私と部屋 vol.70 心を潤す光と素材、自然のぬくもり。穏やかな暮らしに旬の花を添えてー 山本 紗矢佳さん

部屋が広くないので、色味を抑えてベースはできるだけシンプルに。情報量を少なくすっきりさせたいと思っています。特にリネンのアイテムは多く揃えていて、色も手触りも心地よいところが好きです。

友人を招いてお茶や食事を楽しむ憩いの空間。アクセントとして、お花やアートブックなど色のある好きなものを選んで飾っています。テーブルには日々の変化を楽しめるよう、枝物の植物を飾っています。桜が咲いて、葉桜になってきました。

食器棚の上には、パリで出会った〈Astier de Vilatte〉の猫の香炉を置いています。水差しはフランス北部の蚤の市にて。小山剛さんの黒柿のオブジェと安藤雅信さんの器も、いつも目の届くところに。見て触れて幸せな気分になれます。

空間が広く見えるよう家具の高さも抑えて工夫しています。本棚の上にもお気に入りの花や器を飾って、気分によって模様替えを楽しんでいます。

中央の器は香港の作家・ephelisのもの。女性の体のような美しいシルエットがお気に入りです。友人の運営する moor gallery で5月ごろから購入できるそうです。

パリの蚤の市で出会ったグリーンのカップには〈Santa Maria Novella〉のポプリを。ポストカードはロンシャン礼拝堂にて購入。大好きな場所なのでいつでも思い出せるように。香水は〈Perfumer H〉。ロンドンのお店があまりに素敵だったので、思い出に買ったオレンジブロッサムの香りです。

こちらは白のコーナー。大好きな豊島美術館の神聖な空気を思い出したくて、作家・内藤礼さんのアートブックを。建築や美術館めぐりが好きで、素敵な場所に訪れて「こういうことに自分は心地よさを感じるんだな」と発見があり、その感覚や憧れはお部屋に表れているかもしれません。

器が好きで、東京とパリを旅するプロジェクト・mont et plume モンテプリュムをライフワークとして始めました。写真はご参加いただく工藤工さん（左上）、厚川文子さん（左下）、打田翠さん（写真右）の美しい器たち。

最近おひつの素晴らしさに気づいて、ごはんを炊いたらおひつに移し替えています。冷やご飯まで美味しい！studio fujinoさんのお盆に、仁城義勝さんの漆のお椀、尾形アツシさんのお茶碗は毎日使っています。

〈Borgo Delle Tovaglie〉のリネンのカバーとピローケースはもう5年ほど愛用しています。使うごとに馴染んでいくようなリネンの素材感と、柔らかな色がお気に入りで大切に使っています。