リモートワークが浸透したことで増えてきた郊外への引っ越しや二拠点生活という選択。インテリアだけでなく、窓の外の景色ごと住みやすさの大切な要素と気づかせてくれる豊かな環境が贅沢な暮らしを覗いてみた。
🛋LIFESTYLE
海辺と高原の部屋 vol.1|使い込んで魅力の増す一軒家@軽井沢
小川の流れる森の中
北欧での経験を生かした
使い込んで魅力の増す一軒家
須長理世、須長 檀
@軽井沢
スウェーデンに長く暮らしていた家具デザイナーの須長檀さんとテキスタイルデザイナーの理世さん夫妻が、10年ほど前に帰国して住むことに決めたのは、気候や景観の似た軽井沢だ。
「森の中を散歩して過ごすような土地が理想で3年以上かけて探しました。鬱蒼とした状態を切り開くところから始めて、建てた家です」(理世さん)
玄関の土間を抜けた1階は、洗面所や庭に続く作業場などが細かく並ぶ。一方、2階はキッチンから薪ストーブのあるリビング、サンルームまでの約30畳が一続き。なんという開放感!
「北欧生活の魅力を伝えたくてインテリアの店を構えましたが、この家は軽井沢での実験場と考えています。大きな空間は自由度があり、季節によって家具を置き換えたり、試作品を使ったり。日々学ぶことがある」(檀さん)
シックで温かみある椅子やテーブルや照明や棚は、北欧のアンティークと作家ものに、檀さんのオリジナルもすんなり溶け込んでいる。白いオイルを塗ったパイン材の床は軽やかなナチュラルな味わいで、2人はそろって「ようやくいい感じに傷んできた」という。
「家は、新品のピカピカを求めない方が楽しい。建てた時が完成でなく、暮らしながら育てる。ガーデニングに近いねと言っているんです」(檀さん)
🗣️
須長理世、須長 檀
北欧の手仕事とオリジナル家具などを集めたセレクトショップ、ハルニレテラス内「ナチュール テラス」と、「ナチュール ホーム」を軽井沢で運営。2021年8月、御代田写真美術館の敷地に、地元の作家と作る家具・雑貨と現代フォトアートの店も開店。handhand.shop
Photo: Shin Hamada Text&Edit: GINZA