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乙女心をアートに!気になるあの子のスタジオ訪問「Camilla Engstrom 」エディター福田真梨のNYC 012

乙女心をアートに!気になるあの子のスタジオ訪問「Camilla Engstrom 」エディター福田真梨のNYC 012

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Venus (Courtesy Camilla Engstrom)

Camillaの展示があるけど、行ってみない?きっと好きだと思うよと友達のBelenに誘われたのは、まだ冬のこと。厚手のコートを羽織って、ネイビーヤードにあるギャラリーに向かった。8時にもなっていないのに倉庫街みたいな閑散としたエリアは真っ暗でちょっとドキドキしながらアドレスをもとにやっとCooler galleryたどり着いたでも、迎え入れてくれた作品は、どれもほのぼのと温かくてチャーミングなものばかりで、部屋に飾ったら、眺める度に笑顔になりそうだなと思った。居心地がよくて、おしゃべりしながら、つい何時間もギャラリーにいた気がする。

その時に約束したスタジオヴィジット。あっという間に時は過ぎて、今日、彼女のスタジオに向かう時には、照りつける太陽ですっかり汗だくになっていた。

ブルックリンのサンセットパークのちょっと手前に、Camilla Engstrom(カミラ・エングストロム)のスタジオはある。「数年前に借りていたけど、一度、引き払って、やっぱりココがいいなと思って戻ってきたの。駅から少し離れているけど、散歩しながら通うのは、エクササイズにもなっていい距離と迎え入れてくれた彼女は、自身のイラストがプリントされたTシャツを身につけていた。出身地であるスウェーデンのブランド「MONKI」とのコラボレーションで、彼女の作品のアイコニックなキャラクターHUSAと共にSTAY ZEN」の文字。ちなみにCamillaは、スウェーデン人と中国人のハーフ。そんな彼女の魅力は、作品同様に、気取ったりせず自然体でチャーミングなところ

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もともとはファッション・デザイナーだった彼女が、本格的にペインティングをはじめたのは、2015年の時。毎日、デザイン画で描くのは、華奢でスタイルの良い女性の姿。でも、それは現実離れしていて、違和感を感じるようになっていたそう。「自分がハッピーになるものがいいなと思って、丸みを帯びた女性らしいシルエットを描くようになったの。最初、顔はなかったんだけど、鼻や目や口を足していったんだ。それで生まれたのがHUSA」。彼女の作品に多く登場するアイコニックなキャラクター。「いつも女性ってわけではなくて、男性になったり、性別を超えたものになったり。木や物になったりすることもあるしね」

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Romantic (Courtesy Camilla Engstrom)

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Centipede Legs (Courtesy Camilla Engstrom)

HUSAは日常の中で、特に女性が感じる心の声を表現している。それは、表向きでは隠しちゃいたいと思うようなこと。例えば、時に何となく行き詰まってしまう気持ちや、休日をダラダラと過ごしたり、飲みすぎちゃったりという、ちょっとダメな自分の部分、それに、いくら剃っても頑なに生えてくるムダ毛のことやなんかしっくりこなかったセックスのことも。女性の本当の本音。そんなリアリティをユーモアたっぷりにファンタジックに描く彼女の作品は、インスタグラムで次第に注目を浴びるようになった。彼女が所属している「Deli gallery」との出会いもインスタグラム彼女の存在を知ったキュレーターのMaxからコンタクトがあったことがきっかけだった

「スタジオヴィジットがあった時に、頼みこんだってわけじゃないけど、個展をやらせて、プリーズ、プリーズ、プリーズ!ってお願いしたの。『Deli galleryも、まだオープンしたばかりの新しいギャラリーだったから、ファッションからアートに飛び込んだ新人の私がフィットしたみたい。でも、当時の作品を振り返ると、まだまだ……。今だったら選んでくれなかったかも(笑)アーティストへ転身したばかりの頃は、もっとダークカラーを使っていたらしいというのも、「成功しているアーティストは、みなシリアスだと思っていたから。チャーミングなものだと相手にしてもらえないんじゃないかと恥ずかしくて。でも、今はもう気にしないんだ。私が好きなのは、ハッピーで、ちょっとファニーな世界観だから」と話す。

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(Courtesy the artist and Deli Gallery, NY)

2016年にDeli galleryで個展を開き、ちょうど同ギャラリー初のグループ展Visible Rangeに参加していたCamilla。「私もギャラリーに行くのは怖いとか、緊張することもあるな。みんな真面目で、高い作品ばかり並んでいる気がしちゃう。でも、そんなことない。私みたいな新人のアーティストの作品なら、バッグを買う感覚購入できどんな人でも、私の作品を欲しいと思ってもらえたらうれしいけれど、若い女性だとエクストラ・ハッピー。若手アーティストの気に入った作品を買ったら、何十年後には、その作家が有名になって、ずっと価値のあるものになったりするかもしれない。それって夢があって素晴らしいことじゃない?」。

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Happy Teapot, 2017 (Courtesy Camilla Engstrom and Deli Gallery, NY)

5日。だいたい10時〜5時までスタジオで絵を描き、週末も日曜日は自宅で作業をしているというCamilla。ずいぶん規則正しいんだねと驚くと、「みんなが仕事をしているのと同じように、私は絵を描いているだけ。アーティストとして成功したかったら、一生懸命働かないといけないと思うの。それにアイデアが思い浮かんだら、すぐに形にしたいんだ」。インスピレーションは、女性としてNYという街で暮らす自分の中から沸いてくるもの。「間違いなくフェミニストだと思う。だけど、みんなで集うより、自分なりの方法でって感じかな。ニューヨークの女性はフェミニズムに対して意識がある。問題を声に出して発信していくって貴重なこと。でも、生まれ育ったスウェーデンは、よりフェミニストな国だと思うアメリカの男の人って、『女性なんだから、ディナー作るべき!』みたいな考え方があるから。今までの彼とはいつも、それが理由でケンカしてた。しょうがないよね、料理好きじゃないんだもん。でも、今の彼はとってもフェア。彼が掃除して、洗濯をして、私が畳むの(笑)」。

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(Photo by Max Marshall)

じゃあ、唯一の休日、土曜日はどんなことしているの?と尋ねると、「ブルックリン美術館まで散歩して、アイスクリーム食べて、YouTube観て、猫と遊んで、友達と会って、外食して……。特に予定とかあんまり立てずに。あっ、でも新しいお店を開拓したりするのが好きかな。オイスターとマルガリータがあるハッピーアワーを見つけたら、どこでも行っちゃう」。

そんなCamillaが日記のように綴るInstagramのポストも、ぜひチェックを。リア充より、ずっとリアルなシーンを描いた作品は、クスッと笑えて、「そうだよね」と思わず肩の力が抜ける。素直になるって、素敵なこと!
Camilla Engstrom
Instagram: @camillamengengstrom

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Deli Gallery
10-16 46th Avenue, Queens, NY 11101
+1 (646) 634-1997
土&日12:0017:00

福田真梨

Mari Fukuda
エディター&ライター。出版社の編集者を経験した後、フリーランスに。現在はNYを拠点に活動中。ブルックリンのレッドフックにある「Pioneer Works」で、灰野敬二さん率いる不失者のライブを観ました。辺鄙で巨大なベニューに、アヴァンギャルドな音楽好きがこぞって集まり、なんと3時間!まるで夢を見ていたような感覚に。とっても感動した一夜となりました。「Pioneer Works」のことも紹介したいなぁ。

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