どこにも宣伝していない、口コミだけの客が足を運ぶ都内の隠れ家的占い師、オカンがいるという。人生の酸いも甘いも知り尽くしたアドバイスを求める財界や政界からの依頼者も数多く。今日も、迷える相談者がひとり…オカンのもとへやってきた。
占いのその後…vol.10 元彼を毛嫌いしていたのに後悔するの?
相談者
山田アズミさん(仮名)
美容販売員・27才
八白土星
悩みをざっくり:元カレの束縛に耐えらず、一方的に別れを切り出したというアズミさん。しかし、別れ話を切り出した日を境に、毎日10回以上も彼から連絡が届くという。元カレと縁を切りたく、オカンに助けを求めてきた。
アズミの証言 「元カレがストーカーになりました」
3ヶ月前に彼と別れました。理由は、彼から1日中、連絡があって返信することに疲れました。付き合い始めの時は、嬉しかったんですけどね。でも、仕事で忙しい時とか、友達と遊んでいる時に居場所を聞かれたり、電話に出て欲しいって言われたりすると、愛情ではなく重荷にしか感じられなくなりました。
別れを切り出した時、お店の中だったのに彼が泣いてしまって、その姿にも引いちゃいました。他のお客さんや店員さんに迷惑かけたらいけないと思い、すぐにお店を出ました。泣いている彼と一緒にいるのが、恥ずかしかったので逃げるように家に帰りました。
別れ話をしたのに、今でも電話とメールが来ます。私はもう別れていると思っているのですが、彼はそうは思っていないみたいです。何度か、はっきりと「もう別れているから、連絡してこないで」と伝えましたが、彼は「いつ会おうか?」と会う約束をしようとします。どうすれば、彼と縁が切れるでしょうか?
オカン:相手はいくつ?
アズミ:学年は一緒なんですけど、私が早生まれなんです。私が1992年生まれなので、元カレは1991年生まれですね。
オカン:九紫火星ね。あー、いたわ。同じような九紫火星の男の子。恵比寿の改札前で3時間もケンカしたっていうね。あなたの彼もすごく負けず嫌いなのね。カードでも出ているけど、おそらく彼の心境としては、自分から別れるならいいけれど、相手から捨てられるなんて信じられないし、認めたくないんでしょう。八白土星のあなたも、頑固な部分があるから、妥協を許せず、自分の意思は簡単には曲げられない。でも、九星での相性はいいのよ。二人ともお互いに良い刺激を与えあえる仲なの。
アズミ:では、彼と別れない方がいいってことですか?
オカン:カードでは、あなたは彼と結婚がしたいって出ているわよ。本心では彼と結婚したいんじゃない?
アズミ:相手に結婚する意思があるなら、状況は変わっていたかもしれません。でも、結婚の話をしても曖昧な返事をされるので、もういいかなって諦めました。私は気持ちが冷めはじめていたのに、空気を読まない彼からしつこく連絡が来るので、どんどん嫌になりましたね。
オカン:今年、八白土星はね、すごく運気がいいか、悪くなるかの極端な年になるの。うまくいっていた人は、調子に乗ると落ちてしまうし、逆に今まで不遇な状況だった人が、急に成功するチャンスに恵まれるの。だから、今まで順調に進んでいた人は、謙虚な気持ちを持っていないと、神様にドーンっと落とされてしまう年よ。で、改めて聞くけど、彼と結婚がしたいのではなく、別れたいのね?
アズミ:……少し前だったら「結婚がしたい」っていう願いでしたが、今は彼と別の新しい人を見つけたいです。
オカン:今日のカードには新しい人との恋愛は出ていないわ。元カレの件だけど、時間を待つ以外ないのよ。もし、彼が法を犯すようなことをしたら、証拠を持って警察に行きなさい。あと、もう彼から連絡が来ませんようにって願掛けしてあげるわ。
オカン:でも、彼は諦めずに連絡してくると思うんですよね。
占いのその後 願いが叶った(?)アズミさん
1ヶ月後、彼から連絡は来なくなったと言うアズミさんだが、その表情は暗いものだった。
「あんなに好きだって言っていたのに、急に連絡が来なくなるなんて信じられない。私のこと、本気で好きじゃなかったんですかね? 正直、彼から連絡が来るだろうって安心してました。冷たくすることで、“結婚する気がないあなたが悪いんだ”っていう罰を与えている気持ちでいたのかもしれません。でも、今すごく後悔しています。駆け引きせずに、素直になって彼に向き合えばよかった」
アズミさんが後悔していることを聞いたオカンはこう言った。
「彼にずっと自分のことを想っていて、苦しんでほしいとでも思っているの? 彼には彼の幸せがあるのだから、もう、そっとしておいてあげて欲しいのが本音ね。第一、アズミさんが望んだから、もう彼から連絡が来ませんようにって願掛けしたのよ? 結婚がしたいっていう悩みで来なかったし、彼と縁を切るってことだけが叶っちゃったのかもね」
「望み」というのは難しい。プライドが邪魔したり、情に流されたり…… 悩みの渦中にいれば頭の整理もつきにくい。ただ、混乱した状態だからこそ冷静に、自分自身の心の声に耳を傾けて。
占いに来る前には、心の底から正直に願いを固めるべきだ。そうでなければ、間違った願いが実現のものになってしまうのだから。
🗣️
オカン
2007年に都内の自宅で占いの店をオープンし、これまでの鑑定人数は3000人を超える占い師。タロット、九星気学をもとに、霊感で見える風景や人物をヒントにアドバイスをする。霊感は幼少期からあり、10代の頃から趣味でタロットを始める。本人の希望により、店の詳細と本名は秘密。