版】前編

もぐもぐ 大変な20代だったんだね……(笑)。

ユッケ 22歳では分からないと思うんですよ、30歳でこうなるって。だから体を壊さない程度に満足するところまでやったら、30歳から先は自分をいたわれるようなところに転職できるように準備をしておくとよさそうな気がします。

G ちなみにみなさんは何回転職してるんですか?

かん 1回です。

ひらりさ 私は2回。

もぐもぐ 1回。

ユッケ 私は1.5回みたいな感じですね。同業の別の会社に移って、そのあとフリーランスになったので。

G もともと転職は選択肢にあったんですか?

もぐもぐ 転職のサイクルって本当に業界によりますよね〜。私はIT系だからわりと回転が早いけど、ユッケさんの周りはあんまりいなかったんだよね?

ユッケ 私は出版なんですけど、全然周りにいなくて。でもこの3人が転職してるから、意外と世の中転職する人多いんだな!って思った。

ひらりさ 私も周りに経験者がいたからっていうのはあって、私もかんが転職するときに、自分も転職を考えてたから話を聞かせてもらって。

もぐもぐ この方も周りに経験者がいたら、聞いてみたらいいかもしれないですね。

ひらりさ 業種は違うけど転職してるオタクとか、業種が一緒の知り合いとか、いろんな方向に話を聞いてみるっていうのはすごく大事なことだよね。

もぐもぐ オタクの友達っていろんな年齢、いろんな業界、いろんな社会人スキルの人がいるから相談しやすい気がする。会社の人には言えないけど外の人になら素直に言えることもあるだろうし、オタク人脈を生かして相談していくとためになるかも。この『本業はオタクです。』でも、好きな仕事をあえて辞めて全然違う業種になったって人いたよね。

ひらりさ タテゴトアザラシさんね。ぜひ読んでみてほしい。好きな仕事だけど…と悩んでる人はGINZA読者にも多そうな気がする!

ユッケ 確かに、アパレル系とか。

もぐもぐ こんな質問もありました。

「アパレルのデザイナーとして新卒で就職しました。一人前のデザイナーになるのが目標です。ブランドのやり方としては分業で会社的には効率的です。しかし、服作りの一部しか知ることが出来ず、他の会社でデザイナーをする同級生とくらべて焦っています。デザイナーとして働き始めてから2年目で大してデザインを任されず、転職も考えますが、自分から学びにいけてないのではないか、という自分が甘いのかなと悩んでいます。しかし、今の仕事内容ではやりがいがないという事に気付きました…。」(txmnさん/20代・アパレル企業デザイナー・都内で一人暮らし)

もぐもぐ 業界を知らなすぎて適切なアドバイスになっているか分からないけど、デザインができるって外野からするとすごい強みだと思う!例えば、副業なんかでやりたいことを100%できるプロジェクトを自分で運営してみるとか。

ひらりさ 個人で少量生産のブランドをSNSで始めてる人もいるもんね。会社でビジネスとしてのアパレルを学ぶことは大事だから辞める必要はないと思うんですけど、学び方のひとつとして自分でやってみるのはアリかも。

G 例えばみなさんの推しや周りのオタクのやり方で、ルールにとらわれない成功例ってあります?

かん 元タカラジェンヌの七海ひろきさんはすごくない?

もぐもぐ そうだね、GINZA読者に通じるかな?(笑)

かん 宝塚の男役さんって退団すると、大体女優さんになるんですよ。でも七海ひろきさんは、男役のイメージを崩さずにアーティスト活動を続けてるんですよ。

もぐもぐ 在団中から声優もちょっとやってたし、アニメが好きという自分の趣味を大事にしつつ、宝塚の男役の魅力も生かしててすごい!宝塚時代のファンもコンサートやイベントがあると嬉しいし、「男装の麗人」的なポジションで新しいファンもできそう〜!

かん 唯一無二な雰囲気だよね!

ひらりさ オタク目線で考えるなら、例えばぬいの服のブランドを作るとかありかも。

もぐもぐ 編集部さん、ぬい、分かります?(笑)。専門用語ですみません。

G ぬいぐるみ、ですよね……?

ひらりさ そうそう、アニメのキャラクターをデフォルメした小さいぬいぐるみがめちゃくちゃ流行ってて。

【劇団雌猫 愛と浪費のおなやみ劇場 スペシャル版】前編

ユッケ オフィシャルで売られてる服が少ないから、同人イベントで買う人が多いみたいなんです。

もぐもぐ 確かに、ぬいのお洋服作れるオタクめっちゃ良さそう!神になれる!

ひらりさ ぬいの服からはじめて顧客を掴んでから、ぬいとお揃いできれる服を作るとか。

もぐもぐ いいね〜。楽しそう。手弁当でできる範囲でやってみて反応をもらうと、やりがいが満たされるかもしれないし、逆に思ってたのと違ったって分かるかもしれないし。

かん アパレルのトップメゾンって、大御所に見出されて有名になっていくことが多かったじゃないですか。でも今は個人でファンを作れるから、見出され待ちはもう時代遅れですからね。

ひらりさ 見出され待ちは時代遅れ、身にしみる。

G 自分から世に出ていくってことですか?

かん 例えば漫画の世界だとそうなってきてませんか? 賞を取らなくてもTwitterでバズったから本になったり。

もぐもぐ 友達10人くらいに「なんかほしいものない?」って聞いたら1つか2つくらいアイデアが出てくる気がする。

ユッケ そういうちっちゃいところから始めるのもいいかもしれないですよね。

ひらりさ 会社でやりがいを見つける前に自分の周りで見つけると、そこから転職の方向性も定まったりするかもしれない!

G 前編はここまで!後編もお楽しみに〜!

 

後半はこちら▶︎

劇団雌猫 げきだんめすねこ

平成元年生まれのオタク女4人組(もぐもぐ、ひらりさ、かん、ユッケ)。2016年12月にさまざまなジャンルのオタクがお財布事情を告白する同人誌『悪友vol.1 浪費』を刊行し、ネットを中心に話題となった。2017年8月には『浪費図鑑』(小学館)として書籍化。現在はイベントや連載などに活動を広げながら、それぞれの趣味に熱く浪費している。
Twitter:@aku__you

Illustration: kame Edit: Karin Ohira

#Share it!

#Share it!

FOLLOW US

GINZA公式アカウント

関連記事

PICK UP

MAGAZINE

2020年12月号
2020年11月12日発売

GINZA2020年12月号

No.282 / 2020年11月12日発売 / 予価850円(税込み)

This Issue:
新鮮なアイテムが必ず見つかる!
メンズ服の可能性

いま気になるのは
メンズファッション

...続きを読む

BUY NOW

今すぐネットで購入

MAGAZINE HOUSE amazon

1年間定期購読
(17% OFF)