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雑木林のような西新宿の魅力:建築家・藤本壮介さんの超私的スポット

雑木林のような西新宿の魅力:建築家・藤本壮介さんの超私的スポット

東京で好きな場所はどんなところ?カルチャー界で注目の人たちにそんな質問を投げかけたらトレンドやニューオープンなどの情報とはひと味違う持ち味が見えてきた。


建築家

藤本壮介

西新宿5丁目
新宿駅西口の都庁を含む高層ビル群と中野坂上の駅近辺のビル群に挟まれた住宅街。神田川が流れ、住宅の間を細い道路が縫うように走る。銭湯や個人商店など昔ながらのスポットがある一方、新宿や初台へは楽々徒歩の距離。

どこまでも探検したくなる、
自然林のような町

東京とパリを拠点に世界で活躍する建築家・藤本壮介さん。現代建築シーンの最前線を走るこの人が、懐かしい感じの西新宿の住宅街を〝原風景〟と言うのは、正直ちょっと意外だ。

「僕は大学を出て事務所を持つまで6年ほど〝浪人〟していました。仕事はなく時間だけがあったから(笑)、当時住んでいたこの辺はずいぶん歩き回りました。旭川出身の僕にとってなじみのある碁盤の目状の町並みと比べて、細い道が複雑に入り組み、見上げれば電線が交差するこの辺のごちゃごちゃ具合はかなり新鮮。でも、歩いていて受ける印象が、小さい頃遊んだ雑木林に似ていると気づいたんです」

北海道の、あの広大な大地にある森と東京の住宅地……?正反対のようだけど、近しいところがあると藤本さんは話す。 「道が変化に富み、迷路みたいでどこまでも探検したくなる。環境から感じる経験そのものが似てるんですよね」

さらに東京にはいろんな顔がある、と藤本さんは続ける。 「東京は都市としては広く、超近代的なエリアから驚くような里山まで複層的。ここはいろんな時間が折り重なった町並みで、住民が勝手に道に植木鉢を置いちゃうような、コントロールできない部分があるのもいいんです(笑)。建築でも、人と周辺環境がこういう関係性を持てる場をつくりたい」

現在、都内でもプロジェクトが進行中という藤本さん。この人は東京のどんな顔を見せてくれるのだろうか。

藤本壮介
ふじもと・そうすけ

話題の新店「UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店」のコンセプトとデザインを監修。東京では「HOUSE NA」なども。

Photo: Yuri Manabe    Text:Sawako Akune

GINZA2020年6月号掲載

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