部屋も心も、すっきり快適に過ごすための定番品は、“自分にとっての使い心地のよさ”を基準にまず考えよう。長尾智子さんの愛用品インタビュー。
フードコーディネーター長尾智子さんが愛用するうつわとカトラリー:暮らしの定番品
長尾智子
オーバル皿と 土ものの器など
ON THE TABLE
長尾智子さんにとって、スタンダードとは「毎日、自然と手が伸びるもの」。その筆頭は、なんといってもオーバル皿で、食器棚には国籍(?)もサイズもさまざまなオーバルがひしめいている。「使いにくいと思う人も多いようですが、何でも感じよく盛り付けられます。茹でただけの野菜をどんと盛ってもいいし、小さなおにぎりをいくつか並べてもいい」。和、洋、中と料理を選ばないし、「楕円であることで余白を気にせず、自由でいられる」という。
右はアスティエ・ド・ヴィラット、中央はフランスのブロカントなどで手に入れた古いもの。左は長尾さんの理想を形にしたSOUPs(soup-s.stores.jp)のオーバル皿。M21cm*2枚セット ¥3,900、L26cm ¥3,800。
2つめはシルバープレートのカトラリー。20年ほど前にロンドンで買ったのが最初で、以来、旅にでるたび少しずつ手に入れ、今ではかなりの数に。「風合い、色味、口当たりの良さと見た目のかんじ良さ。少し高いかもしれないけれど、毎日のことだから少し質のいいものと過ごすと気分よくいられます。食卓のおまじないみたいなものですね」
やわらかな光を放つシルバープレートカトラリー。
そして、土ものの器(陶器)も長尾さんにとってのスタンダード。「素材感のせいか、土ものは野菜に近い感じがあります。黒とか茶色とかのグラデーションだと野菜のグリーンが映えて眺めがいい。器と料理が一体化して神経質にならずいられるというか。オーバル皿と一緒で、試しに使ってみるとその気楽さに気づいてもらえると思います」
グラタン皿などオーブンウェアは旅先で。中央のグリーンはアルザス地方のもの。沖縄民藝の器もよく使う。土もののなかにもこっそりオーバルが…。
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長尾 智子
フードコーディネーター。SOUPsには新作のケーキ皿もお目見え。新刊『ティーとアペロ: お茶の時間とお酒の時間 140のレシピ』が発売中。vegemania.com
Photo: Akiko Baba Text&Edit: Yuko Ota