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タクシードライバーに教わるホスピタリティ【仕事で活きる、心遣いのティップス】

タクシードライバーに教わるホスピタリティ【仕事で活きる、心遣いのティップス】

深い思いやりと行動をもって、仕事に向き合う人。相手と接する際の意識と姿勢から、学ぶべきマナーが見えてくる。


 

タクシードライバー
影山みなみ
「国際自動車」乗務社員

ムードを感じ取って誠実な態度を
心がければ相手もそれに応えてくれる

「限られた人数で過ごす小さな空間だからこそ、柔軟に相手を気遣うことが求められる」と、タクシー乗務員として働く、影山みなみさんは話す。
「印象の決め手となる挨拶は、やはり重要です。私は『こんにちは、お待たせしました』という第一声から明るくハキハキと話すよう気をつけています。営業所で事務作業をする日は、たとえ夜でも同僚に会ったら『おはようございます!』と自分から元気よく。夜勤のドライバーも多いため、『気をつけて行ってらっしゃい』という気持ちを込めて言葉を届けます。お客さまが乗車すると、初めに『車内の温度はいかがですか』と尋ねるのですが、その時の返答からムードを感じ取って、どう接するのがベストなのかを探っていきます。ご年配の方にはよりいっそう優しい運転を心がけたり、夜遅くに乗られた方には『お疲れさまでした』と声をかけたり。実は、道で手を挙げている方が視界に入って、近くに停車するまでの時間で『よし、この人にはこういう接客をしよう』と、考え始めているんですよ」
降り際に「ありがとうございました」と言われた時や、深夜に乗車した女性に「運転手さんが女性で安心しました」と喜んでもらえた際などは、やりがいを感じる上、人の優しさに触れることで温かい気持ちになるそう。しかし日によっては、ひどく酔っ払った人や、ルールを守らない人への対応に困ってしまう場面も、当然あるという。
「これは私が学んだ仕事のコツのひとつなのですが、自分が礼儀正しい態度をとっていれば、相手からも丁寧に接してもらえることが多いんです。
逆に、ドライバーの態度が悪ければ、きっとお客さまも同じように接してくるはず。自分が仕事をしやすくするためにも、どんな方にも誠意を持って接することが大切なのだと気づきました。また、タクシーは一期一会の仕事なので、たとえミスをしてしまっても気持ちを切り替えやすいのはよい点かもしれません。私の場合、落ち込んだ時は、とにかく車内の窓を全部開けます(笑)。そうやって空気も気持ちもフレッシュな状態にして、笑顔で次のお客さまを出迎えるよう心がけています」

影山みなみ かげやま・みなみ

美術専門学校でアートやデザインを学んだ後、ワークライフバランスを重視して2018年に「国際自動車」に入社。現在は営業所の班長も務める。

Photo: Hitomi Kurokawa Text: Momoka Oba

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