いまや世界的な観光地であり、女子の永遠の憧れ、京都。この街にお引越し(予定)のライターYが、ストリートから神社仏閣まで、初心者目線で見つけた気になるモノやスポット、イケてる人たちなどなど、フリースタイルでご紹介します。連載第二回目は、メイドイン京都のインセンスショップ〈山河本店香煙研究所〉に潜入。お香作りまでばっちり見せてもらいました。前回は〈エースホテル京都〉を紹介。
ライターYの京都通信 チャリで回って見つけた素敵なモノ Vol.2〈山河本店香煙研究所〉
ある日、鴨川の河原でギターを練習した帰り道、たまたまチャリで通りがかって見つけたお香専門店〈山河本店 香煙研究所〉。その漢方薬局風かつラボっぽい見た目が気になり入ってみたのですが、売られている“創作線香”がとってもユニーク。アジアや南米、アフリカなど世界中を旅するうちに、香りの世界に魅了されたという店主の橋本勝洋さんによると、使っているのは天然の素材のみ・日本のお香の原料として一般的な沈香や白檀といった香木をはじめ、薬草や樹脂、鉱物なども。鉱物のお香って、あまり触れたことがなかったから新鮮!
煙もお香の楽しみの一つという考え方で、煙の量や立ち方にもこだわっているそうです。例えば私のお気に入りの琥珀は煙が一番立つように調合されていて、横から照らす朝の光の中でぜひ、とのこと。そして面白いのは、香りはハーモニーで楽しむもので、ギターのコードみたいな感じで和音を作るようにしてブレンドして焚く、というメソッド推奨型であること。
さらに〈Sanga〉のお香には、橋本さんの長年にわたる統計(!)により、一つ一つキーワードが付いていて、直感で選んだ香りのキーワードをつなげることで、自分へのメッセージのようにもなるのだとか。例えば没薬は「維持」「助力」、乳香は「祈り」「治療」だから、この香りの組み合わせにピンときたら、「今頑張るためには、自分を少しだけ癒してあげないといけないのかも」という解釈ができちゃう。まるでちょっとした占いみたい。
ついでに作るとこ、見ていく?みたいな軽いノリで、お香作りも見学させてもらえることに。基本的に全てお店に併設の工房(と坪庭)で作業をしているそうで、本当にハンドメイドなんだな~と感動。
トラディショナルな香り激戦区の京都でも、異色の存在感をはなつ〈Sanga〉のお香。今すぐ京都に行けずとも、オンラインショップで購入可能ですよ~。
ちなみにお店のある二条通り近隣は、昔から薬屋が多いエリアで、お香やお線香の店もたくさん。ご近所には、薬の神様として信仰されてきた薬祖神祠もあるので、ぜひ。
山河本店 香煙研究所
お香は40本入りが基本で¥2,200から。9種類入りのアソートセット(¥3,080)もあり。価格は全て税込。
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Hiroko Yabuki
エディター・ライター。通訳案内士のラインセンスを持ち、海外アーティストのインタビューや撮影コーディネーションも行う。
Instagram: @tokyoai_hiroko