究極のホスピタリティって何だろう――答えは銀座にあり 旧き良き銀座の歩き方vol.3

究極のホスピタリティって何だろう――答えは銀座にあり 旧き良き銀座の歩き方vol.3

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昭和の銀座を庭として青年時代を過ごし、この街を今もこよなく愛する作家、岩下尚史さんが教えてくださるの「旧き良き銀座の歩き方」。銀座ならではの伝統に触れて一人前のレディになる方法。街の来歴や往時の様子も聞くと、銀座正統の形が見えてくる!


3. 銀座ならではのホスピタリティ、人とふれ合う

「とても丁寧だけどさっぱりしていて、仰々しくないのが銀座の応対の伝統。超一流のホスピタリティに迎えられるのも銀座ならではです。たとえば『かなめ屋』のおとうさん。実に銀座らしい接客をされます。あたりが柔らかくて柔らかくて。貴重な和装小物のお店ではギフト用に実用に買い物もしてみて」

柴田会長は、店の前を花柳界のリキシャがまだ行き交っていた頃から勤務。現在もほぼ毎日出勤されている。店頭に不在の場合も多いが「お呼び出しください」とのこと。昔のお話もうかがってみたい。

「『とらや』の1階にもすてきな女性がいてね。非常に丁寧で、でもサバッとしていて。なんだか落ち着くんですね」

しゃきっとしたスーツ姿の安藤さんは35年前に3年間店長を務め、銀座店に再び勤務し10年目、「お客様とお話しするのが楽しい」というお客様案内担当。土日祝日の方が遭遇の確率が高いと判明。

「一方で若くても応対が洗練されていて専門知識豊富な方が多いのが、『鳩居堂』。お店への愛情が強いんだと思います。以前テレビの取材でうかがった時も、清々しい気持ちで帰りました」

 

その時の担当だった勤続14年の高橋さんからは「お客様に教えていただくことも多いんです」と、また真摯な言葉が返る。またこちらで紹介の「竹葉亭」にも会えるとラッキーな〝人〟が……。

「女将さんの応対、物腰。先代女将から受け継がれている着物の着こなしも拝見できると、ね。義妹さんもすてき」

女将さんはお店に出て50年。今は座敷の方を主に担当されているとか。

良き店に行くばかりでなく、銀座に来るおばあさま方とのふれ合いも提案。

「違う世代の人と話すのは大切ですから。狙うは80歳以上。銀座の旧き良きを知りつくす女性たちと隣り合わせたら、声をかけてみては。みなさん、きっとこと細かに記憶してます。育ちのいい人たちだから、親切にいろいろ教えてくれますよ」

旧き良きことが今に通じる銀座で、体感したいことは数えきれない!

東京鳩居堂

伝統の信頼できる接客にレディ気分UP!

香・書画用品・和紙製品等を販売する専門店。明治の遷都と同時に京都から現在の銀座5丁目に出店し今に至る。伝統文化を守り育てる店のコンセプトは、20代から60代の知識豊富なスタッフによっても支えられている。

≫銀座本店 
住所: 中央区銀座5-7-4 鳩居堂ビル1・2F
Tel: 03-3571-4429
営業時間: 10:00(日祝11:00)〜19:00 
: 無休(年始除く)


とらや

東京遷都で京都から進出したとらや。銀座中央通りの路面店は昭和22年開店。1階では季節ごとの生菓子、羊羹ほか菓子を扱う。2階の菓寮では岩下さんも大ファン、夏季のかき氷も人気。毎朝の打ち水や暖簾にも風情。

≫銀座店
住所: 中央区銀座7-8-6
Tel: 03-3571-3679
営業時間: 10:00〜20:00(日祝〜19:00)、虎屋菓寮11:30〜19:00LO(日祝〜18:30LO) 
: 無休(1/1除く)


銀座 かなめ屋

稀少となった江戸べっ甲のかんざしや、帯留をはじめ和装に必要な小物を肌着から装身具までひと通りそろえる店。和装関連の店が消える中で踊り、邦楽関係ばかりでなく広く和装を愛する人から信頼を集める。

住所: 中央区銀座8-7-18
Tel: 03-3571-1715
営業時間: 11:00〜20:30、土12:00〜19:00 
: 日祝 

岩下尚史さん いわした・ひさふみ

新橋演舞場に長く勤務。新橋花街の芸妓たちによる『東をどり』制作に携わる。退職後、2006年に処女作『芸者論』を上梓、和辻哲郎文化賞を受賞。現在、『銀座百点』『美しいキモノ』等に連載をもつ。文筆活動のほか、テレビ・ラジオでもコメンテーターとして活躍中。

Photo: Kazuharu Igarashi Text: Chikako Hara

GINZA2018年12月号掲載

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