14 Mar 2023
ライターYの京都通信 チャリで回って見つけた素敵なモノVol.14〈エースホテル京都〉再び

世界的な観光地であり、女子の永遠の憧れ、京都。この街にお引越ししたライターYが、ストリートから神社仏閣まで、初心者目線で見つけた気になるモノやスポット、イケてる人たちなどなど、フリースタイルでご紹介します。前回は〈実相院門跡〉。
私が京都にゆる〜く移住してから、実はもうすぐ3周年のアニバーサリーなのです。ということで今回は初心に帰って(?)、この連載の第一回目で紹介した〈エースホテル京都〉について。長いパンデミックを経て、先頃シェフたちがついに来日。3月から限定&新メニューが登場というお知らせをいただき、久々にステイ。お腹も心も満足の2日間でした。

今回宿泊したのは高層階のキングベッドのお部屋「デラックスキング」。壁のアートは染色家の柚木沙弥郎さん。ベッドカバーは〈ペンドルトン〉のブランケット、サイドのライトは〈ミナペルホネン〉のテキスタイル。毎度のことながら、ときめきしかない。

窓際がベンチになっているのもまたよし。壁の照明は〈小菱屋忠兵衛〉。夜になるとほんのり灯って、さらに素敵なのです。

エースといえばお馴染みのレコード、今回のヘビーローテーションはこちら。初見で誰だかわからなかったけど、若大将こと加山雄三の若かりし頃のLP。昨年末の紅白のラストステージを思い出した〜。

ウェルカムスイーツのクッキーとお茶でゆるりと。陶芸家・額賀章夫氏、小皿は益子焼の作家・伊藤丈浩氏によるもの。1階のショップでも販売。

去年『ポパイ』の京都特集で取材した時にお邪魔した「ヒストリックツイン」はこんな感じ。旧京都中央電話局の登録文化財の建物を改築していて、アーチ型の窓が映えまくり。

同じく保存棟の「クラシックツイン」は、リビングとベッドスペースが別れていて、ワーケーションにも使いやすい間取り。写真のアートのシルクプリントは、シリアルナンバー入りのものが以前ショップで販売されていて、ひっそりマイルームに飾ってあったりします。

ルームナンバーも沙弥郎さんデザイン。「お掃除してください」はこのミニ箒を吊るすシステム。

朝ご飯はレストラン『Mr. Maurice’s Italian』にて。アメリカンブレックファスト(¥3,600)は卵料理を選ぶことができて、この日はスクランブルエッグをチョイス。玉ねぎ、トマト、ほうれん草入り、美味♡

オムレツにするとこんな感じ。そして付け合わせのローストポテトの甘味が強くてとても好きな味。他にエッグベネディクトやジャパニーズブレックファスト、単品のメニューもあって迷ってしまう。

ジムが何気に絶景なのもお気に入りポイント。反対側から見渡してみた図。隣接する『新風館』の中庭を見下ろすビューで、マシンも充実していて良き。

1階の〈Stumptown Coffee Roasters〉ではラテとドーナツがお決まり。ルームサービスもOKで、部屋までデリバリーしてくれる。

バー&タコスラウンジ『PIOPIKO』は、毎週火曜日にタコスがお得にいただける「TACO TUESDAY」や、平日昼間のハッピーアワーなど、普段からイベントが盛りだくさん。

メニューを監修するシェフ、ウェス・アヴィラが西海岸から来日! ご本人による説明を聞きながらの試食会に参加しました。無許可(!)のタコストラックからスタートし、現在は米国のトップシェフの一人として知られる実力派で、その発想が本当に面白いのです。

この日のお品書き。このうちパン・デ・エローテ以外の5品が新たにラインナップに。

コチニータピビルのタコス (¥1,800)。メキシコ・ユカタン半島の家庭料理・豚肉のコチニータに、玉ねぎのピクルス、オレンジ、パブリカ、焦がし玉ねぎのサルサ、トルティーヤ入り。ハリウッドにあるウェスのレストラン『Kaʻteen』でも提供している人気メニューを、柚子を使って仕上げた京風タコス。

海老の揚げタコスと海老のアグアチレ(¥1,800)。じゃがいもと海老の種をトルティーヤで包んで揚げたタコス。辛い海老ソース・アグアチレの風味と、揚げ餃子のようなサクッとした食感。

カリフラワーのタコス(¥1,600)。現地のスパイス・アチョーテを使ってマリネしたカリフラワーに玉ねぎ、コリアンダー、サルサヴェルデ、パイナップル。野菜たっぷりでヘルシー、サクッといただける。

朝食会場にもなっているレストラン『Mr. Maurice’s Italian』も、メニューを監修したマーク・ヴェトリがホテル開業以来初来日。米国のモダン・イタリアンシーンを牽引する『Vetri Cucina』率いるスターシェフの彼が、新たに考案したスペシャルなコース(¥8,000)が登場しました。

以下、試食会で特に印象的だったものをご紹介。サーディンのレモンマリネ 九条ネギバター レモン風味 (アラカルト¥1,400)は、京都の市場を訪れたとき、即興で考案した一品。両面カリッと焼き上げマリネにしたイワシを、九条葱のバターとグリュイエールチーズを塗ったパンの上に。斬新!

甘海老のタルタル サワークリームと京人参のマリネ (アラカルト¥2,400)。レモンとオイルでシンプルに味付けした甘エビのタルタル。シンプルながら、新鮮なエビの風味が際立っていて、一同絶賛の一皿でした。

スパゲッティ 生ウニと九条ネギ (アラカルト¥4,400)。スタッフからのリクエストで考案したもの。確かに日本人、ウニのパスタ大好きですよね。コクがあるけれど濃厚すぎず、絶妙なバランス。

余談ですが、店内のファブリックパネルと床のタイルは、西海岸在住のアーティスト、アレキサンダー・コリ・ジラード作。先日『ポパイ』でお部屋を撮影させてもらったので、よろしければチェックを。
インバウンドも復調し、桜のシーズンを控え国内外からのゲストが押し寄せそうな、“春の嵐”を予感させる3月の京都。旅の拠点にも、おこもりも楽しい『エースホテル京都』へ、ぜひお越しやす♡
Hiroko Yabuki
エディター・ライター。『POPEYE』『BRUTUS』などで編集・ライティングを手がける。通訳案内士のラインセンスを持ち、海外アーティストのインタビューや撮影コーディネーションも行う。
Photo and Text: Hiroko Yabuki