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テレワーク疲れも解消!春の養生サーキット「充分な睡眠→たんぱく質を適量摂る→スクワット」京風養生vol.7

テレワーク疲れも解消!春の養生サーキット「充分な睡眠→たんぱく質を適量摂る→スクワット」京風養生vol.7

体の調子がわるいと、表情どんより&仕事や勉強の効率が落ちて、心も落ち込んでいってしまう……そうならないために、日々何ができるの?そんなあなたの駆け込み寺が、京都・左京区で鍼灸院を営む安東由仁さん、通称ゆにさん。京都のよもやま話とともに、東洋医学的見地から、かんたんにできる養生術を教えてもらいます。


急にぐいぐいと進むように春が来て、暖かくなって体もゆるみそう…だと思ったのに、なんだか最近肩がこるな、という人、いるんじゃないでしょうか。他にも、まぶたがぴくぴくしたり、寝違えて首が回らなかったり、腰がちょっとぎっくりしたり、足がつったり。そんな「筋肉」に関係する不調、実は「春」という季節に関係があります。

東洋医学のもととなる、中国で生まれた思想「五行論(ごぎょうろん)」では、この世のあらゆるものが「木・火・土・金・水」の5つのグループに分かれる、と考えます。

「春」と「筋」は同じ「木」のグループに入っています。前回も書いた、流れを整える臓腑である「肝」も同じグループです。春は、木の芽が出てぐんぐん伸びていくように、勢いよくエネルギーが上へ上へとのぼっていくのと同時に、「筋」にもエネルギーがみなぎって、動きたくてウズウズする!という季節なのです。

目には見えないエネルギーである「気」を蓄える秋冬から、その気を発散していく春夏へ。その切り替えのときに、ウズウズする感じと発散する感じのバランスがうまくとれないと、最初に挙げたような、筋に関係する症状が出てしまいます。しかも、春はエネルギーが上の方へ上がる季節ですから、首や目といった、体の上の方に症状が出やすいんです。

体を動かす機会がどうしても少なくなりがちな現代の生活の中で、そういう不調を防ぎ、解決するには、筋肉が固まってしまわないように、しっかり体を動かすこと。体の中にある、動きたい!というエネルギーをそのまま素直に働かせてあげましょう。

 

春の毎日養生①
スクワットを
正しいフォームで

さて、筋肉の不調は、季節の他にもうひとつ大きな原因があります。それは、筋肉の量が足りないこと。筋肉は、使われていないと細くなるので、部活で運動やってた!という人も、運動を続けていなければどんどん筋肉が細くなってしまいます。

スポーツ選手やボディビルダーでなくても、人は日常動作もすべて、筋肉を使って体を動かして行っています。筋肉がしっかりとついていると、まず「自分の体の重さ」を楽に支えられるようになりますから、日常の動作が楽になります。

筋肉の量を増やすための筋トレとは、一言で言えば「普通よりきつい負荷」。たとえば散歩など、楽にできることをやり続けて、特にしんどくもない運動は、体の中に流れを作ったり、固まった体をほぐしたりするにはとても効果があっていいのですが、それでは筋肉の量は増えません。

筋肉の量を増やすには、ジムで大きな器具を持ち上げるような「かなり頑張らないとできなくて、少ない回数しかできない」という運動も効果がありますが、日常的には「軽くてはじめはそんなにきつくないんだけど、続けていたらきつくなってくる」という負荷の方が取り入れやすそう。

まずおすすめしたいのは、スクワットです。正しいフォームで行えば、スクワット1種目だけでも、下半身の筋肉だけでなく、腹筋や背筋などのいわゆる体幹の筋肉もしっかりと使えます。ただし正しいフォームで行わないと体の痛みにもつながるので、信用のおけるトレーナーに教えてもらうか、動画で注意点を確認することをおすすめします。(たくさん動画が上がっていますのでお好みのものでいいと思います。たとえばこちらなど参考にいかがでしょうか。)

 

春の毎日養生②
休む→食べる→動く
のサイクルを守る

じっくりやると効果が高いスクワットですが、とっても地道で、楽しい!という要素が少ないのは否めないところ…。きつい!というところまで動かせて、なおかつ楽しいものだと、ダンス系のプログラムもいいですね。トレーニングの要素を組み合わせたテレビゲームも好評のようです(リングを使うアレです)。ランニングや軽い山登りなど、外へ出かけてしっかりと体に負荷をかけると、筋トレにもなりますし持久力もつきますが、家の中でも筋肉を増やす活動はできます。

体幹の筋力がしっかりすると、座っているときの姿勢をまっすぐに保ち、肩や首をいい位置におくことができるので肩こりがしづらくなります。具体的に言えば、おしりの穴から両側に少し外へ行ったところで触れるゴリゴリとした骨「坐骨」が、椅子に垂直に当たり、骨盤がまっすぐ立つように座ることができるといいのですが、この位置を保つために体幹、とくにおへその下あたりにある筋肉が必要です。筋力がつけば、楽にいい姿勢を保てるようになり、結果として他の部分の痛みやこりが楽になるというわけです。

トレーニングを取り入れたら、休養を取って回復させること、そしてちゃんと食べることが不可欠です。「運動・栄養・休養」は3つそろってはじめて完成します。運動して負荷をかけるだけかけても、休養と栄養が不足してしまっては、筋肉を増やし体力をつけるどころか、消耗してしまいます。まず休養、つまり睡眠が十分に取れていないと感じているときは、トレーニングよりも睡眠を優先しましょう。

 

春の毎日養生③
体重1kgあたり
1gのたんぱく質

栄養面では、筋肉の材料となるたんぱく質をしっかりと摂りましょう。たんぱく質は肉や魚、豆類、卵などに多く含まれています。一日分のめやすとしては、「自分の体重1kgあたりたんぱく質1g」がまず目標です。体重が50kgだったら50g、毎日です。「お肉50gだったら毎日食べてる!」と思うかもしれませんが、お肉や魚を100g食べたら、水分などを除いて、たんぱく質はだいたい20gくらいと考えてください。卵1個で6gくらい、納豆1パックで8gくらい…と足し合わせていくと、かなり意識を向けておかないと毎日クリアするのは難しいことがわかりますよね。

それから、せっかく頑張って摂ったたんぱく質も、そもそも一日に必要なエネルギー量(カロリーで表されるもの)が足りていなければ、筋肉を作る前にエネルギー源として使われてしまいます。エネルギー量が充分に摂れるよう、炭水化物や脂質もうまく摂っていきましょう。
一日に必要なエネルギー量は「日本人の食事摂取基準」などを参考に考えますが、成人女性であれば2000kcal前後になります。

こうして考えてみると、トレーニングも大事ですが、その前に「必要なものを食べること」自体が、筋肉を増やす手段になることがわかります。東洋医学で体を診る「気血水」のうち「血」は、血液、というだけでなく栄養という意味合いも含んでいます。食べて栄養を摂る、ということも、立派な養生なんですよね。

 

京都盆地は北が少し高くなっているだけで、わりと平坦な地形なので、京都の人はとにかくどこへ行くのにも自転車。街中で普段着のおじさまが年季の入ったかっこいい自転車に乗っているのなんかもよく見かけます。いい自転車が、ブームではなく、文化として根付いている感じがあります。市内を流れる鴨川の川べりも自転車で走れるし、どこを走っても山が見えるので、気候のいいこの時期は自転車で移動するだけで体も気分もすっきり。それこそ、川べりでスクワットでもしてこようかなと思います。

安東由仁 あんどう・ゆに

鍼灸師。京都生まれ。20年間アスレティックトレーナーとして勤めたのち、京都に戻り、左京区・鹿ヶ谷にある町家で「ゆに鍼灸院」(完全予約制)をオープン。治療だけでなく、暮らしの中でできる養生術も伝えるなど、“自分をバージョンアップ”するためのお手伝いをしている。
@humanitekyoto
humanitekyoto.com

Photo: Yuni Andoh Illustration: Ippan Nakamura Edit: Milli Kawaguchi

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