27 Apr 2018
白と緑が際立つ「kusakanmuri」のブーケ

優しい花々の癒しの力は年齢や性別を超えて
“都会の野原”をイメージした「kusakanmuri」がオープンしたのは2011年、東日本大震災のあった年。「うちはもともとデザイン会社と出版社が母体。ちょうどその頃、新規事業を立ち上げる機会があり、何ができるか考えた結果、癒しを求める時代の空気に寄りそうフラワーショップを開くことに。ショップ名の通り「草=グリーン」をテーマにしたのは、人の心に寄りそう優しい色であるから。そして、緑を引き立てる植物として、白の花を取り入れたといういきさつがあるんです」(フローリスト中山千裕さん)。
ヨーロッパではロイヤルファミリーの結婚式にも使われる白バラ、アバランチェにヒゲのような花びらがキュートな南ヨーロッパ原産のニゲラ、ふんわり、大きく咲くトルコキキョウ。そこにホウキ状に繊細に広がるスモークグラスや、茶花や生け花にも使われる利久草などのグリーンをコーディネートした。「花は心をつなぐコミュニケーションのツール」というのも、デザインや編集を手掛けるクリエイティブ畑の人たちらしい考え方。アレンジするときは、贈り手のメッセージをどうやったら伝えられるかを考えてセレクトする。この日は母親の柔らかさ、優しさをイメージ。葉モノをぎゅっと寄せてボリュームを出し、ナチュラルな雰囲気に仕上げた。草原っぽさを演出したその心は「母親世代の原風景と重なるように」。花束はストーリーテラーでもあるのだ。
白とグリーンの生花は、ここ最近のトレンド。幅広い年齢層、シーンを問わずに受け入れられるため、母の日の贈り物にもぴったり。さらにシャイな男子でも抵抗なく買いやすいという側面もあり、プレゼントにオーダーする男性客も多いのだとか。撮影した日は、個性的な緑の紫陽花、プレミアキウイグリーンや、懐かしのナズナまでずらりと。ライラックや芍薬など初夏らしい花もそろそろ店頭に並びはじめる。2色使いでも合わせ方次第で個性や表情は様々。花って本当に奥深い。
「野原感」を大切に。その季節の葉ものを添える。ラッピングも白で、クリーンに。お祝いなどフォーマルなシーンにも対応しそう。¥3,000(税抜)。
「kusakanmuri」
くさかんむり
住所: 東京都渋谷区恵比寿西1-16-4 長谷戸ビル1F
✆: 03-6415-4193
営業時間: 12:00~19:00(土日祝~18:00) 火休
母の日期間中は限定商品のブーケやアレンジメントなどのみを販売。(¥5,000~)。写真の¥3,000のものは電話か店頭で相談を。仕入れ状況により内容は一部異なる可能性あり。
Hiroko Yabuki
ライター兼通訳案内士。2008年に渡英しロンドンへ。帰国後は雑誌で執筆するかたわら、海外から日本を訪れる旅行者を日々案内。www.tokyoai.jp
Photo: Mai Kise Text: Hiroko Yabuki