劇団雌猫からのアドバイス
今月の回答者:もぐもぐさん、ユッケさん

もぐもぐ 今回は、もぐもぐとユッケのペアでお送りします!まず相談者さん、自分の世界観を持ってるっていいことだな〜!私はむしろこだわりなさすぎて、インテリアもクローゼットの中身もちぐはぐ。
ユッケ もぐもぐさんは過去に友達とルームシェアしていたことがあるけど、その時も困ったことはなかった?
もぐもぐ うん、ほとんどなかった。お互い自分の部屋があったし、私は共用部に置きたいものはほとんどなくて。こんな机や椅子を置きたいとか棚を置きたいとか、そこは彼女におまかせでした。
ユッケ すごい!信頼関係があったのね。私は一人暮らし歴も長いし、相談者さんの言いたいこと、すっごくわかるんだよね。世界観というほどかっこいいものは持っていないけど、自分の生活ルールが確立されすぎていて、ここに他人が入ってくるイメージが湧かないの。周りの人はみんな普通に同棲したり結婚したりしていてすごいよ...。
もぐもぐ それって、自分の生活ルールを相手も守ってくれないと嫌って感じなのかな?洗濯物のたたみ方とか…?
ユッケ 嫌というか…自分の中では、自分ルールが一番効率的だし生きやすいんだよね。それを他人が別のルールでやっていると、まず驚いちゃう。「なんでそうやってるの!?」って。でも、いちいち相手のルールについて「それ変じゃない?効率悪くない?」って突っ込むのはお互いに不幸だから敢えて言うことはしないけど、心の中ではずっと思っているし、相手も私に同じようなことを思っているんだろうなと思うと、それがストレスになってしまう…。考えすぎなのかな!?
もぐもぐ なるほど〜、人のやり方にいちいち突っ込むのもアレかな?って気持ちはわかる。これは人によると思うから一概には言えないけれど、自分のルームシェアや結婚生活の経験から言うと、意外と譲りたくないところは譲らなくてもなんとかなるような気がする。
ユッケ ほう。というと?
もぐもぐ 例えば、やろうと思えば洗濯もまったく別にできるし、部屋を分けることもできるよね。どっちかが合わせなきゃ!って思うより、お互いイライラしない範囲でやっていこうぜ〜、くらいのゆるい心持ちでいると「無理!!」ってなりにくいと思う。
あと、りりさんやユッケさんみたいなこだわり強い派もいるけど、実はあんまりこだわりない人も案外多いんじゃないかな〜。私もそうだし。自分がリードしちゃおう、くらいの気持ちでもいいかもしれない。インテリア好きな人がこだわって作った空間で暮らすの、楽しそうだもん。
ユッケ なるほど、実はこだわりない人多い説!たしかに、最初から自分と世界観が100%一致する人を探すよりも、世界観を特に持たない人を見つけてその人を自分色に染めていく方が楽なのかも。
もぐもぐ そうそう、そういう可能性もあるよね。
ユッケ ただね、これは私の偏見なんだけど、自分の世界観が強いタイプの人って、同じように強い世界観を持っている人を好きになる傾向がある気がするの。何もこだわりを持たない人と出会っても魅力を感じづらいのかもしれないなぁと思う。やっぱり、世界に一人だけのメサイア(※)を探してるのよ…。
(※ここでは、小説を原作に舞台や映画など広く展開し、女性人気の高いメディアミックス企画『メサイア・プロジェクト』に登場する関係性の概念のこと。架空の歴史を辿った日本を舞台に、特殊な警察組織に属するスパイたちがお互いをただ一人救える唯一無二のパートナーを「メサイア」と呼ぶ。転じて、世界に一人だけの相手、運命の相棒、の意)
もぐもぐ 運命のメサイア….(笑)。たしかにいっそ、がっちり世界観の合う人を見つける!の優先順位を高くする方向もありかもしれない。 人生において。
ユッケ 共通の趣味の集まりに積極的に行ってみるとか、SNSで雰囲気が合いそうな人を探してみるとかね。そもそも相談者さん、今は実家暮らしとのことだから、まずは一人暮らしをしてみてもいいかも!2、3年一人暮らしをしてみて、100%自分の好きな世界観を楽しみ切ったらある程度こだわりが落ち着く、ということもあるかもしれないし。
もぐもぐ そうだね!一人暮らしは楽だし、何より自由を謳歌できるよね。お風呂上がりに誰にも怒られずにダラダラできるし、ある程度部屋が汚くても気が咎めないし……
ユッケ 長いこと一人暮らししていると、部屋着のズボンすら履かなくなる。だらしなさの極み。今日もいきなり宅急便きて焦った…。
もぐもぐ 下手したら下着のみとかね。世界観の一致って話とは少しずれるけど、他人と暮らすと物理的に制限されることは確実にあるからな〜。お風呂やトイレに、入りたい時に入れないとか。
ユッケ それなのよ。私、付き合いたての彼氏が家に遊びに来るとき、トイレの音を聞かれるのが嫌すぎて、コンビニまでトイレ借りに行ってたもん。その人は結局、同棲もせずに別れちゃったけど、もし一緒に暮らすとなると気疲れするかもなぁと思った。
もぐもぐ それはすごい徹底ぶりだな!?(笑)まぁでも同棲でも同居でも、他人と暮らす限り煩わしさはゼロにはならない、それは事実だよね。ただ、深夜にしょうもないバラエティ番組観てだらだら喋るとか、「帰りにアイス買ってきて〜」みたいなことができるのは一人じゃ味わえない楽しさで、それはそれで新しいポジティブ要素だとも思う。
ユッケ それは楽しそう!
もぐもぐ あと恋愛関係だけの話でいうと、一緒に住んでいるとデートの約束の必要がないのは個人的にはめちゃくちゃ楽だったな。土日しか会えないと、急にライブや観劇に行きたくなっても「ごめんその日は予定が!」って言いにくかったけど、毎日会えるなら、まぁ1日くらいさ……。私はスケジューリングが超苦手で、決める前に面倒くさくなっちゃいがちなので、そのストレスなくなったのはよかったです!という効率厨目線。
ユッケ たしかに、いきなり決まった現場のためにデートをドタキャンするとか心痛むもんね。実は忙しいオタクこそ、同棲した方がいい説。
もぐもぐ 「一人は楽」だけど「人恋しいときもある」っていうのはりりさんに限らず万人に共通する葛藤だと思うから、いきなりどっちかにしなくても程よいバランスを探っていけるといいね。
ユッケ そうだね。色々試してみると、自分に一番ちょうどいい暮らし方が見えてくるかも!
☆次回はひらりさ・ユッケが登場します☆
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Illustration: Maiko Sugiyama Composition: Sae Ota Edit: Karin Ohira