時代の気分に合うデザインと、都会暮らしにちょうどいいサイズ感。今、欲しい名品を、インテリアスタイリストの作原文子さんが厳選。
ソファ名品カタログ【SMART SOFA編】
SMART SOFA
シャープなデザインが今の気分
決め手は直線的なフォルムと細めの脚。マンションなどのコンパクトなスペースにも収まりやすい、軽やかなデザインからピックアップしたのは、ニュートラルで抜け感のあるもの。見た目がシンプルな分、少し温かみがある張り地を選ぶとバランスがいい。
maker Herman Mハーマンミラーiller
model Nelson Daybネルソンデイベッドed
フレームはホワイトアッシュ。ミッドセンチュリーデザインを象徴する特徴的な脚はステンレス。張り地は「ストーンカラー」。H68.6×W188.6×D85.7cm・SH40.5cm ¥534,600(ハーマンミラー | ハーマンミラー ストア)
1923年創業の〈ハーマンミラー〉は、アメリカのミッドセンチュリーデザインを牽引したジョージ・ネルソンがディレクターを務めたメーカー。ネルソンのほかイームズやイサム・ノグチなどモダニズムの巨匠による家具を多く手がけてきた。アームのないデイベッドは、ネルソンが自分で使うために考案し、1950年に発表したもの。奥行き約85cmと座面が広くゆったり座れるうえ、背面のクッションをはずせばベッドにもなる。
「傾斜のある背もたれやヘアピンレッグがいいアクセント。見た目より軽いので、模様替えが好きな人にも」
maker Artekアルテック
model kiki soキキ ソファfa
機械製造を中心としつつ、素材選定から仕上げまで職人技を生かしている。2シーター。本体はスチール。張り地は〈クヴァドラ〉の「Hallingdal 65」。革も選べる。H68×W116×D75cm・SH39cm ¥328,900〜(アルテック)
ソファやベンチ、サイドテーブルなど、同じモジュールでデザインされたアイテムを自由に組み合わせて使うことができる〈キキ〉シリーズ。メーカーは1935年にアルヴァ・アアルトらがフィンランドのヘルシンキで立ち上げた〈アルテック〉。デザイナーはル・コルビュジエの元で働いた後、故郷フィンランドで活躍したイルマリ・タピオヴァーラ。発表は1960年で、その年のミラノトリエンナーレで金賞に輝いた。
「座面も背面も薄くカッチリしていて、幅120cm弱とコンパクト。鮮やかな張り地を選んでも本来の品のよさが保たれます。雰囲気の違うソファと組み合わせてもいい」
maker PACIFIC FURNITUREパシフィック ファニチャー サービス SERVICE
model STANDARD C スタンダード C ソファSOFA
座面はやや硬めで身体をしっかりホールド。クッションにはポケットコイルスプリングを使用。フレームは無垢のカバ材。張り地はオリジナル「MA Moss GREEN」。2人がけワイド。H71×W160×D78cm・SH36cm ¥215,600(パシフィック ファニチャー サービス)
1988年にスタートした東京・恵比寿の人気ショップ〈パシフィック ファニチャー サービス〉。自分たちに必要なものを世界各国で探して仕入れるほか、オリジナルの木製家具などを自社工場で製作。男女問わず好まれるモダンなデザインが特徴だ。2人で座っても余裕がある“2人がけワイド”のソファは、背もたれや座面がやや低め。部屋に置いた時に視線を遮らないので広がりが生まれ、窓辺に配置しても窓枠にかぶりにくい。
「今まで大事に使ってきた家具やものと共存するソファ。主張しすぎることなく部屋のタイプも選びません」
maker Carl Hansen &カール・ハンセン&サン Søn
model OW150 DAYBEDオーダブリュー150 デイベッド
フレーム(クッション下)にかけられたコットン製ウィービングテープが身体を支え、座っても横になっても心地よい。オプションでピローも。H46×W180×D70cm ¥411,400〜(カール・ハンセン&サン | カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア東京)
1940〜60年代にデザイナーとしての黄金期を迎えたオーレ・ヴァンシャーの名作で、コレクターズアイテムにもなっている〈OW150〉。オーク無垢材のフレームに、長いクッションをのせたデイベッドだ。メーカーは〈カール・ハンセン&サン〉。1908年にデンマークで創業し、当時は特注家具の製作も手がける小さな工房だったが、2000年代以降はグローバルに市場を拡大。ハンス・ウェグナーのYチェアをはじめとする数々の名作で、北欧デザインを牽引し続ける。
「クッションはネイビーなどの濃い色でもきれいだし、黒やキャメルの革にするのも新鮮です。比較的軽くて女性でも動かしやすいので、季節によって下に敷くラグを変えるのもおすすめ」
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作原文子
雑誌や広告のスタイリングのほか、映画『私をくいとめて』(20)では、のん演じる主人公みつ子の部屋を中心とした全体の装飾美術を担当。MOUNTAIN MORNING 主宰。