「どこの国の映画祭を主催しているんですか?」と聞かれ、「ポーランドです」というと、「今、全米で住みたい街ナンバー1なんですよね。カルチャーもあっていいみたいですね」と言われる。「あ、それはポートランドで、私が言ったのはポーランドです。ヨーロッパの、、、」と、最後は声が小さくなることがある。続けてもっとポーランドのことを話したいのですが、私がヨーロッパのと言いかけた途中に相手の反応が薄くなっていくのに気づきやめてしまうこともある。
ですが、今回はポーランド(ワルシャワ)の新しいデザイン、そして映画、音楽などのカルチャー文化、美味しい料理の紹介や、ライフスタイルについて紹介したいなと思います。
ポーリッシュポタリー以外にも
いいデザインがある!
日本でも流行っているポーランド陶器といえば“ボレスワビエッツ”(日本で言う有田焼のような種類になるもの)を想像する人が多いと思いますが、若い人たちの中でおもしろいデザインを展開する人たちがワルシャワにはいました。ワルシャワのプラガ、ニューヨークで言うとブルックリンのような界隈に大きな古い建物がありそこの3階に行くと、何やら可愛い笑い声が聞こえてきた。
まず最初の部屋を覗くと、イリナとオルガの2人がやっている”augustaugust”の部屋があった。大きな土鍋みたいな物から陶器の電気傘、また632という出来上がるまでに632タッチ(触って)つくりあげたものもある。ただの白い器やお皿じゃなくて632タッチ、、可愛い。なので私たちも触ると毎回違うタッチを楽しめる素敵なアイテム。今後も変わったデザインやアイテムを想像して作っていくようで楽しみ。日本でも扱ってほしい。
©Maciej Komorowski
隣の部屋を覗くと、誰もいなかった。何だか緑の壁にかわいい食器とか色々並んでいる。そこにダッシュしてハァハァ・・・とやってきたのがアガタ。遅れること5分トシアもやってきた。 この2人がやっているブランド”fenek“(フェネック)の部屋だった。日本の女性は思わず「かわいい」と言ってしまうようなデザインの物から、シンプルで使いやすい陶器がたくさんある。小さな豆皿のデザインもひとつひとつ柄やデザインが違うので見ているだけでも楽しい。しかしアガタの着ているTシャツが気になって、「それどこで買ったの?」と聞くと、「私の彼氏がやっているブランドで作った・・」と。次回はここにも行って皆さんの紹介したいな。
©Maciej Komorowski
世界レベルの映画が登場
世界映画祭のひとつベルリン映画祭では2015、2016年と2年連続ポーランドの映画が受賞した。2015年は「ボディ(原題)」でマウゴジャタ・シュモフスカという女性監督の作品。
©Jacek Drygała
今年は、「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ラブ」というトマシュ・ヴァシレフスキというすごいかっこ良くて、オシャレな若手男性監督の作品。(ちょっとゲイという噂もありますが)
©Oleg Mutu RSC
昨年のアカデミー賞の外国語映画賞には「イーダ」というポーランド映画が選ばれた。どの作品にもポーランドらしいセンス、丁寧な映画作り、役者の演技力の高さが見られる。世界地図から一時消えた国ポーランドは、色々な歴史に奔放され第二次世界大戦後も社会主義が続く中、“芸術=アートが爆発した国!”だと思っている。国の政権に抑圧されていた1950年代から各方面のアートが盛んになっている。ポスター、デザイン、演劇、映画、音楽、は今観て聞いてもかっこいいものばかり。ワルシャワの街を歩いているとそういう当時のデザインを身につけた若者も多い。最初に紹介した2作品は、11月26日から東京・新宿のポーランド映画祭2016で上映される。