你好!ご無沙汰しております。小嶋真理です。去年8月に台北へ引っ越してきてから、美味しいものが沢山!夜市が楽しい!といった観光地としての台湾も無論楽しみつつ、国内外の最新情報に敏感で、自らのスタイルを確立しようと90年代の東京のようにカラフルに盛り上がってきている台湾のユースカルチャーに興味を持つように。
そんな矢先、台湾のユースカルチャーをフューチャーした本の出版企画話が舞い込んで、キュレーションを担当することに。そして、『NEW RED』と題したビジュアルブックが満を持して11月に発売となりました。
この連載に何度か登場してくれているモデルのコーラルも、パンクやフェミニズムにインスパイアされた制作活動をしているアーティストの一人。台湾生まれの彼女が卵子提供のためLAに3ヶ月間行くという話を聞き、その貴重な経験をダイアリーにしてNEW REDに載せるのはどうかと打診したら、OKと返事が。今回は本誌からティザーとして、ちょっとだけそのお話を。
コーラル登場回 ① 台北IT GIRLSのカバンの中身を覗いてみよう!- 真理的朋友訪問日記-Vol.4
コーラル登場回 ② 台湾ローカルの音楽事情を徹底調査。台北のみんなが最近聴いている曲は何?前編 真理的朋友訪問日記-Vol.6
コーラルがLAへ旅立ち、「NEW RED」締切りを数日過ぎた頃、コーラルから遅れてごめんね!というメールと共に、簡潔にまとめられた彼女のLA滞在ダイアリーが写真のコラージュと一緒に添付されていました。
2015年に中国では一人っ子制作が廃止され、子供がもっと欲しいというカップルが急増すると同時に、不妊治療の需要も拡大。そこで、医療レベルの高いLAで卵子・精子提供を受けるカップルが増えており、コーラルは好奇心から自分の卵子を提供をすることを決意したそうです。実際、決断するまではすごく悩んだそう。
卵子提供エージェンシーにコーラルが提出しなくてはいけなかった書類は、健康診断書、そして、自分がとても綺麗に撮れている写真。病気もドラッグにも冒されていない健康な身体、そして美しい容姿が必須。新しい命への期待を背負い、恐怖と自分の想像とは別物だった過程にとまどいながらも、ダイアリーには彼女自身のリアルな記録がシンプルにまとめてありました。「私の遺伝子が自分の知らない世界のどこかに存在することになるなんてすごく不思議だよね」と彼女。
台北は日本よりも女性の社会進出が進んでおり、女性の管理職の割合も日本よりも高く、LGBT問題にも寛大で、背広でオフィスへ出社する女性もよく見かけます。台湾が建国されてから宗教の選択の自由も認められていた背景もあるのか、新しい事にもオープンで寛大であり、それはコーラルの卵子提供をするという決断にも結びついているのではないでしょうか。
この『NEW RED』、コーラルのこの作品のような今までフォーカスされることのなかった、台北ユース達の姿が感じられるので、是非お手にとってご覧いただきたいです。東京にて11月3日から5日までみどり荘にてNEW RED POP-UP SHOPも開催します。スペシャルイベントや台北から参加アーティストも集いますので、ぜひお越し下さい!