平成元年生まれのオタク女子4人組からなるグループ「劇団雌猫」が、オタク心を持つアラサー読者の日頃の悩みをズバっと解決。応募フォームに集まったお悩みに、メンバーである、かんさん、ひらりささん、もぐもぐさん、ユッケさんが月替わりで回答します。前回のお悩みはVol.17 何も成長しないまま、歳だけとっていくことが怖いです
友達から「目が小さい」とイジられるのが嫌。傷付かないために私ができること【劇団雌猫 愛と浪費のおなやみ劇場 vol.18】
質問
今月の悪友:りすさん
劇団雌猫の皆様、はじめまして。いつもすごく楽しく本や連載などを拝見させていただいています。もしかしたら、私のような高校生が送っていいところではないのかもしれませんが、どうしても聞いて欲しい悩みがあるので送らせていただきました。
単刀直入にいうと、友達に目が小さいといじられることです。多分、友達はおふざけなのだと思いますが「目が開いてないよ!(笑)」「目ちいさっ!(笑)」と笑ってきます。周りに他の子がいたこともあり、そのときはうまく反応できなくって。その子が去ったあとの、残された私たちの気まずいムードも最悪でした。それからも何度もからかってくるので、とても傷ついています。
先日、母に写真を撮ってもらったときにその言葉を思い出して、「あぁ、私は彼女に醜いと思われていたのかな」と考えてしまっい、息ができないくらい悲しい気持ちでいっぱいになりました。私は朝が弱くて学校にもボサボサの髪で登校しちゃうし、メイクの知識もほとんどありません。でもからかわれないためには私が変わらないといけないと思うのです。なので、その子の発言への対処の仕方と、前向きに過ごすための知恵を劇団雌猫の皆様からお借りしたいと思いました。よろしくお願いします。
劇団雌猫からのアドバイス
今月の回答者: もぐもぐさん、 ユッケさん
ユッケ 今回はもぐもぐさんとユッケのペアでお送りします。なんと高校生からのお悩みが届いたよ〜!過去最年少じゃない?
もぐもぐ 嬉しい!もちろんどんな年齢の方でもお便り大歓迎です! 少しだけ長く生きている身として、自分より年下の方々に知っていることはなんでもお伝えしたいよ。
ユッケ 「目が小さい」といじられるとのことだけど、こういうのってふざけて言われるのが一番しんどいよね……。もぐもぐさんの高校時代も、見た目いじりみたいなことってあった?
もぐもぐ 顔ではないけど例えば「背ちっちゃ!」「全然伸びないね〜?」みたいなことは、親しみを込めた冗談として言ってしまっていた気がする……。今思い返すと恥ずかしいけど、言うのも言われるのも身に覚えあるなぁ。ユッケさんはどう?
ユッケ 私は自意識マンだから自分が言われたことを具体的に覚えているけど、髪の毛が癖毛で、それをいじられるのがすごく嫌だったな〜。
もぐもぐ わかる! なんで高校時代ってあんなに縮毛矯正したかったんだろう(笑)。
ユッケ 当時、雑誌『Seventeen(セブンティーン)』をめちゃくちゃ読んでいたんだけど、モデルさんがみんな髪の毛ストレートで眉毛は細くて目は二重だったから、それだけが正義だと思い込んでたんだよね。私たちの世代だと鈴木えみちゃんとか榮倉奈々ちゃんとか、すっごい輝いて見えた。
もぐもぐ うんうん。今の自分より「こうなりたい!」のパターンが狭かったかも。
ユッケ そうそう。「自分らしさ」というのがわからなくて、なんとか狭い「正解」に自分を無理やり持っていこうとしていた気がする。
もぐもぐ 相談者さんは、まず自分の痛みに気が付いていることがえらい!自分でわかっていれば「これくらい言っていいんだ」と思わないから、傷付ける側にならなくて済むもんね。
ユッケ 痛みに気づかないふりしてピエロみたいに乗っかっちゃうと、延々といじられちゃうんだよね。
もぐもぐ 「そういうキャラ」になっちゃうやつ。
ユッケ 私たちの世代だと「彼氏いないいじり」とか「結婚できないいじり」とかもそうだけど、「そうなんだよね〜私ブスだしモテないからさ〜あはは」って返しちゃうと、相手もいじっていいんだって勘違いしちゃうのが多かった気がする。自分のためにも相手のためにも、ちゃんと「傷付いた」って表明するのは大事だと思うなぁ。
もぐもぐ 「相手のためにも」は本当にそう!相談者さんとの関係性は私たちにはわからないけれど、相手が全く悪気がない可能性もあるよね。「残された私たちの雰囲気は最悪でした」って書いてあるし、周りのお友達もモヤモヤしているのかも。こういうのって大人になると「あの時のあのいじり、ダサかったな」って恥ずかしくなるはずだから、早めに気付けるとみんな絶対ハッピーだよ。
ユッケ 「傷付いた」って表明するには、どうしたらいいかなぁ?私だったら直接言うのは気まずいからLINEで伝えちゃうかも。
もぐもぐ ガチで喧嘩しに行く!っていうよりは、まずはちゃんと真面目に伝えてみるといいかもね。無理そうだったら、喧嘩に持ち込んでいただいて……。
ユッケ 『ビー・バップ・ハイスクール』か?
もぐもぐ 友達にも「実はいじられるの嫌なんだよね…」と先に伝えておいて、さりげなく援護射撃してもらうとかね。
ユッケ 集団から1人に対して言うとそれはそれで圧になってしまうから、なるべく少人数で話し合うのが良さそう。もぐもぐさんは、直接言えるタイプ?
もぐもぐ 働き始めてからは言えるようになったな〜。わりとガチトーン&真顔で「それ嫌なんだけど言わないでくれる?」って返すと意外に改めてくれることも多いなって気づいた。
ユッケ 言えるようになったのは、何かきっかけがあったの?
もぐもぐ これは身も蓋もないけど……最悪、相手との関係が壊れても別にいいや、って思えるようになった。友達ならそんなに会わなくてもいいし、会社の上司や同僚なら一生の付き合いになるわけじゃないし、部署が変わるように頑張るとかもできるし。でも、高校時代ってそういうわけにもいかないよね。
ユッケ 学生にとっては、学校での時間が生活のほとんどを占めてるもんね。あとは、学校内の人間関係にもよるのかも。私が中学生の時、いつも一緒にお弁当を食べる仲良しグループに、ある日突然別のグループの子から「今いるグループの子と喧嘩しちゃって戻れないからこっちに入れて」って言われて、私たちのグループに移籍したことがあったの。
もぐもぐ 移籍(笑)。アイドルみたいな。
ユッケ 思い返すと、私たちも普段からその子と適度な距離感で仲良くしていたからこそ出来たことだなぁと。いざ特定の友達と関係が壊れても、他のところに頼れるコミュニティがあれば、その安心感からズバッと言いたいことを言えるようになるかも、って思った。
もぐもぐ たしかに。「ここだけじゃない」安心感は大事だよね。それに友達は学校以外でもできるから、友達からのいじりが呪いになってしまっているなら、外やインターネットでコミュニティを探すのもいいと思う。
ユッケ あとは、自分で前向きに過ごすための知恵を身につけるのも大事。人になんと言われても、私は私の顔が好き!って思えるようになると良いよね。
もぐもぐ そう思えるようになるコツはある?
ユッケ 私は癖毛がコンプレックスだったんだけど、大学生のとき美容師さんに「この癖毛活かしたら、パーマ当てなくてもニュアンスヘアになりますよ」って言われて、サラサラストレートヘアだけが正義ではないんだ!って気づいたの。
もぐもぐ 美容師さん、神! 超いい話だ〜〜!!
ユッケ 逆に、相談者さんが自分の小さい目が本当に嫌なら、アイプチしてみたりメイクを頑張ってみたり、他の好きなパーツを目立たせることで小さい目を目立たせなくしたり……色々方法はあると思う。
もぐもぐ そうだよね〜。「ありのままを愛そう!」って思えたらそれはもちろん素晴らしいことだけど、「なりたい自分」に近づけるような手段を試してみるのもありだと思う。そういう意味だと、『Seventeen』くらいしか教科書がなかった私たちの時代より色んなYouTuberを見たり海外の情報を得られたりする今の方が、呪いを解く手段は多いのかも。
ユッケ 美容系YouTuberは私もいつも元気をもらってる!いろんなコンプレックスを抱えつつそれを乗り越える方法を教えてくれる人がたくさんいるから、興味あれば見て欲しい。もちろん、見た目に拘らずに内面や別の部分を磨くのも最高!
もぐもぐ いじりに対して「なんかやだなぁ」という感情を高校生の時点で気付けたこと、これからの自分の糧になると思う。その気持ちを大事にしてほしいな。
ユッケ 少しでも前向きになれますように。応援しています!
☆次回はユッケ・かんが登場します☆
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Illustration: Maiko Sugiyama Composition: Sae Ota Edit: Karin Ohira