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スタイリスト・木村舞子さんと一緒に、サステイナブルライフへの道!vol.15 ゴミについて考える

スタイリスト・木村舞子さんと一緒に、サステイナブルライフへの道!vol.15 ゴミについて考える

日本でも話題に上がることも多くなってきたサステイナブル(※持続可能なという意味)。私たちも傍観しているわけにはいきません。
大好きなファッションをいきなり全部サステイナブルなものに切り替えるのは中々難しいですが、日々の生活で出来ることから始めようと決心しました。不要なものを削ぎ落としていくことでミニマルなライフスタイルにもなるし、一石二鳥です。まだまだ勉強中ですが、私が取り組んでいることを皆さんにシェアしたいと思います。前回の記事:vol.13 なぜオーガニックなのか。


スタイリスト木村舞子 安藤晶子

スタイリスト・木村舞子さん

木村舞子的、サステイナブルライフへの4か条
・不要な包装を断る
・プラスチック製品を極力避ける(プラスチック製品の中には健康に害があるものも!)
・より環境や身体に優しいものを選ぶ (切り替える)
・菜食を心がける

 

Vol. 15 ゴミについて考える

最近漠然と不安に思っていることがあります。それは日々大量にでるゴミは一体どこへ行くのか?我が家は生ごみは基本コンポストしているし、パッケージもなるべく少ないものを心がけています。それでもやはりゼロウエイストのファミリーのように1年間のゴミはビン1つ分だけ!というのは夢のまた夢で、数日もすればゴミ箱はパンパンになってしまいます。

日々出るゴミを減らすことや、ゴミの分別をきちんとすることって今日からでも個人レベルでできることですよね?サステナブルな商品を選ぶのも大事だけれど、まずは毎日のゴミに目を向けてみてもいいのではないでしょうか?

ゴミのことについてちゃんと調べようと思い、以前からインスタグラムをフォローしているお笑い芸人・マシンガンズの滝沢秀一さんの本を買って勉強しはじめました。滝沢さんは芸人の傍、ゴミ清掃員としても働いている経験を活かして、ゴミについての書籍を執筆したり、インタビュー、講演会などもされている方です。

滝沢さんが出された本はいくつかあるのですが、私は下記の3冊を購入して読んでみました。

どれもユーモアに溢れていて、楽しく読める内容になっており、ゴミの正しい分別だけではなくゴミ清掃員としての苦労なども綴られています。

みなさんゴミの分別ってちゃんとできていますか?私も日々これって何ごみ?と迷うものについて、ちゃんと調べてからと思いつつも、なんとなくで出していたことがあります。でも適当に捨てられると、そのせいで誰かが迷惑を被ったり、最悪の場合処理の機械が壊れることもあり、きちんと分別するというのは最低限のマナーであり、義務でもあると思います。

滝澤さんのようなベテランになると、燃えるゴミの日にカンや金属など明らかに燃えないものが入っていると、重さですぐわかるそう。中には思わず笑ってしまう嘘みたいだけど本当にあった、めちゃくちゃなゴミの出し方をしている人もいるようです。ゴミ出しがきちんとできていないところは、マナーの悪い人がいるということで、引っ越すときはゴミ捨て場を見てからの方がいいですよというようなアドバイスも。

我が家の近所にもマナーが悪いマンションがあって、毎回全く分別されておらず、結果回収されずに道端に残されたゴミや資源が落ちています。時にはシールも貼られていないソファーや電化製品が置き去りになっていることも。

でもそれってきっとゴミを出す人の顔が見えないから、「誰かがなんとかしてくれるでしょ」という気持ちで出してしまうんですよね。自動販売機の空き容器入れにスタバなどのプラカップが捨てられてるのと一緒で。捨てた人が特定されないから、他人の迷惑になっていても無責任になれるっていう。

でもそれじゃやっぱりダメですよね?ただでさえ海にゴミがたくさん溢れていて大きな問題になっているのに、せめて自分が出してしまったゴミくらいちゃんと分別して正しく処理しなければ。

みなさんが“ゴミ“と思っているものの中にはリサイクルが可能なものもたくさんあります。そういったものはゴミ回収の世界では”ゴミ”ではなく“資源“として区別されているそう。ペットボトル、ビン、カン、古紙、ダンボールなど。特にアルミはリサイクル率が90%以上で、回収された缶からまた缶に生まれ変わる場合もあれば、自動車の部品など様々なものに再利用される場合もあります。

でも、たとえペットボトルの回収ボックスに入っていても中身が残っていたり、ラベルやキャップがついたままではリサイクルできません。ビンも中をゆすいでプラキャップは外す(紙ラベルはガラスを溶かすときに燃えるからそのままでいいらしいです)。 カンも同様に中身をゆすいでから出す。特に大事なのは油など、ゆすいでも落ちない汚れのものは燃えないゴミで出すということ。これを「まいっか」という気持ちで適当に出してしまうと、せっかくの綺麗な資源までが汚れてリサイクルできなくなってしまいます。

アルミはリサイクルできるから、これもカンとして出すのかな?と思うような容器がありますが、調べてみたところ、資源として回収できるのはゆすいで綺麗になる飲料や食料用のアルミ、スチール缶、ボトルなどで、それ以外の容器は一旦燃えないゴミに出してから、磁石の力で選別して回収されるようです。アルミ箔などは燃えるゴミとして回収する地域もあるので調べてくださいね。

古紙やダンボールも同様にテープなどは剥がして出してください。ピザが入っていた箱など汚れているものは古紙としては出せないので燃えるゴミへ。

あと意外と見落としがちなのは雑紙。なんでも燃えるゴミで出さずに、汚れていない紙であれば紙袋などにまとめて入れて回収へ(ラミネート加工されていたり、特殊な素材の紙は雑紙で回収できないそうです)。

*ここでは一般的な分別方法を記載していますが、自治体によって異なる場合があるのでお住まいの地域のHPで確認してくださいね。

時々、リサイクルに出したくてもキャップが外れなかったり、中が洗いにくい構造になっていてイライラすることもあります。中身が洗えないどころか開かない設計になっている調味料のビンや化粧品の容器など、どんなに素敵なパッケージになっていても捨てる時はお客さんの方で適当にお願いしまーす!ってちょっとひどくないですか?私が普段使っているハーブファーマシーのバームはアルミ缶に入っていて、ラベルも綺麗に取れるようになっていいます。

サステイナブルライフへの道|ゴミ分別

オーガニックソーダのLemonaidの瓶はもともとアップサイクルできるようにキャップを付け替えてリユースできるようになっているのですが、不要になって資源として分別する場合ももちろんラベルが綺麗に取れるようになっています。環境に配慮した製品を作るメーカーはやはり処分する時のことまで考えて商品を作ってくれているんですよね。

ちなみに日本ではゴミを燃やすのが当たり前になっていますが、海外ではそうではありません。大体の地域では埋め立ての方が主流です。

日本は埋め立てる土地が非常に少ないので燃やせるものは燃やして嵩を減らしていますが、燃やした後の灰や燃やせないゴミを埋め立てる必要があります。ただ、その埋め立て可能な土地がなんとあと20年程でいっぱいになるそうです。しかも現時点ではまだその先の解決策が無いそう。

やはりゴミを減らしていかなければ、あっという間にタイムリミットがきてしまいます。

おとなりの国、韓国ではもともと食品廃棄が増えた90年代頃から埋立地の悪臭や環境汚染の問題が深刻になっていて、2005年に生ゴミの埋め立て処分が禁止になり、2013年には生ごみのコンポスト化が義務化されたそう。それによって生ごみのリサイクル率はなんと95%にもなったそうです。

以前紹介したように、家庭でも生ごみをコンポストすることはできるし、マンションなどでスペース的に難しい場合にもできることはあります。それは水分をギュッと絞って(できることなら乾かして)捨てることです。生ごみは大半が水分で、温度を上げて燃やすためにかなりのエネルギーを必要とします。できるだけ水分が少ない、燃えやすい状態で捨てればその分エネルギーを節約することができます。

乾かすのは流石に面倒という場合はせめてビニール袋に入れるのをやめて、いらなくなった新聞紙などに包んで捨てるだけでも良いと思います。我が家はコンポストのキャパシティがオーバーしている時はオンラインショップなどの梱包材で入っているいらない紙を使って小さなゴミ袋を作って利用しています。

サステイナブルライフへの道|ゴミ分別|リサイクル

埋立地があと20年となると、真剣にゴミを減らさなければいけないので、不要なパッケージは無いに越したことはないと思います。ちょうど先日出張で京都に行ったのですが、以前から気になっていたバルクショップを覗いてきました。

野菜や乾物はもちろん、粉物、液体系の調味料、お菓子や惣菜などもすべて量り売りで買うことができるスーパーマーケットです。家にある容器を持っていくのがベストですが、繰り返し使えるバルク用の袋や瓶、スタッシャー(シリコンバッグ)なども販売しています。

うちの近所にもこんな素敵なお店があったら最高なのに!と思わずにはいられませんでした。

斗々屋 京都本店

住所: 上京区河原町通丸太町上る出水町252番地
Instagram

ゴミを減らす努力をしたり、最低限の分別をすることは環境への配慮だけでなく、人への配慮でもあると思います。自分たちが出したゴミに埋もれて大変な未来が来る前に、できることは今からやっておきたいですよね。ゴミの分別はもちろん、買い物をする時にも一度ちょっと立ち止まって、本当に必要なものか、それが最終的に不要になったらどう捨てるのかも考えて選んでいけるといいのかなと思います。

木村 舞子 Maiko Kimura

百々千晴氏に師事し、独立後は雑誌や女優のスタイリングを手がける。ベーシックアイテムを主軸としたスマートなスタイリングが得意。
Instagram

Illustration: Akiko Ando Text: Maiko Kimura 

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