芸術の秋を充分満喫できる隠れ家的な美術館。エディター天野志穂のLONDON 19

芸術の秋を充分満喫できる隠れ家的な美術館。エディター天野志穂のLONDON 19

夏はさっさと過ぎ去り、めっきり秋の気配漂うロンドンですが、秋には秋の楽しみがあるということで、今回はガイドブックで大きく紹介されていないし傑作を所蔵している訳でもないけれど、ちょっとユニークで魅力的なミュージアムを2軒ご紹介したいと思います。

まずは、ホルボーンにあるサー・ジョン・ソーン・ミュージアム。

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こちら、19世紀の建築家、ジョン・ソーン卿が個人所有していたものを現在もそのまま保存し、ミュージアムとして一般公開しているもので、入場料は無料。1792年から1823年に3軒のビルを購入し、彼自身がデザインして個人宅、ライブラリー、ミュージアムに再建築し、実際に1837年に亡くなるまでここに住んでいました。つまり、一部は約180年前の個人宅。

 なにがユニークって、そのインテリア。これでもかっ!とばかりに、壁を埋め尽くすレリーフや彫刻、絵画の数々。ミニマリズムの真逆、デコラティブな装飾に、ソーン卿はどんだけ蒐集家(&どんだけ金持ち)だったんだ、と思いを馳せずにはいられません。

 

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フレームが壁中を埋め尽くしている絵画の部屋。

 

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ドーム型の天窓から自然光が差し込む吹き抜けのスペースには、レリーフと彫刻があちこちに。しまいには、エジプトから運んだというセティ1世の石棺まで!ここ大英博物館ではないんですけどねー。笑

 

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ほかにも、ライブラリースペースやキッチン&ダイニングも当時の様子を伺えるようになっています。

 

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通常は公開されていないのですが、1日に2回、ソーン卿のプライベートな居住スペースを拝見できるツアーもあります。

マリルボーンにある人気のブティックホテル、ゼッター・タウンハウスのロビーバーは、このミュージアムからインスパイアされたとか。インテリア&デザインに興味があるなら一見の価値ありですよ。

Sir John Soane Museum
Photo by courtesy of the Trustees of Sir John Soane’s Museum

 

続いては、もっとローカルで素朴なカムデン・アーツ・センター。

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ここはカムデン行政区の公立のミュージアムで、こちらも入場無料。常設はないのですが、新進気鋭のアーティストのエキシビションや陶芸教室など、創造活動をサポートする場所になっています。

 

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ガラス張りのエントランスを入ると、アート系の雑誌やカードなどが売っているショップが。

 

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エキシビションスペースは天井も高く広々と明るい2階にあり、このときの展示はオランダ出身のアーティストJennifer Teeの”Let It Come Down”。彼女がキュレーションした本を朗読するというインスタレーションも行われていました。

 

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ガーデンテラス付きのカフェもあり、ゆっくりのんびりアート鑑賞ができるので、場所がちょっと不便ですが結構穴場。

Camden Arts Centre

 

まだまだロンドンにはあまり知られていない小さな美術館やギャラリーがたくさんあるはずなので、この秋はアート巡りに勤しもうかな。

天野志穂

Shiho Amano
エディター&ライター。出版社の雑誌編集者だった2013年、ロンドンに住むチャンスに恵まれ、二つ返事で渡英。以降、フリーランスとして活動中。ナショナル・トラストが管轄しているハムステッドにある建築家アーノ・ゴールドフィンガーの自宅、2 Willow Roadの見学ツアーに参加し、静かに感動。1930年代後半に建てられたと思えないモダンなアイディアが随所に光り、こんな家に住みたいなーとしみじみ。写真撮影が禁止だったので(涙)、心にいっぱい焼き付けておきました。https://www.nationaltrust.org.uk/2-willow-road

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