20 Jun 2021
地方移住しようか迷い中。転職してまで行くべき?【劇団雌猫 愛と浪費のおなやみ劇場 vol.25】

平成元年生まれのオタク女子4人組からなるグループ「劇団雌猫」が、オタク心を持つ読者の日頃の悩みをズバっと解決。
質問
今月の悪友:まいまいさん
とある地方に移住しようか迷っています。元々年に数回旅行で訪れる程度ですが、何となく雰囲気が好きで漠然と「いつかは住みたいな」と何年間も思っています。
さらに現場も行けず、仕事も在宅勤務が定着した今般の状況で、都内に住むメリットも薄れてきており、ますます憧れの地方への想いは募るばかり…。ただ、今の職場に不満があるわけではなく、友人や家族と離れてまで行くべきか、来年30歳にもなるのにこんなんでいいのかといまいち踏ん切りがつかない状況です。
劇団雌猫からのアドバイス
今月の回答者:かんさん、ユッケさん
ユッケ 今月はユッケとかんでお送りします!
かん 今回の相談者さんのお悩み、コロナ禍という時節柄、似たようなことを考えている人も多そうだよね。最近は地方の豪邸が売れてるっていうニュースもみた。
ユッケ 私の周りにも地方移住計画立ててる人いるよ。コロナ禍でなかなか出かけられないしリモートワークだし「東京にいる意味ない」って思うみたい。
かん 相談者さんは、移住したいと思っている土地のことがもともと好きなんだね。めっちゃいい!
ユッケ 「いつか住みたい」って思える場所があるの、とても素敵だね。
かん ユッケは「いつか住みたい」と思う場所、ある?
ユッケ 港区。
かん いつだってブレないな。私は宝塚ホテルの跡地に住みたい!タワマンが立つらしいの。聖地に住める、しかもタワマンとなると、さすがに憧れる。
ユッケ いいな〜!オタクとしてその夢、叶えて欲しい。
かん がんばります。ちなみに相談者さんは、引っ越すとなると転職や友人・家族との別れがネックになっているみたいだけど、ユッケは身内や友人と離れることへの寂しさって感じる?
ユッケ 私は大学入学を機に上京したけど、地元があんまり好きじゃなかったから、寂しさはなかったんだよね。東京では“Brand new ユッケ”になるつもりで上京したから、地元の記憶は全て捨ててしまった。
かん 潔いな〜。じゃあ例えばさ、港区が北海道にあるとするじゃん?今の東京の友達とか関係を捨てなきゃいけないとしても、港区に引っ越したいと思うの?
ユッケ 例えがワケわかんないけど(笑)、その場合は港区には引っ越しませんね。私にとって「いつか住みたい場所」は東京だったからその目標はすでに達成したし、今は「住みたい場所」より「東京でやりたいこと」がまさっているから。かんは仮に今、宝塚のタワマンが無料で手に入ったとしたら、引っ越す?
かん ヨユーで移住するよ!今すぐ!
ユッケ 寂しさとかないんだ?質問者さんは、コロナ禍っていう状況を考えると、友達や家族と離れて暮らしたら「会いたいときに会う」のは難しい一方だと思うから、どっちが自分にとって比重が大きいかは慎重に考えた方がいいかもしれないね。
かん 友達と疎遠になるの、高校・大学くらいまでは人並みに寂しいと思っていたんだけど、例えば遊ぶ約束するとしても結局面倒臭いが勝ってしまって、直前で嫌になってしまうということにいい加減気付いてからは、寂しくなくなった。これは歳を重ねてよかったことの一つかな。
ユッケ 後ろ向きに前向き、って感じだ(笑)。
かん そうそう。そもそも私、この前まで家庭の事情でインドに住んでたんだけど、寂しかったらインドでやっていけないからね。仕事もインドからフルリモートだったし。
ユッケ フルリモートでも、仕事は問題なくできてるの?
かん できてるよ!もちろん現場で働いてくれている仲間がいるからだけど。だから相談者さんも、在宅勤務が定着しているなら、移住しても今の会社で働き続けることもできるんじゃないかな?会社にかけ合ってみるのはありかも。
ユッケ かんはインドに引っ越すとき、それまで日本で受けていた仕事を全部リモートにして持っていったんだっけ?
かん 正社員として勤めている会社と副業として関わっている会社があったんだけど、正社員の方はフルリモートを認めてくれなくて、結局正社員を辞めて業務委託としてそれまでの仕事を一部続けることにしたの。副業の方は日本にいたときからフルリモートで関わっていたから、仕事内容も変わらず、っていう感じかな。
ユッケ 相談者さんも、そういう交渉の余地があるといいよね。住むところも仕事も人間関係も全てが一気に変わるのは怖いかもしれないから、何か一つでも変わらないものがあると安心。
かん フルリモートの正社員でやっていけないかどうか交渉したときに思ったんだけど、やっぱり会社って特例みたいなものを作りたがらないんだよね。本当は無理すればできることも、できないって言ってくる。だから相談者さんも無理って言われるかもしれないけど、一度わがまま言ってみてもいいと思うし、そういうときにこそ会社からの評価とか本音が見えてくるのかなと。そこで気持ちが離れちゃったら、私みたいに心機一転関わり方を変えてもいいと思うし。
ユッケ あとは、今抱えている不安とか希望を一個一個紙に書き出していくと、思考がクリアになって「何が一番自分にとって大事か」が明確になるかも。
かん それ、宅トレYoutuberの竹脇まりなさんもやったって言ってた!2カ月後に死ぬなら何がしたいのか、を書き出して、一つ一つ消していったら「おかんみたいになりたい」が残ったんだって。その「おかん」は、健康で明るく楽しく踊る人だったっていう。
ユッケ 登録者230万人のたけまりさんが言うなら説得力ある。書き出すのは本当に大事だよね。私も毎年、手帳に「今年叶えることリスト」書いてるし、それでけっこう夢とか目標が叶ってるよ。
かん いいね。私はお母さんが大好きだから、実家を出て上京する時、お母さんと自分の可能性を天秤にかけて自分の可能性を取ったようで後ろめたく感じてた時もあったの。でも結果的に、自分の可能性を取ったことで回り回ってお母さんのためになっていて、よかったなぁと思う。
ユッケ 「勝ち」のイソップ童話じゃん。いい話。
かん 相談者さん、一回移住してみて、嫌だったら戻ってくるのはどうかな?なんていうか、人っていうのはもっと身軽に生きていいと思うの。
ユッケ ほんとそう。最低限人に迷惑さえかけなければ、自分を第一に考えていいと思う。
かん モヤモヤが残る選択は良くないよね。「あの時ああしておけばよかった」っていう後悔はもったいないから、オルタナティブの方が少しでも良さそうに見えるならそっちを選択すべき。ていうか相談者さん、年に数回その土地を訪れるって相当好きってことじゃない?もう、移住しよう!GO!
ユッケ (笑)。行ったことはあるけど「住む」ということに不安があるなら、試しにワーケーションとかで数カ月住んでみるっていうのもありだよね。
かん あり!私も広島でワーケーションしたけどとても良かったよ。地元のスーパーとかお店とか、旅行では行かないところに行ってみたら、住むイメージも湧くかもしれないし。
ユッケ 私も許される状況になったら、軽井沢とかでワーケーションしてみたいなぁ。環境が変わると心機一転「頑張ろう」ってやる気も湧いてくるかもしれないし、いいよね。
かん いまはホテルもAirbnbも値段下がってるし、緊急事態宣言が明けてもう少し落ち着いたら、なんちゃって移住から始めてみるのはいいかも。あまり考えすぎず、軽やかに生きていきましょう〜!
☆次回 ひらりさ・ユッケが登場します☆
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劇団雌猫 げきだんめすねこ
平成元年生まれのオタク女4人組(もぐもぐ、ひらりさ、かん、 ユッケ)。 2016年12月にさまざまなジャンルのオタクがお財布事情を告 白する同人誌『悪友vol.1 浪費』を刊行し、ネットを中心に話題となった。 2017年8月には『浪費図鑑』(小学館)として書籍化。 現在はイベントや連載などに活動を広げながら、 それぞれの趣味に熱く浪費している。“女たちの装う理由“を集めた劇団雌猫原案のコミック『だから私はメイクする』(フィールコミックス)が発売中。
Twitter:@aku__you
Illustration: Maiko Sugiyama Composition: Sae Ota Edit: Karin Ohira