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スタイリスト・木村舞子さんと一緒に、サステイナブルライフへの道!vol.11 コンポスト

スタイリスト・木村舞子さんと一緒に、サステイナブルライフへの道!vol.11 コンポスト

日本でも話題に上がることも多くなってきたサステイナブル(※持続可能なという意味)。私たちも傍観しているわけにはいきません。
大好きなファッションをいきなり全部サステイナブルなものに切り替えるのは中々難しいですが、日々の生活で出来ることから始めようと決心しました。不要なものを削ぎ落としていくことでミニマルなライフスタイルにもなるし、一石二鳥です。まだまだ勉強中ですが、私が取り組んでいることを皆さんにシェアしたいと思います。前回の記事:vol.10 菜食のススメ2


スタイリスト木村舞子 安藤晶子スタイリスト・木村舞子さん

木村舞子的、サステイナブルライフへの4か条
・不要な包装を断る
・プラスチック製品を極力避ける(プラスチック製品の中には健康に害があるものも!)
・より環境や身体に優しいものを選ぶ (切り替える)
・菜食を心がける

 

vol.11 コンポスト

以前も紹介しましたが、ちょうど1年程前STAY HOMEの期間を活用してキエーロというコンポストを始めました。コンポストというのは家庭で出る生ごみを土に還すことで処理する方法です。一般的には電気を使うものやEMバケツという発酵促進材を入れて使うものが市販されていますが、ネットや本を駆使してリサーチした結果、キエーロという非常にシンプルな仕組みのコンポストを使ってみることにしました。

生ゴミはほとんどが水分なので、可燃ごみとして処理するには、一般的に石油系の燃料を投入して燃やしているそうです。生ゴミを燃やしている国は世界の中では非常に珍しく、多くの先進国では堆肥化や飼料化をして資源としてリサイクルしています。日本も早く国や自治体で生ゴミを資源化できるシステムができればいいなと思うのですが、きっとすぐには改善しなさそう。

家庭で少しでも生ゴミを減らすことができればゴミ処理の負担が減るし、家庭菜園をしている人には堆肥として使えるなど良いこともたくさんあります。最近、都心のベランダでも簡単にトライできるLFCというコンポストも始めてみたので、それぞれの特徴をまとめたいと思います。

まずキエーロについて。キエーロは土と太陽の光、風を利用して土の中のバクテリアに生ゴミを食べてもらう仕組みです。生ゴミの大半は水分なので、完全に分解されれば土の嵩が増えることはなく、何度も同じ土を使って生ゴミを処理することができます。入れるものにもよりますが、夏の暖かい時期は3〜5日くらい、冬だと1週間で概ね分解されます。詳しい使い方は前回の記事を参考にしてください。
うちのキエーロはベランダに置くタイプで、大体3箇所埋めるポイントがあるので、ローテーションしていくと2人暮らしの我が家は大体これだけで生ゴミを処理できます。ただ、冬は寒さでバクテリアの活動が弱くなってしまうので、結構時間がかかります。冬はなんでもかんでも入れずに、比較的乾燥しているものは燃えるゴミ、水分が多い生ゴミはコンポストに入れるようにして、キエーロに入れる量を調節しました。野菜の切れ端などはなるべく細かく刻んで入れるようにすると分解しやすかったです。

キエーロのいいところは廃油を入れてもよいこと。お鍋いっぱいの大量の油は一度に入れられませんが、フライパンで揚げ物をした後の少ない油ならそのまま投入できます。うちはお肉や魚は食べないので、油が入ることでバクテリアのいい栄養分になります。

コンポストをしていると周りの方から1番よく聞かれる質問が「虫は出ますか?」ということ。私も虫が苦手なのでキエーロを始める前はとても心配でした。1年やってみて、基本的に大きな害虫はほとんど見かけることはありません。生ゴミ自体は臭いがありますが、土の中にしっかり埋めて常に上に乾いた土がかかっているようにすればコンポストの外に臭いが漏れることはまずないので、虫が寄ってくることはほぼないです。

ただ、先日の梅雨の時期、1週間ほど長雨が続き、じっとり湿度がある状態で放置したコンポストを開けたらコバエがかなりたかっていました。よく目を凝らしてみると他にも1ミリ以下の小さな虫が無数にいるのを発見。これはやってしまったかなと思い、キエーロ開発者の松本さんにおうかがいしたところ、生ゴミを分解する上で小さな虫が発生しても特に問題はないそう。土の水分が多くなりすぎたためにコバエなどが発生してしまったようですが、乾いた黒土を上にかければいなくなりますよとのこと。
小さな虫も無理という人は、殺虫剤を使ってもキエーロの機能自体には問題ないそうですが、私はなんとなく他の有益な微生物も殺してしまいそうで殺虫剤は使いたくないなと思いました。それに、恐らく生物が全くいない無機質な土よりも、小さな虫くらいいた方が生ゴミの分解を手伝ってくれるような気がして私はそのままにしてあります。
ちょうど梅雨が明けて日差しが強くなってきたので、土が乾燥してきたせいかコバエはあっという間にいなくなりました。その他の小さい虫も乾燥と暑さで死んでしまったのか、ほとんど見かけなくなりました。

臭いは基本的に出ませんが、中の土を深く掘り起こすと土が黒く固まってヘドロのような臭いがしてくることがあります。これは水分が底の方に溜まってドロドロになっているので、そんな時は底と表面を入れ替えるイメージで土を混ぜるとまた元の状態に戻ります。

暖かい時期だと野菜の切れ端についていた種が発芽して野菜が育ってきてしまうこともあります。コンポストをしている友達のお家では立派なじゃがいもやトマトが収穫できたそう。うちもモリモリ生えてきてしまったのですが、放置するとどんどん生ゴミを埋めるスペースがなくなってしまうので、残念ながら野菜を収穫するまでには至りませんでした。ただコンポストの土は養分がかなり豊富なので、ベランダ菜園をする際に少し土に混ぜて使うのですが、生ゴミとして埋めたトマトの種が勝手に発芽してこんなにしっかり成長してきました。せっかくなので実を収穫できるようになると良いのですが。今後が楽しみです。

サステイナブルライフへの道!|コンポスト

続いてLFCコンポスト。最近メディアにもたくさん取り上げられているので使っている方もいらっしゃると思います。うちはバルコニーがあるのでキエーロが合っていると思うのですが、小さなベランダなら、コンパクトなLFCコンポストがトライしやすそう。

こちらはペットボトルやプラスチックからリサイクルされたフェルト素材のバッグで、中にもう一つ内袋が入っており、そこに基材(特別にブレンドされた土)を入れます。

1日300〜400gの生ゴミを2カ月間投入し、その後3週間の熟成期間を経て堆肥を作ることができます。一度堆肥ができたらまた新しい基材に入れ替えて再スタートになるため、常に生ゴミを入れ続けるには2セットあると便利です。LFCコンポストの場合、基材は少しずつ買い足さなければいけないため維持費が多少なりともかかります。ただそんなに高額なものではないので、堆肥の使い道さえあれば困らないかなと思います。ベランダ菜園をしている人にはぴったりじゃないでしょうか。

キエーロは黒土という土を使いますが、LFCコンポストの基剤には木屑のようなものが混ざっていてふわっとしています。この中に生ゴミを入れていきますが、栄養や水分が徐々に入ることでしっとりと土っぽくなってきます。容器がバッグなので少し混ぜにくさはありますが、バッグをしっかり密閉するのであまり神経質にならなくても大丈夫です。

こちらも気になるのは虫問題。バッグのファスナーは虫の侵入を防ぐため防水ファスナーになっています。においがもれないよう内袋をしっかり閉じておかないと、フェルトの繊維の隙間から小さな虫が入ってしまうようなので、クリップでしっかり留めて使います。LFCコンポストはLINEを利用したホットラインがあるので、不明点や困ったことがあれば気軽に質問できます。都心でコンポストをするのは色々不安なこともあると思うのでこの手厚いサポートは心強いです。LFCコンポストの方もキエーロと同様に梅雨の長雨が続いた時はコバエが発生してしまいました。すぐにLINEで解決策を問い合わせたところ、ビニール袋に基剤を移して日干しさせる方法や、お湯をかけて一旦虫を駆除する方法を教わりました。ただ今回は梅雨の後すぐ30度を超える日照りが続いたので特に何もせず放って置いたら勝手にいなくなりました。

しっかり熟成されたおかげでいい感じの堆肥が出来上がりました。多少分解しきれていない繊維質などがありましたが、そのまま使って大丈夫とのことなので早速野菜でも育ててみようかと思います。

サステイナブルライフへの道!|コンポスト

家の環境によって向き不向きがあるので一概には言えませんが、私はこの2つのコンポストが比較的トライしやすいのではと思います。家庭の生ゴミを減らせて環境に良いことはもちろん、暑い時期に何日もゴミ箱に放置する必要が無くなるので家の中を清潔に保つためにもとても良いはずです。

私はコンポストを始めてから、より一層自然のサイクルを考えるようになりました。自分が食べたもののゴミを土に還して、その養分を使ってまた新しい野菜を作れるのはとても楽しいプロセスでもあります。

都会では自給自足とまではいきませんが、少しでもそういったサイクルを感じながら生活できるのは良いことではないでしょうか。皆さんもぜひ気軽に始めてみてください!

木村 舞子 Maiko Kimura

百々千晴氏に師事し、独立後は雑誌や女優のスタイリングを手がける。ベーシックアイテムを主軸としたスマートなスタイリングが得意。
Instagram: @maiko.mu

Illustration: Akiko Ando Text: Maiko Kimura 

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