ヴォーカルのゆう姫とトラックメイカーのJEMAPURによるYoung Juvenile Youth(YJY)が、デビューアルバム『mirror』を完成。iTunesエレクトロニックチャート1位を獲得した「Animation」から2年。新作にはR&Bテイストなスロウの「Her」から、ファンキーで茶目っ気たっぷりの「Gossip」まで。EDMやトラップ以降に、世界中から現れた新しいエレクトロニック・ミュージックと呼応するサウンドが。まずはゆう姫に楽曲制作のプロセスを聞いた。
「作曲の工程は、まずJEMAPURからベーシックになるトラックのデータが送られてきて、そこに私がメロディと歌詞をつけて返信。延々とビルドアップを繰り返す。彼は妥協せず、24時間作業するんですよ。完成が見えなくなることもありましたが、お互いをインスパイアしながら制作しました」
ゆう姫の海外での体験も、作品に反映されているという。
「今年3月、エイフェックス・ツインのヴィジュアルを担当するWEIRDCOREに会いにロンドンへ行った時、ひとりで街を歩きながら、初期に作っていた何曲かを聴いてみたんです。東京では気づかなかった、まったく新しいものに触れたような不思議な感覚になって自分でも驚きました。目に映るロンドンの風景の中で、聴こえてくる音楽。いい意味での違和感があった。そこでやっと、なんとなくアルバムの方向性が見えてきました」 『mirror』は冒頭から中盤まで、3分以内の楽曲が並ぶ。そんな構成は、アルバムをよりポップに聴かせてくれる。
「サビを繰り返すようなJ—POP的な構造の音楽にあまりとらわれることなく自由に発想していますね。制作中に何百回も曲を繰り返し聴くうち、〝どこが必要で、不要か〟取捨の選択ができるようになって。結果的に尺が短くなった曲もあると思う。このアルバムには色んなテイストの楽曲が入っているので、聴いてくれる人たちのその日の気持ちや場面に寄り添うような作品になっていたらいいなと思います」
Young Juvenile Youth – Slapback
WEIRDCOREが監督したMV「Slapback」。「エイフェックス・ツインのライヴ映像でサンプルされた有名人は、私も一緒に考えました」(ゆう姫)