人生はいつだって夢芝居。演じるほどに華やぐの。いい? 女は女優よ。目を腫らすまで泣いてブサイクになっても、演じている限りはスポットライトの当たる女優なの。そして、監督で脚本家で照明係で音響係なのよ。何ひとつ、わかっちゃいないアンタたちのために銀座アガリのわたくしが、女の生き方をとことん、教えてあげるわよ。
その4
「大掃除で悪運とおさらばする、女優になる」
●寒ブリ宣言を過ぎた大掃除は、遅すぎる。
いい? アンタたちったら、まったくわかってない! 来年こそ開運するぞ! 大掃除しなきゃ! って意気込んでるみたいだけど、大掃除っていうのはね、12月31日に慌ててやるもんじゃないのよ。ズワイガニ漁の解禁どころか、ひみ寒ブリ宣言の後でも遅いくらい。来年の占い本が各種出揃う10月くらいから始めないと。だって、その時点で来年の春夏には着ない服や靴ってわかってるでしょ? そういうものを処分するところから、よい年を迎えるための大掃除は始まっているんですから。もっと言うと、毎日が大掃除だから。日々、ちょっとずつカーテンやクッションカバーを洗って、窓ガラスを磨いてってことをやっていれば、12月だからって特別に頑張らなくっていいわけ。でも、みんな恋に仕事に忙しすぎて、そんなことやってらんないだろうから、せめて今から始めてほしい。
●いい女の「役」じゃなく、「厄」に憑かれてどうするの?
女優もいろいろだけど、「役に取り憑かれたよう」って演じ方ってあるじゃない? いい? 実際に事務所に所属してて、舞台やドラマですすけた女や不幸な女を演じるのがお仕事っていうのならともかく、「人生における女優」であるわたくしたちが演じる役はただひとつ、「幸せないい女」だから。そこを起点になんでも考えてほしいわけ。で、お母さんがおせちをつくってるときに、必死こいて自分の部屋の掃除に取り組んで、こんなんじゃ元旦までにきれいになんないぐわ〜〜!!!! なんてやってると、ヘトヘトになるでしょ? それね、憑かれだから。疲れ=憑かれ。1年かけて溜まりに溜まった邪気に憑かれて、疲れたわけ。それって「幸せないい女」役を演じる女優として、どうなの?