ファッションやアートなど、さまざまな分野の表現者たちが作りあげたプライベートルームを拝見。もの選びの基準、色彩へのアプローチ、スペースの捉え方。それぞれが追求する“居心地のよさ”とは?
🛋LIFESTYLE
デザイナー・川上淳也「直感で選んだ品々との“洞窟生活”」|クリエイターたちの快適空間に潜入 vol.7
直感で選んだ品々との“洞窟生活”
川上淳也
デザイナー
デニム、置物、器、植物、水晶…、川上淳也さんは古いマンションの一室に好きなものを目一杯詰め込み、暮らしている。
「情報量が多いほうが、いろいろ考えを巡らせることができる。大半は20代を過ごしたサンフランシスコのフリマやスリフトショップで購入。誰がどうやって何のために作ったのか。瞬間で〝物語〟を感じるものに惹かれます。今見ると、当時とはまた違うインスピレーションを得られるのも面白い」
知り合いの店舗兼アトリエだった部屋を心底気に入り、約5年前に念願叶って入居。
「天井のアーチが効いた縦長のワンルーム的な間取りで、広さは40平米くらい。洞窟にいるようで、とにかく落ち着く。床はベニアにウレタンを塗って固めただけ、壁も剝がれた部分はそのまま。この雰囲気が、自分が集めたジャンクなものと相性がいい」
棚の奥に積まれたヴィンテージのヒースセラミックスの皿、サイドテーブル下の曽祖父から引き継いだ火鉢など、心くすぐるアイテムの埋蔵量は底知れない。
「これからも確実に増え続けます(笑)。雑多だけど、居心地がいい。アメリカで触れた、計算では出せない〝しゃれ感〟が理想です」
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川上淳也
高校卒業後、1998年に渡米。サンフランシスコで膨大な古着とストリートカルチャーに浸り、影響を受ける。2014年、この街の愛称を冠した〈SEVEN BY SEVEN〉をスタート。
Photo: Yuka Uesawa Text: GINZA