キャッシュレスで買い物を楽しみ、タピオカをたくさん飲んでラグビーに湧いた2019年。一年経つのがどんどん早くなるけれど、好きなものは増え続けるからDigるのはやめられない。そんな好奇心旺盛に今年もめいっぱい楽しんだみなさんに、“2019年のMYベスト3”を聞きました。アタッシェドプレスで精油療法士でもある、加藤広美さんお気に入りの精油アイテムとは?
2019年のMYベスト。PR、加藤広美さんの精油アイテムBEST3
加藤広美/PR・英国 IFA 国際PEOTセラピスト・精油療法士
@journe__y
PRとして仕事をしながら、PEOT(プロフェッショナル エッセンシャルオイル セラピー)という精油専門のセラピストとしても活動しています。ハーブや薬草、香木など植物由来の匂いは昔から好きでしたが、本格的に植物療法に興味を持ったのは家族の闘病がきっかけでした。そして6年前、ロンドンで訪れた薬草園が心に残っていたのが縁で、英国に本校のあるロンドン・スクール・オブ・アロマテラピーにて精油療法を体系的に学び卒業。現在は英国のセラピスト団体、IFAのメンバーとして、日々更新されていく精油の情報を追いかけています。
五感の中で唯一、記憶や感情、本能に関わる大脳辺縁系へと直接伝達されるのが嗅覚からの情報です。香りによって古い記憶が呼び覚まされたり、心や体の状態によって同じ匂いでも感じ方が変わったり。香りは知れば知るほど面白く、興味は尽きません。主宰するTHENNでは、オーダーメイドのブレンディングとワークショップを軸に、精油をもっとカジュアルに日常に取り入れられるような活動を行っています。今回は植物の香りを身近に感じてもらえる、おすすめの精油アイテムをご紹介します。
1.ブラックスプルース(黒唐檜)の精油
精油を一つ、というと迷いすぎて永遠に1位を決められないので、驚きのあった精油を。これまでカナダ産のものを使用していたのですが、フィンランド製のFrantsilaのブラックスプルース(マツ科トウヒ属の植物)は、深みがあるバルサミックな香りなのに、スーッと沁み渡るハーバルな印象もあって不思議な感覚になりました。寒い土地に育つ精油は身体を温める作用もあるので、入浴時に使用したりパチューリやコリアンダー、マージョラムなどを気分によって合わせて、ディフューザーとして使用しています。強壮や免疫調整などの作用もあり、緊張しやすい人にもおすすめです。
2.ホジャリ(乳香)
ボスウェリアと呼ばれる木からとれた樹脂の塊で、蒸留するとフランキンセンスの精油が採れる乳香は、そのまま燻らせて香りを楽しみます。先日訪れたオマーンで手に入れた最高グレードの樹脂は、ホジャリと呼ばれ透明度が高く鉱物のよう。木炭の上にのせて焚くと、柔らかな香りの奥に少しだけ柑橘類のような爽やかさも感じます。部屋の空気がすっきりするので、朝に使用することが多いです。薫香として古くから寺院などで焚かれてきた荘厳な香りと立ち昇る煙を眺めていることで、精神統一やリラックス効果も。ストレッチや瞑想などのお供にもおすすめです。
3.FRAMAのボディウォッシュ
サンダルウッド、シダーウッド、イランイランの香りのボディウォッシュは、デンマークのデザインスタジオが手がけるアポセカリーラインで、香りは天然の精油によるもの。静かな木の香りは心を穏やかに落ち着かせ、イランイランのエキゾチックな甘さも一日の終わりにぴったりです。それぞれ単体でも好きな精油ですが、合わせることでより深みを増す相乗効果を感じられて、このボディウォッシュを使うと気持ちよく眠りにつけます。サンダルウッドの精油の色を思わせるスモーキーなガラスボトルのパッケージも好みです。
私は精油をブレンドする時に「香りで肖像画を描く」という考えがとても好きで、これからも植物の持つパワフルで豊かな香りを、その人一人一人の生き方や考え方、心身の健康状態になぞらえながらブレンドする技術を磨きたいです。2020年は、日本ではあまり知られていないPEOTという香りのセラピーをもっと知ってもらえるように、東京だけでなく色々な土地へも出向いていきたいです。
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加藤広美
アタッシェドプレスとして活動する傍ら、ロンドン・スクール・オブ・アロマテラピー・ジャパンにて、植物学、解剖・生理学、精油の化学についてアロマテラピーを体系的に学び卒業。英国IFAのPEOTディプロマを取得。ライフワークは旅とアート。THENN AROMATHERAPY主宰。
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