都会のマンションのヴェランダで自由に植物を育てる。そこはまさにグリーンのユートピア。愛にあふれるヴェランダーたちに植物を育てるコツを聞いた。
グリーンを愛する人たち ー 多肉植物に恋をした、スタイリスト黒沢充さんのヴェランダを拝見
スタイリスト
黒澤 充さん
多肉植物について語る、黒澤さんの幸せそうな顔ったら! 「集め始めたら次々欲しくなるんです」
「住居は、多肉植物を育てる環境を第一に探しましたね」と黒澤充さん。ヴェランダに、びっしりお行儀よく鎮座した多肉植物の数はざっと100個以上。日当たりの良さを最優先で考えたら、必然的に古い築年数のマンションになった。その当時の物件によくある、手すり部分が柵になっているヴェランダが、最も日光が入るからだ。
「多肉植物でもユーフォルビアがほとんどです。圧倒的に見た目が好き。だって、変な形じゃないですか。球体にしか見えないのとか、完全にどうかしちゃっているっていうのもある。気がつくと何時間も眺めていますね。『あー、ちょっとずつ成長しているなぁ』って思うとかわいくて、かわいくて。全然、飽きませんね」
多肉植物園から購入してきたら、鉢はすべて素焼きに植え替える。通気性があり、水をため込まないので多肉植物の栽培にはぴったりなのだ。土の上にウッドチップを敷いているのは?
「その下の土が風で飛ばないように、です。これがあると、ヴェランダが汚れなくておすすめですよ。ウッドチップはヴィジュアル的にもきれいですしね」
観葉植物系は部屋オンリー。大きなものは、鉢をバスケットやトートバッグなどに入れると、枯れた葉がバスケットやバッグに入るので掃除もラクラク。
「母親が来たとき、ヴェランダを見て、〝おまえは何がしたいの?〟って、ちょっと心配されましたけど(笑)」
「“タコもの”といって、足がにょきにょき伸びているタイプは特にお気に入りです」と黒澤さん。光がまんべんなく当たるように、たまに鉢を回転させる。
観葉植物の鉢を入れたキャンバス地のバスケット。見た目もすっきりおしゃれ。
素焼きの鉢は茶、黒、グレーで統一。都内のガーデニングショップなどで手軽に手に入る。
部屋にたっぷり日光が入るので、観葉植物も元気いっぱい。大小さまざまな緑があふれる。
Mitsuru Kurosawa
スタイリストの望月唯氏に師事し、2006年に独立。ファッション誌や広告、ミュージシャンや俳優のスタイリングのほか、プロップを担当することも。