人生はいつだって夢芝居。演じるほどに華やぐの。いい?女は女優よ。目を腫らすまで泣いてブサイクになっても、演じている限りはスポットライトの当たる女優なの。そして、監督で脚本家で照明係で音響係なのよ。何ひとつ、わかっちゃいないアンタたちのために銀座アガリのわたくしが、女の生き方をとことん、教えてあげるわよ。
その19
「妬みを上手にかわす、女優になる」
●嫉妬は時として、女優生命を脅かす。
いい?アンタたちったら、まったくわかってない!今の世の中、脳天気に「婚約しました!」「出産しました!」「おかげさまで前年比120%アップです!」なんて、公表しちゃいけない世の中になっちゃってるのよ。なんだかんだで激動の時代にあって、当たり前のことが当たり前じゃなくなっているのか、本来、祝福されて当然だったはずのことが、「それができなくて辛いひとの気持ちを考えてない」なんて、非難されるのも、むしろ普通になってしまって……。人間関係の遠いひとからならまだしも、ときには親友だと信じていたはずの友人や人事掌握権を握る上司からだと、女優生命の危機に陥ることも。
じゃあ、祝福されたいひとの気持ちは?なんて、やり返したくもなるけれど。なにかと注目を浴びやすい女優としては、波風立てず、華麗に嫉妬をスルーできるような演技技術でも身につけておきましょうかね、と。なにせ、わたくしの初主演、幼稚園のお遊戯会でやった白雪姫だって継母の嫉妬のせいで、命まで狙われてたくらいですから。嫉妬はかわすに越したことはない!
●女優は、嫉妬する側を苦しみから救う女神たれ!
なぜ、ひとの幸せを妬むのか。ここらあたりの心理を考えてみると、他人さまが幸せにできていることを自分ができていないと、なぜかダメ人間だと宣告されたような気持ちになって、つい反撃しちゃうわけでしょ?であれば、対策は簡単。とにかく、お相手を褒める。なんでもいいから持ち上げて、お相手の存在を「こちらは認めてますよ!」というサインを出して、お相手を安心させる筋書きが効く。日頃から会うひとを褒めたり、羨ましがったりすることで、未然に妬みを防げるはず。親切にするのも大いに結構。で、逆に褒められたり羨ましがられたりした場合は、「今の幸せに至るまで、不幸で大変だった」というエピソードを、まるで今この瞬間、不幸のどん底にいるかのように、感情たっぷりに演ればOK。
妬み屋さんって、「自分ばっかり苦しくて、自分ばっかり不幸」ってマインドで自分のことしか考えられないわけ。うまくいってるひとだって、大変な思いや苦労があるってことを想像できないんだけど、「いやいや、私もあなたと同じ、苦労人ですよ」ということを語ってあげれば、向こうでも「このひとも自分と同じなんだ」って、勝手に仲間認定してくれるから大丈夫。