川波朋子さんにご紹介いただいたのは、版画家の若木くるみさん。
「家賃3万円が我が家の自慢です。理想の部屋は屋根と壁だけのストイックな空間なのですが、物を捨てるのがとても苦手なのでこの先も実現しそうにないです。しかも展覧会をするたびに妙な物が増えていく・・・。こだわりのある人だと思われたくなくて、何かと『たまたま家にあっただけ』とか言い訳してしまいます。好きな物ばかりに囲まれてぬくぬく暮らしている自分がお恥ずかしいです。」
くるみさんの暮らしの3か条
1.ケチ
2.我慢
3.諦める
素材を生かして楽しむ
砂壁は、もたれるとボロボロ砂が落ちてきて厄介なので、版木や鏡を立てかけてカバーしています。鏡を置くと部屋が広く見える上に、散らかっている状態を鏡越しに客観視できるため、自然と片付けられるようになりました。でも自分の顔は客観視したくないので、目線の位置に洋服をかけて自分と目が合わないよう気をつけています。
こちらの使えないエアコンは、版木とカツラを組み合わせてオブジェ化。去年の夏は猛烈な酷暑に苦しんで衰弱し、ダイエットに成功しました。
奥にステージ(?)がある変な間取りの部屋です。布団を敷いてベッドにしていますが、高さがあるのでちょっと勢いをつけて飛び降りなければならず、パッと目が覚めます。
DIYにもユーモアを
風呂なし木造アパートで敷金礼金も安いので、返ってこなくていいやと割り切って家中塗りまくりました。玄関ドア横の柱には使用済みの版木のパーツをくっつけて、小物置き場に。鍵や郵便物などの忘れ物が減りました。
北海道でもらってしまった鹿のツノは、収納に困ってエアコンと合体させました。真っ白だったエアコンはツノに合わせてわざわざ小汚い風合いに塗り替え。こちらはちゃんとエアコンとして使えます。
愛すべき、椅子たちのコンプレックス
パソコンコーナー。友人のお父さん手作りの椅子がめちゃくちゃかわいい。座り心地は悪いけど、そのおかげでパソコン依存せずに済みます。家具はほとんがもらいもので、色塗りしたり布を張り替えたりして他人のものを嬉しがって使っています。
台所の収納台として使っている年季の入った子ども椅子。「小さい頃使っていたものです」とか言いたいのですが、 本当は京都の雑貨屋さんで購入しました。ひび割れのため値引きされており2千円でした。見た目優先で衝動買いしてしまったガラクタですが、10年以上活躍しています。
虚飾に彩られた一角。収納籠の中身はぐちゃぐちゃです。赤、白、黄の、とぼけた表情が柔らかいひょうたん人形は知人の手づくり。山内達雄芸術館で購入できます。
こちらは玄関。靴の下に感じのいい人工芝を敷いています。ベランダにも人工芝を敷いたら、鳥がやたらとフンを落としてくるように・・・。
6年前 “丁寧な暮らし” に憧れて買ったアラジンのストーブですが、 灯油が切れてからもう3年間使っていません。冬は筋トレをして暖をとります。トイレットペーパーはかわいい柄を選ぶのが自分の唯一のぜいたく。憧れは土佐和紙のこれ!透かし模様が美しい!でも高い!憧れのままでけっこうです!
植物は、大切に育てようと真面目に取り組んでも必ず3ヶ月で枯らしてしま うので諦めてフェイクグリーンをぶち込みました。 真ん中のサボテン(100均)だけ本物。このサボテンは越冬に成功したようで半年間生きております。がんばってほしいです。