一流なのに、気取らず「銀座」を味わえる名店たち 旧き良き銀座の歩き方vol.1

一流なのに、気取らず「銀座」を味わえる名店たち 旧き良き銀座の歩き方vol.1

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昭和の銀座を庭として青年時代を過ごし、この街を今もこよなく愛する作家、岩下尚史さんが教えてくださるの「旧き良き銀座の歩き方」。銀座ならではの伝統に触れて一人前のレディになる方法。街の来歴や往時の様子も聞くと、銀座正統の形が見えてくる!


1. 揺るぎのないおいしさに出合う

「今、銀座を歩いてますとね、銀座限定品とか言って、金箔散らしたようなお菓子とかあるけど、なにかねえ、田舎っぽい。銀座の基本の商売ではないんです。いつ行っても、いつものおいしいものを、分け隔てなく適正価格で提供するのが超一流、というのが私の持論です。そして銀座だって千円札握りしめていればおいしいものが買え、食堂使いできる心安い店もたくさんありました」

岩下さんの〝超一流の基準〟に適う店は減りながらも、健在。

「4丁目の『木村家』の4階なんて、どなたにもよろしいんじゃないですか。超一流のフレンチがいただけて店がきれいで、銀座の街を見下ろせる穴場ですよ。若い人だけで行くのにもリーズナブルだから安心。1階のパンもいつだっておいしい!」

超一流なのに、気取りがなく、銀座に浸って気分よくなれる……鰻の「竹葉亭」も同じだそう。

「本店ですね。書画や花などのしつらい、建築の趣など、現代の銀座にまだこんな古式ゆかしいところがあると思われるでしょうね。数寄屋の座敷席だと気が引けるでしょうから、椅子席で蒲焼や白焼をいただいては?」

あっさりしたたれを纏ったふかふかの鰻は、長らく支持され続けている。2軒とも年配の人に銀座を案内するのにもよさそうだ。ハイクォリティで不変と言えば、さらなる庶民派2軒もご指名。

「『天國』の1階でかぶと煮で始めて、天丼をいただくのも幸せな時間。『鳥ぎん』も地下なのに広くて、若い人でもお気軽に入れますよ。釜めし、おいしいよ」

銀座通りに面した「天國」は創業1​3​0年以上、横丁の店、「鳥ぎん」も戦後すぐから営業。ともに人気の名物料理は安定感満点で、テイクアウトも可能、昼夜通し営業も心強い。

アーブルヴィラージュ

牛ヒレ肉のポアレ シャスールソース ¥2,800(税込み)。

元マキシム・ド・パリの料理長が、トラディショナルなレシピを日本らしい工夫でヘルシー&シンプルに。パン食べ放題。

住所: 中央区銀座4-5-7 銀座木村家4F
Tel: 03-3561-0091
営業時間: 11:00〜14:30LO・17:00〜21:00(20:00LO)
: 無休(12/31、1/1除く)


竹葉亭

蒲焼 ¥2,500。

創業は江戸末期。銀座の高いビル群の間に佇む趣深い建築に心を寄せる人も多い。1階表側の椅子席でも壁にかかる絵や活けられた花を見、季節を感じることができる。鰻のほか鯛茶漬けも名物。

≫本店
住所中央区銀座8-14-7
Tel: 03-3542-0789
営業時間: 11:30〜14:30LO・16:30〜20:00LO
: 日祝


鳥ぎん

鶏そぼろ、海老、筍、グリンピース等が入る一番人気、五目釜めし ¥990(税込み)。

釜めしと焼き鳥の二本柱で有名。注文後作り始める釜めしの出来上がりまでは15分ほど。季節メニュー含め常時10種前後を提供する。

住所中央区銀座5-5-7 ニューギンザビル6号館B1
Tel: 03-3571-3333
営業時間: 11:30(ランチ14:00LO)〜22:00(21:30LO)
:無休(年末年始除く)


銀座 天國

海老、きす、イカ、野菜2点のA丼 ¥1,620(税込み)。

1・2階のテーブル席に加え宴席階、カウンター席階もありメニューは多様。特製油でサクッと揚げタレをくぐらせたしっとり天ぷらの天丼は不動の人気を誇る。

≫銀座本店
住所
中央区銀座8-9-11

Tel: 03-3571-1092
営業時間: 11:30〜21:00LO(ランチ1F〜17:00、2F〜15:00)
:無休(年末年始除く)

岩下尚史さん いわした・ひさふみ

新橋演舞場に長く勤務。新橋花街の芸妓たちによる『東をどり』制作に携わる。退職後、2006年に処女作『芸者論』を上梓、和辻哲郎文化賞を受賞。現在、『銀座百点』『美しいキモノ』等に連載をもつ。文筆活動のほか、テレビ・ラジオでもコメンテーターとして活躍中。

Photo: Kazuharu Igarashi Text: Chikako Hara

GINZA2018年12月号掲載

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