こんにちは。エディターの天野です。今回は、モデルと作り込んだ空間のバランスがアートのようだったロンドン発ブランド、TOOGOODのプレゼンテーションについて。2月17日から21日まで、ロンドン・ファッション・ウィーク(LFW)でした。季節が巡るのはなんて早い!と思いながら、AW2017-18コレクションのショーやプレゼンテーションをチェック。今やモード界のトレンドとなったSEE-NOW-BUY-NOWもあり、ますます時代がスピードアップしていくなか、最終日に見たTOOGOODに思わず心惹かれる自分が。。。
TOOGOOD。個人的には初耳ブランドだったのですが(勉強不足ですみません! 日本でもセレクトショップでお取り扱いあるそうです)、すでに今回で7シーズン目のユニセックスブランド。デザイナーはFayeとEricaのToogood姉妹。
デザイナーのFaye(左)とErica(右)。Instagram @t_o_o_g_o_o_dより。
自然豊かなイギリスのカントリーサイド、祖母がテイラーという環境で育ち、インテリアやプロップが得意なFayeと祖母のテイラーの腕を受け継いだEricaが二人の得意分野を生かしブランドをスタート。プレゼンテーションが行われたのはイーストロンドンにある一軒家のような彼女たちのスタジオで、服とインテリアとその背景までひっくるめて、なんとセンスのいい、彼女たちの世界観が受け手にはっきり伝わるコレクションで、思わず見惚れてしまいました。ロンドンのスタジオでのプレゼンテーションは今回が初めてだとか。エントランスでは、ドライフルーツのブレッドと、ファルコンのグレーのホーローマグに入ったライムブラッサムティーがふるまわれていたのに、いただくのに夢中で写真撮り忘れ。泣
メランコリックな英国の風景画(主にカラーパレット)と18世紀のモカウェア・マグ、第一次世界大戦時のカムフラージュスーツからインパイアされたという最新コレクション。服は天然素材をベースに、染色や織り、コーティングなどクラフツマンシップの技がひと捻りもふた捻り利いたディテールで、ただのナチュラル系とはまったく別の次元のクリエーションに。なかには、京都の西陣織の技術を取り入れたシルクジャカードなどもあり、ものづくりへのこだわりがビシビシ伝わってきます。
よく見るとモデルが鳩のオブジェを手にしていたり、壁がアートのようにペイントされていたり、とプレゼンテーションの仕方が本当に絶妙。さすが、Faye Toogood。彼女はオブジェや家具のデザイナーとしては知る人ぞ知る有名人。服とのコラボレートも見事で、姉妹デュオデザイナーならでは、という感じ。
ユニセックスなのも、ジェンダーレスな今の気分にぴったり。密かにこのコートが可愛いと、心の中のショッピングリストにメモ、メモ。
プレゼンテーションには関係ないけれど、こんなスタジオの水回りコーナーのテーブルウェアやキッチンツールまでもが好み。本当のセンスがいい!
なぜTOOGOODの世界観にここまで惹かれたのだろう?
自問するに、最近のものすごいスピードで走馬灯のように流れていくファッショントレンドや大量生産され消費されていく服たちに魅力をあまり感じなくなったのかもしれない。FUNという意味でのおしゃれは大好きだけれど、大切なお金を払って買うなら、服そのものにというだけでなく、デザイナーの思いや背景のストーリーに共感し、そのエクスペリエンスまで含めて共有したいと思える服を選びたい気分なのかも。個人が好きなスタイルを楽しんでいるロンドンにいるから感じたことかもしれないけど、ま、いちばんの理由は歳をとったってことかな。笑
そんなことを考えたLFWでした。
TOOGOODのAW17のルックはこちら!
http://t-o-o-g-o-o-d.com
http://fayetoogood.com
おまけ。
TOOGOODのクリエーションが好きな人におすすめのロンドンのショップ。
Mouki Mou
オーナーMaria Lemosの審美眼で選ばれたアイテムが並ぶマリルボーンのセレクトショップ。
http://www.moukimou.com
egg
ナイツブリッジにある隠れ家的ショップ。Maureen Dohertyがデザインするオリジナルラインのほかにセレクトもある。
https://eggtrading.com
Hostem
こだわりのブランドが揃う、エッジの効いたイーストロンドンのセレクトショップ。メンズもある。
http://www.hostem.co.uk