気がついていましたか?6月って祝日が1日もないんです。「今週は3連休か~」ということがない。ただでさえお休みが少ないのに、その日が雨だったら…考えるだけで気分がさがりますね。そんな6月を少しでも気分よく過ごすためにはどうすればいいのか。祝日を増やすのは難しそうなので、雨の日もいい!と気持ちを切り替える方が現実的。ということで今月は雨の魅力を伝える映画5選をお届けします。
梅雨到来!なんか雨の日もいいな~と思える映画5選
『君の名前で僕を呼んで』
あらすじ
1983年の夏。聡明な大学教授の父と知的で美しい母に愛情を注がれる17歳の息子のエリオ。
彼らは毎年、助手の学生を交えて北イタリアの別荘で過ごすことが恒例になっている。今年は24歳のオリヴァーがやってきた。「後で」が口癖の彼に対し「失礼だ!」と反感を持つエリオ。
しかし、彼の知的で不思議な色気に周りの女性達も虜になる。どこか納得のいかないエリオではあったが、その色気に誰よりも理解し魅かれていることに気づくには時間がそうかからなかった。
雨の日もいいなPoint
「成長を促す雨」
この映画は演出がとてつもなく素敵。主人公の感情を現す音楽、雨や火の音、悩める若者の象徴「リーバイス」と「コンバース」、熟した大人を探すハエ。とても美しくピュアで生々しい、本当に素敵な同性愛テーマのラブストーリー。
そしてこの映画は大事なポイントで、雨が降ります。植物は雨が降ることで成長を促され大きくなっていく。主人公にとっては「やさしさ」「愛情」が成長を促すもので、それを「雨」で表現して観る者に伝えている。ロマンチックな演出だ。雨が降ったときは、自分の成長を促すために読書や勉強などを静かにして、外の植物達と一緒に成長するという地球との一体感、こんなこと考えるだけで、少し前向きになれるかな。
4/27(金)、TOHOシネマズ シャンテ 他 全国ロードショー
配給: ファントム・フィルム
提供: カルチュア・パブリッシャーズ/ファントム・フィルム
©Frenesy, La Cinefacture
『女と男の観覧車』
あらすじ
舞台は1950年、NYはブルックリンの南端に位置する“楽園”コニーアイランド。華やかで明るい遊園地とビーチで知られたこの地で、レストランでウェイトレスとして働くジニーは、再婚相手のハンプティと自身の連れ子のリッチーの3人で、終わりの無いストレスフルな生活を送っている。
ジニーの一番の悩みはリッチー。学校をさぼり、盗んだお金で映画館に入り浸るだけならまだしも、「放火グセ」がありついマッチに火をつけ、目の前のものを燃やしてしまう。そんな生活に堪え兼ねて海辺を歩いていたとき、ライフセーバーのミッキーと出会い、恋に落ちる。
人生に光を見出したジニーの前に、夫の絶縁状態だった娘、キャロライナが突然現れて…。彼女の存在がジニーの人生を大きく揺さぶることとなる。
雨の日もいいなPoint
「愛のキッカケは、雨」
オシャレ男女にファンが多い、ウディ・アレン監督最新作です。
冒頭のコニーアイランドの描写からもうウディ ワールドが全開!!
色彩×音楽が絶妙で気持ちいい。楽しい夢を見ているかのような心地よさ。
そんな映画で「雨」はどんな役割を果たすのか。
それは「キッカケ」。雨は男女に理由を作り、男女を隠し、男女を燃え上がらせる。
息子のリッチーが、液体を燃やしたいものにかけてマッチで火をつけているシーンが、まさにそんなことを表しているように感じる。雨が男女にかかることで燃えたかのうように魅せたのだろう。雨は行動や感情の『原因』にすることが出来るし、手なずければ『味方』にもなる。「雨が嫌いだったけど、貴方のせいで好きになってしまった」、そんなことを相手に言えるような、甘くて素敵な瞬間が皆さんにも訪れますように。
ちなみにもう一つ、「ヒステリック」はこの映画の面白いポイントでもありますが、誰も得しないことは明確なので、雨が降ってイライラしないように気をつけましょう。そんな事も想う映画です(笑)。
6月23日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国公開
配給: ロングライド
提供: バップ、ロングライド
photo by Jessica Miglio (C) 2017 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.
公式HP: longride.jp/ kanransya-movie/
『エターナル・サンシャイン』
あらすじ
バレンタインを前に喧嘩してしまうジョエルとクレメンタインのカップル。
仲直りしようとジョエルはクレメンタインの元を訪れるが、そこにはまるで自分を忘れてしまったかのようなクレメンタインとその彼氏のような男性。
実は彼女、「辛い記憶」となったジョエルとの記憶を、専門医に頼み消してもらっていたのだ。それを知ったジョエルは自分もクレメンタインの記憶を消すことにする。しかし、いざ消そうと思い出す数々のエピソードに改めて心奪われていくジョエルは、自ら依頼したこの記憶除去手術からなんとか逃れようとするのだが…。
雨の日もいいなPoint
「記憶の雨」
記憶除去をなんとか止めようと、記憶の中のクレメンタインに相談し、得られた天才的な答えは「連中が‘私のいる記憶’を消しているなら、‘私のいない記憶’に隠れる」こと。そのいない記憶として描かれる幼き頃の雨の日。
皆さんも思い出してください。小さい頃って屋根から落ちる雫、地面に突如現れる水たまり、雨も友達のひとりでした。なんか、そういう瞬間も大切だったなって「ジョエルの記憶」に教えられた。子供の頃って好奇心も旺盛な分、「楽しむことの天才」なんでしょうね。
この映画は「記憶」をテーマに、一瞬一瞬の大切さと愛おしさを教えている映画。皆さんも雨の日は、雨音聴きながら昔の自分の雨の記憶を辿ってみると、昔忘れていた大切なものや人に会えるかもしれないですね。
発売中
DVD: ¥1,143(税抜)
発売・販売: ギャガ
©2004 FOCUS FEATURES,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
『アバウト・タイム -愛おしい時間について-』
あらすじ
主人公ティムは予期せぬ事にテンパってしまったりする、どこか自分に自信が持てない青年。
ある日、父親から思い掛けないことをカミングアウトされる。
「私達の家系はタイムトラベラーの家系だ」
その能力を使い、人生を何度もやり直し幸せを掴もうとするのだが…。
雨の日もいいなPoint
「人生だって晴れの日もあれば雨の日もある」
名作「ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティス監督による、心がとても温かくなる映画。とても象徴的なシーンがある。
大事な結婚式がものすごい嵐となり、全員ビショビショ。妻となるメアリーにティムが「結婚式が雨で残念か?」と聞く。彼女は「いいえ、最高だったわ。人生だって、晴れの日もあれば雨の日ある」と答える。その前向きな姿勢の彼女にさらに惚れ込んだ彼は、能力を使わず、雨を受け入れる。
雨だって楽しもうと思えば楽しめるし、もしかしたら一緒にいる人が楽しければ雨だって楽しいのかもしれない。晴れの日も雨の日もどんなことがあっても、振り返ると実はとても素敵な一日だったと思える。それが自分を作っていくのだ。1日の中のたわいもない一瞬でさえ愛にあふれていることに気付き、それを楽しむことが人生の幸せの秘訣。雨の日を先入観で嫌うのなんてもったいない。楽しむトレーニングをしていけばきっともっと豊かに感じられる毎日が訪れる。
発売中
Blu-ray: ¥1,886(税抜)
DVD: ¥1,429(税抜)
発売元: NBCユニバーサル・エンターテイメント
© Universal Pictures
URL: http://www.nbcuni.co.jp/
※2018年6月15日時点での情報です
『ミッドナイト・イン・パリ』
あらすじ
ギルはアメリカの映画脚本家で、絶賛小説家としての処女作を執筆中。
婚約者のイネスと一緒に訪れたパリで、イネスが昔憧れていたポールとバッタリ。ペースを崩されるギルは、気晴らしに1人で歩いてホテルに帰ることに。
しかし道に迷ってしまう。タクシーを拾おうと立ち止まった時、12時の鐘が鳴り響く。古い車が通り過ぎ、そこからギルを誘う声が…。
戸惑いながらも車に乗り込み行き着いたバーには、ヘミングウェイなどの「黄金時代」の面々がいて。
雨の日もいいなPoint
「雨のパリが一番素敵」
ファッションやカルチャー、芸術の興味が強いGINZA読者の皆さんは、その登場人物名だけでもそのノスタルジックな世界を楽しめる映画。
アドリアナを演じるマリオン・コティヤールの美しさや衣装なども女性が楽しめるポイント。
この映画の中で「雨」は人の「感覚」「性格」の違いの象徴となっている。雨を「美しい」と見ているギルにはどこか心の余裕とセンスを感じる。
感度の高い読者の皆様は、「雨」が作り出す景色をひとつの「絵画」のように眺めることも出来るのではないでしょうか。
Blu-ray&DVD 発売中
発売・販売: 株式会社KADOKAWA
(c) 2011 Mediaproduccion, S.L.U., Versatil Cinema, S.L. and Gravier Productions, Inc.
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PACHI
プロモーションプランナー、映画コラムニスト、映画音楽縛りのDJ、元ファッションPRの一児の父。女兄弟の真ん中男子ということもあり、女子力高め。ファッションPR時代に携わったブランドも、ほぼ女性ブランド。現在は美容系メーカーでブランドプロモーションを行いながら、仕事後に子供を寝かしつけた後に夜な夜な映画鑑賞する。昨年は1年間で200本の映画を観る。キッカケは、妻の里帰り出産。不定期ではあるが「映画音楽」縛りのDJ活動も行う。
インスタにて、「#ぱち映画」でレビュー多数公開中
アカウント : @yuta_ohashi_pachi
Edit: Kaori Nakamura