職住近隣のススメ。家賃が安いからって長距離通勤するのは損!――お金がたまる行動習慣vol.4

職住近隣のススメ。家賃が安いからって長距離通勤するのは損!――お金がたまる行動習慣vol.4

買い物ラバーならずとも、社会人になると交際費も馬鹿にならず… いつになったら、余裕のある暮らしができるの!という嘆きを引っ提げて、お金のプロ・加谷珪一さんに教えを請いました。ラストを飾る4回目では、大きな支出となる家賃にテコ入れを。家賃が安いことを理由に郊外に住む人は少なくありません。でもその選択、節約しているつもりが、貧乏マインドの温床になっている可能性が…


なぜ、そこに住んでいるのですか?

ひとり暮らしでも、パートナーと住んでいる人でも、固定費としてかかってくる住居費。社会に出たばっかりでお金がないなどの理由で、そうでなくても「節約!」のために郊外に住んでいる人は少なくないでしょう。

しかし考えてみてください。良かれと思っている電車通勤、本当の意味で「お得」と言えるのでしょうか?

例えば都心で1Kか1ルームで人暮らしをしようとしたら、物件のスペックにもよりますが、25平米以上で一定の綺麗さを求めたら安くても9~11万。上を見たらキリはありません(苦笑)。一方、山の手線の外側、郊外に視野を広げると、相場は2万くらい下がります。さて、郊外の家賃が比較的安い自宅から職場まで、ドアtoドアで1時間や1時間半。通勤に使う時間は往復約2~3時間。みなさんは、これを「お得」だと思いますか?

 

活動時間の3分の1を通勤で疲弊するなんて…

1日のうち、7時間睡眠とすれば活動時間は17時間。そのうち8時間は仕事とすると、残りは9時間。仕事以外にあなたが使えるマックスの時間のうち、約3分の1が通勤時間として消費されていることになります。ちょっと悲しくありませんか…?

出勤時刻がラッシュにぶつかる人は尚更。満員電車では、読書もできませんから、通勤時間を自己投資に充てようという考え方がそもそもナンセンスです。精神的にも肉体的にもストレスを感じる原因になるでしょう。

前出の家賃を想定した場合、郊外から都心に引っ越すことで2万円の家賃アップと考えます。8万円から10万円の物件に変えたとき、目に見える数字のインパクトに物怖じしてしまうかもしれませんが、差額は2万。1カ月のうち、約20日勤務とすると、平日1日当たり1000円の負担です。1000円って、東京都の最低自給より低いです。1日のうち貴重な時間を通勤に割いて、しかもそれは価値を生み出す時間にもならず、ストレスに拍車を掛けています。

「慣れるから」と言って、通勤地獄を長年続ける玄人もいますが、これはある意味思考停止。まあ、しょうがないと言ったらしょうがないことです。人間だれしも、自分の選択を否定されたら反発するのが性。それも年を重ねて、様々なライフイベントを経験し、家を買ったり、がんじがらめになった大人ならそうなって当然でしょう。そんな人の話は参考にしないようにしましょう

 

職住近隣のメリット3つ

①自分の読みたい本がよく分かった

これはどういう事かというと、通勤時間の暇を埋めるために適当に本を買っていたのが、その時間が無くなることで、逆に「何が読みたいか」分かるということです。そう、「暇つぶし」の感覚がなくなるんです。

②飲み会代が減った

わざわざ足を伸ばさなくても、美味しいお店が近くにある、というのが簡単な理由です。が、少し考えましょう。美味しいお店は、きっとあなたの住んでいる郊外にもあります。では、なぜ都心で飲むのか……これは、「ハレの場が楽しい」に尽きるんじゃないでしょうか。郊外に住んでいると、都心の煌びやかなスポットに「出たい!」という欲求は強まります。都心に住んでいると、いつでも行けるし、この気持ちは収まります。結果、飲み会代が減りました。その分家賃の補填に回せます。

③風邪を引かなくなった

電車通勤を辞めて、痛感したのはこれ。本当に風邪を引かなくなりました。考えてみたら、当然です。不特定多数の人が密集して狭い空間を共有しているのですから、風邪やインフルエンザの感染リスクに晒されることは絶対に減ります。

いかがでしょうか。次の更新を待たずとも、職住近隣にトライしてみる価値を感じていただけましたか? 「コスト」の概念も人それぞれですが、漠然と値段が高いというイメージで郊外にいることの方が「リスク」を孕んでいるという見方もできます。

Vol.1「今夜も飲み会行くの?」vol.2「大荷物は貧乏の始まり」vol.3「早起きの効能」、通じてお伝えしてきたことですが、一貫してポイントは、お金と上手に付き合う、これに尽きます。

支出の仕方を考えなおせば、最終的に稼ぎ方を考えるようになります。これができたら、最後はお金持ちになれるって話です。お金持ちは「使い方」が上手なんですよ、一言で言うと、「タメになるもの」にお金をちゃんと使えている。貧乏な人は「タメにならないもの」にお金を使っているんです。だから、この区別さえ出来ていれば万事OK。すべて上手くいきます。

だから、まずは簡単に出来る行動から。(ムダな)飲み会に行かず、早く帰ることができて、早起き(その分の時間を有用に)できたら、効果は倍増しますよ!

加谷珪一 かや けいいち

経済評論家。仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務に従事。その後、コンサルティング会社を設立し代表に就任、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。経済、ビジネス、マネー、政治、ITなどの分野で執筆を行っており、多くの媒体で連載を持つ。「加谷珪一の分かりやすい話」にて、お金から社会問題まで、日々情報を更新中。

Illustraiton: Minami Kitamura Edit: Norie Sato

#Share it!

#Share it!

FOLLOW US

GINZA公式アカウント

PICK UP

MAGAZINE

2019年11月号
2019年10月12日発売

GINZA2019年11月号

No.269 / 2019年10月12日発売 / 予価840円(税込み)

This Issue:
ブラックラブ♡日常で黒を着る!

なんだか気になるのは
プレイフルな黒!

...続きを読む

BUY NOW

今すぐネットで購入

MAGAZINE HOUSE amazon

1年間定期購読
(17% OFF)