24 Nov 2016
ストリートアートとイーストロンドンのいい関係 – エディター天野志穂のLONDON 03

こんにちは、エディターの天野志穂です。冬時間になり、すっかり日が短くなったロンドン(今時点で日の入りは4時30分。これが3時30分まで短くなるのです。涙)。「寒い」「暗い」「天気悪い」と気分が滅入る要素満載の暗黒シーズンを、あの手この手で自分を騙しながら、なるべくご機嫌に過ごそうと思案する毎日。ぶらぶらと気ままに散歩する、というのも私にとっては楽しい時間。運動にもなるし、新しい発見もあるし。特にイーストロンドンは日々変わるので歩いていて飽きない! 今日はこの街のシンボル、ストリートアートのお話をちょっと。
街自体が巨大なキャンバスのようなイーストロンドン。
一体全体、どうやってこんな所にこんな絵やオブジェ(電車の車両とか車とか)を!と思うほど、インパクト大なものから、
王道のガード下はもちろん、
街灯にぶる下がったメッセージや、
ストリート名の下の小さなマスクや、
塀からのぞく顔や、
何なら自転車の止め方までアートのように見えるから不思議。
中には、すでにアーティストとして名前が通っている人たちの作品も。
カラフルな色使いと一筆書きのようなタッチが特徴のフランス人アーティストThierry Noir。
シューズブランド、ルパート・サンダーソンとコラボレートするなど、ファッション界にもファンが多いAnna Laurini。
「棒人間」で一躍ストリートアーティストとして注目を集めたSTIK。
彼のアトリエはショーディッチにあり、その前でGINZA用の写真を撮っていたら、な、なんと本人が登場! 気さくにも撮影をOKしてくれ、撮影用に帽子とサングラス(覆面アーティストのため)をアトリエに取りに戻ってくれた。いい人だぁ。
STIKがアート活動を始めたのは15年前。「最初はイリーガル(違法)だったけど、今はちゃんと許可を取ってるよ」と笑って話してくれた。以前はもっと彼の作品を街で見かけたけど、イーストロンドン、特にショーディッチ界隈は今や再開発の嵐。古い建物が壊され、新しいビルに生まれかわるときに壁が壊されたり、広告ビルボードで覆われたりと。そんなイーストロンドンがどんどん高級化、商業化してゆき、元々住んでいたアーティストや貧しい人たちが住めなくなることを憂いながら、活動を続けているのが彼。頑張って欲しいなぁと心から応援したくなる。
ロンドンの街は、歩いているといろんな出会いがあるのも面白い。だから、暗黒シーズンにも負けず、明日もまた歩こうと思える。とはいえ寒いのが大嫌いだから、もちろん完全防寒スタイルで!!
おまけ。
世界的に有名なバンクシーの作品。イーストロンドンにも少しだけ残ってます。
■ 過去の記事はこちら ■
ロンドンから発信する予定ですが、 今回はいま最もアツい街、キューバのお話。エディター天野志穂のLONDON 01
ハバナから世界遺産の町、トリニダーへショートトリップ。エディター天野志穂のLONDON 02
ストリートアートとイーストロンドンのいい関係 エディター天野志穂のLONDON 03

天野志穂
Shiho Amano
エディター&ライター。出版社の雑誌編集者だった2013年、ロンドンに住むチャンスに恵まれ、二つ返事で渡英。以降、フリーランスとして活動中。テー ト・モダンで今月10日からスタートする、エルトン・ジョンのプライベート所有の写真(マン・レイやドロシア・ラング)やアート作品を公開するエキシビ ションが楽しみでたまらない!