日本を代表する別荘地・軽井沢で仕事をしながらホテルステイ!?2022年に開業したライフスタイル・ブティックホテル〈ホテルインディゴ軽井沢〉に、連泊限定のワーケーションプランが登場。ドリンク片手に集中したら、大浴場でリフレッシュ。焚き火ラウンジで暖まって、美味しい朝ごはん。まさにいたれりつくせりな宿泊プランを体験してきました。
仕事場は広々としたワーケーションサロン。
滞在中はフリードリンクで、好きなだけ。
最近はすっかりおなじみになったワーケーション。私も旅三昧、仕事三昧な日々を過ごしています。でもホテルで仕事をするとき、ずっと部屋にこもりっきりだと気が滅入ってしまいませんか?その点、ここ〈ホテルインディゴ軽井沢〉なら“逃げ場所”が多くて安心。オールデイダイニング〈KAGARIBI〉の2階がワーケーションサロンとして開放されていて、ゆったりした環境でパソコン作業ができるのです。つまり、ホテル内にコワーキングスペースがあるような感じ。ソファ席や、階下のレストランを見渡すテーブル席、グループでも利用できる大テーブルと、用途や気分にあわせて席を移動しつつ、なんてのもOK。
ワーケーションサロンはソーシャルディスタンスもばっちり。レストランの貸切予約がない限り11:00〜16:00まで利用できる。
竹の繊維からできたバンブータンブラーをワーケーションプラン限定で提供。このタンブラーがあれば、1階のレストラン〈KAGARIBI〉(6:30〜22:00)と、ロビーラウンジ(10:00〜22:00)でコーヒーや紅茶などのドリンクが無料に。
この棟は吹き抜け構造なので、たまに一階の様子を眺めたり。それにしても、この空間で仕事ができるなんて、贅沢。
エントランス横のロビーラウンジの「ライブラリー」の本棚には〈代官山 蔦屋書店〉のコンシェルジュがセレクトした書籍がずらりと。マティスやピカソの作品集、浮世絵や伝統芸能の本、ファッション写真集と、滞在中に読みきれないほど。
ロビーラウンジにも座って仕事をしたり、くつろいだりできるスペースが。薪ストーブが燃える音をBGMに本を読む時間、至福です。
ちょっと一息、ついでにアート鑑賞。
軽井沢らしさが、いたるところに。
全6棟からなる建物には、クリエイティブで遊び心いっぱいの“仕掛け”がたくさん。ローカルアーティストの版画や、浅間山など軽井沢の自然をモチーフにした作品が飾られていて、まるでアートギャラリーのよう。一つ一つ、じっくりみて回りたくなります。
客室のソファーコーナーに飾られているのは、オーストラリア出身で軽井沢在住のアーティスト、テリー・マッケーナの木版画。雪景色などの自然はもちろん、古いポストカードやテニスコートから着想を得た作品も。
客室棟の廊下にはイラストレーター、ルイス・メンドのアートワークが。実はルイス、東京でアーティストインレジデンスを運営していて、過去にginzamagでも取材したことが。
お部屋にもルイスのポストカードが置かれていた。思わぬところで友達に出会えたような気持ちになって、なんだかほっこり。
スパの入り口にはNYのアーティスト、マーサ・タトルの作品が。ウールや絹などのファブリックと塗料をふんだんに使われていて、独特の素材感が面白い。
金属造形作家の桐山征士による、浅間山と野鳥をモチーフにした作品がワーケーションサロンに。テープ状の薄い鉄板を曲げて作られているのだそう。
ゲストルームでのんびりしたら
大浴場やスパで、体をリセット。
総客室数は155室。ガーデンビューと矢ケ崎川に面したリバービューのお部屋、どちらも趣があります。ヨガマットが敷ける広いバルコニーを併設したスイートは、友達同士や母娘の旅にも人気なのだとか。大浴場も併設しているので、仕事に集中した後は、露天風呂に浸かってひと汗流すのもよし。タイのオーセンティックなトリートメントを味わえる〈ザ・スパ by HARNN〉でとことんリチャージするのもおすすめです。
お庭に面した窓から柔らかな光が差し込むスタンダードツインガーデンビュー。32㎡とほどよいサイズ感でくつろげる。
スイートルームにはバルコニーに面したバスルームが。冬は雪景色を眺めながら、至福のバスタイム。
大浴場には炭酸泉露天風呂やサウナ、水風呂も。血行もよくなって、体もポカポカ。疲れもとれて、翌日の仕事もはかどる。
フィットネスセンターのマシンはドイツの木製フィットネスメーカー〈NOHrD〉のもので、素材は再生可能な上、電源の必要なし。自走式駆動のランニングマシンや、水の動きを利用したバランスボードなど、これまでにないトレーニング経験!
〈ザ・スパ by HARNN〉は大浴場の上階。私はアロマテラピーを取り入れた伝統的なタイマッサージ「アロマティック タイ ボディマッサージ」(60分¥22,000〜)にトライ。手のひらから伝わる圧で筋肉の張りをほぐすというアプローチで、翌日は心地よい筋肉痛に。
薪火料理のディナーコースでお腹いっぱい。
朝食ブッフェで翌朝も快調にスタート。
「ネイバーフッド」(地元や近隣の意味)を大切にする〈ホテルインディゴ軽井沢〉。オールデイダイニング〈KAGARIBI〉では、ホテルから車で10分の距離にある「柳沢農園」から直送される新鮮な野菜など、地元産の食材を使った料理がいただけます。ディナーは薪火のグリルやピザ、長野県だけで30種類あまり揃うワインも堪能。朝食は温冷フードに自家製ペストリー、和食コーナーも充実のブッフェで大満足。
4品のコース(¥6,000)より、信州ポークのポルケッタ。低温調理により旨味がぎゅっと凝縮された、肉厚で食べ応えのある一品。
薪火を取り入れたスペシャルなピザ窯がオープンキッチンに。どんなピザが焼きあがるのかというと──。
長野に来たらやっぱりキノコ!ということで、上州舞茸とモッツァレラチーズ タプナードのピザ ¥2,800。
早朝はこの清々しさ。テラス席はヒーター完備でワンコ同伴もOKなので、犬連れでやってくる近隣の別荘の利用者も多いのだそう。
卵料理に自家製パン、野菜やベーコンのグリルに、熱々を焼き上げてくれるオムレツ、濃厚な野菜ジュース。朝食のボリュームときたら、とても1日では食べ尽くせないほど。ワーケーションプランで連泊しても、飽きる心配いらず。
ブリオッシュを1日かけてマリネし、キャラメリーゼしながら焼くフレンチトーストはシグネチャー。おかわり必至。
洋だけでなく、和もハイレベル。白米は長野県のオリジナル米・風さやか。信州味噌のお味噌汁や焼き物も抜かりなし。軽井沢って、美味しいものの宝庫なのですね。
レストラン入り口ではペストリーを常時販売しているので、持ち帰ってお部屋でいただくのもあり。ワーケーションプランのフリードリンクもここでオーダーする。
朝ご飯のラストにカフェラテをテイクアウト。ロゴが年輪なのが素敵。
気分転換にちょうどよい距離感。
滞在の合間にネイバーフッドを探索。
〈ホテルインディゴ軽井沢〉では全スタッフが「ネイバーフッドホスト」と呼ばれ、ネイバーフッド(ホテル周辺の土地や人々)への思いを愛情持って伝える“語り部”を目指しているのだそう。それに気が向いた時にふらっと近所を散歩するのもワーケーションステイの醍醐味。軽井沢はミュージアムや有名建築の教会、一度は訪れたいクラシックホテルといった名所が盛りだくさんなのです。仕事の休憩がてら、街歩きに繰り出してみました。
ネイバーフッドホストのおすすめでまず訪れたのがここ雲場池。水面に映る木々の美しさったら……! 冬は雪景色に様変わりする。
駅前でアウトレットをのぞいてから、旧軽方面へ。現代アートの美術館『軽井沢ニューアートミュージアム』はブックショップが充実。草間彌生の作品も常設されている。
観光客や修学旅行生がいっぱいのメインストリート・旧軽井沢銀座。ショップもお土産屋さんもたくさん。
旧軽井沢銀座から少し離れて、1987年創業の歴史ある『軽井沢ユニオンチャーチ』へ。この建物は教会や大学、山の上ホテルなどの商業建築でも知られるW・M・ヴォーリズの設計。
〈万平ホテル〉のカフェテラスにて、ジョン・レノン直伝のロイヤルミルクティーとアップルパイを。ここはジョン&ヨーコが日本滞在時にロングステイしたゆかりの場所。2023年1月3日から1年半の改修工事に入るので、駆け込みで行けてよかった。
仕事もホテルステイも、近隣探索だって満喫できる〈ホテルインディゴ軽井沢〉のワーケーションプラン。取材に訪れたのは11月でしたが、今の時期なら幻想的な雪景色の中の滞在となるかも。この冬のプランに、ぜひ。

Hiroko Yabuki
エディター・ライター。『POPEYE』『BRUTUS』などで編集・ライティングを手がける。ginzamag.comで「ライターYの京都通信」連載中。通訳案内士のラインセンスを持ち、海外アーティストのインタビューや撮影コーディネーションも行う。
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Photo and Text: Hiroko Yabuki