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10 QUESTIONS

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KENGO KORA

13 December 2019

高良健吾を知るための10のこと。
「本音を話す、本音に惹かれる」

強い意志を感じさせる瞳が印象的な、高良さん。黒いレザージャケットを羽織ったクールなたたずまいからは、近寄りがたさすら感じるほど。でも、スタッフをほんの数分待つ間にも、「お待たせしてすみません」と自ら取材クルーへ声がけをしてくれる、気遣いの人でした。そんな高良健吾さんが出演する、周防正行監督5年振りの最新作『カツベン!」が、いよいよ公開。映画愛がたっぷり詰まった今作で、ヒール役の活動弁士を演じた高良さんに、映画について、自分らしさについて、はたまた最近始めたSNSについてなど、色々とお聞きしました。

Q1.今回演じられた茂木貴之という役は、美形で花形の活動弁士(無声映画時代の日本で、スクリーンの横に立ち、映画の説明をしていた弁士のこと)。その一方で、主人公やヒロインをどうにか貶めようとする、シンプルに嫌なヤツでもあります。実際に演じてみていかがでしたか?
僕はかえって、そのプライドの高さが好きだなと思いました。自分が表現していることに対して、高いプライドを持つのは当然。表現者としてあるべき姿だと思いましたね。ただ、プライドが高いが故に、嫉妬や暴力にもつながっていっちゃうのが茂木なんですけど。
Q2.活弁シーンは圧巻でした。声量や声色、間の取り方など、本番に向けてどんな風にトレーニングを積まれたのですか?
僕が演じた茂木は、主人公の染谷俊太郎(成田凌)ら他の登場人物と比べて王道の活弁をする役だったので、特に癖をつけるわけでもなく、「どう声を出していくのか」に集中しました。活弁シーンって普段芝居をする時と、声の使い方が全然違うんですよ。感情は絶対に込めない代わりに、リズム感とかテンポを大事にする。実は今回、活弁以外の普通の会話のシーンも全て、活弁のような喋り方で演じてみたんです。茂木のプライドを表現したかったので。
Q3.劇中に登場する映画館それぞれの雰囲気が素敵でした。たとえばメインの舞台である「靑木館」の内観は、福島に今もある芝居小屋・旧広瀬座でロケ撮影を行ったそうですね。セットとは違う、実在する建物の中で演じてみて、いかがでしたか?
“本物のパワー”って確実にあるんですよ。しかも、地方ロケでもあったから、“地方のパワー”もあった。今回はすごく、そういうパワーを分けてもらっている感じがあったかな。とても贅沢でした。でも、セットも好きなんですよ。だって映画そのものが、ある意味では壮大な嘘じゃないですか。だからセットという嘘の中で、また演技という嘘をついていくという。それも面白いですよね。
Q4. 幼少期の主人公たちが映画館にこっそり潜り込むシーンは、観ていて楽しかったのですが、高良さんご自身の、映画館にまつわる思い出はありますか?
親が買いものしている間、よく映画館に放り込まれていた記憶があります。僕が子どもの頃って、映画館は入れ替え制ではなかったんです。上映の途中から入ることもできるし、そのまま座っていれば次の回も観続けられるっていう。
Q5.茂木が十八番とする無声映画『火車お千』の活弁に、主人公の俊太郎が初めて挑むシーン。「人のまねごとではなく、自分なりのスタイルでやるんだ!」と言い放つ姿が印象的でした。誰もが人生のどこかでこうした“自分自身の確立”を経験すると思うのですが、高良さんの自分らしさって何でしょう?それはどうやって見つけましたか?
自分らしさ……まぁ、人とは本音で向き合いたいですね。それは、絶対に嘘をつかない!というのとも違って。なるべく自分の感情や考えには正直に、本音で話す。ときに言葉では嘘をついたとしても、生き方そのものは正直を心がける。小さい時からそういう風に育てられてきたから。これは僕の性格です。でも、自分らしさって案外、周りの人が気づかせてくれるのかもしれない。「高良くんって、こうじゃない?」と言われて、そうかなと気づくこともあるから。
Q6.今作では幅広い世代の個性豊かな俳優陣と共演されましたが、特に印象深い方はいますか?
永瀬正敏さんの存在は刺激的でしたね。自分が信じるもの・好きなものに向き合い続け、映画に人生をかけてきた大先輩ですから。実は僕が俳優の世界に興味を持ったのって、永瀬さん主演のドラマ『私立探偵 濱マイク』がきっかけ。当時の僕はまだ中学生だったんですけど、毎週本当に楽しみで。だから、永瀬さんとの共演シーンは、僕にとってすごく嬉しいことだったんです。一度ふたりで食事に行ったこともあって。永瀬さんはお酒を飲まれないので、僕もその日は控えたんですが、気づけばお互いシラフで5時間くらいずっと喋っていましたね。幸福な時間でした。
Q7.今作では、高良さんがファンだと公言されている奥田民生さんの『カツベン節』が主題歌ですね。音楽がお好きとのことなので、最近よく聴いているものがあれば教えてください。
最近は特にヒップホップばかりです。日本語ラップが中心で、元々好きだったけど今は「紅桜」(岡山県津山市出身のラッパー。演歌やブルース、レゲエなどの要素の影響も感じられる、独特なスタイルが特徴。音源のみならず、フリースタイルでも活躍)をよく聴いているかな。ラッパーの人たちの言葉には覚悟があるんですよね。詞の内容は過激だったりするけど、根っこの部分で共感できる。紅桜は自分の生き方と言葉に覚悟を持っていて、ラップは腹の内を見せたエンターテイメントだと言い切ります。そこには嘘偽りがない。本音をさらけ出してくれるという意味で、ヒップホップには信頼を置いています。
高良健吾を知るための10のこと。<br />「本音を話す、本音に惹かれる」 高良健吾を知るための10のこと。<br />「本音を話す、本音に惹かれる」
Q8.高良さんが出演され、先日最終話を迎えたばかりのドラマ『モトカレマニア』(フジテレビ)の公式Twitterでは、ときどき高良さんも自らツイートされていたんですよね。オフィシャルにSNSをされるのは初めてだそうですが、実際につぶやいてみていかがですか?
すでにSNS向いてないかなと思っています(笑)。でも楽しいですよね、自分自身の言葉を吐き出せる場所があるって。昔はSNSに対して「みんな愚痴を言いがちだよな」という否定的な気持ちがあったけど、今はそうじゃなくなりました。逆に「想いを吐き出せる場所があるのも、まぁいいよね」と思う。それから、これもSNSを始めてから実感したことですが、ハッシュタグって面白いカルチャーですね。ちょっと毒のある内容も、ハッシュタグがつくことで伝わり方が柔らかくなり、許される感じがある。僕も今、ハッシュタグにはかなり助けられているかもです。けど基本の考えとしては、僕はSNSに向いていないと思います。
Q9.大の映画好きでもある高良さん。最近、ガツン!とやられた映画はありましたか?
この秋だと、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』ですね。クエンティン・タランティーノ監督の新作『〜ハリウッド』の方ではなく、1968年初公開の西部劇で、リバイバル上映されていたのを観に行きました。何に惹かれるかって、出ている俳優たちの顔がすごくいいんです。イケメンとかそういうことじゃなくて、何というか、歴史を感じさせる顔なんですよ、全員が。余計なセリフがなくても、顔が映るだけで説得力があるんですよね。それはガツンときました。歴史がある顔って理想ですよ、俳優として。
Q10.お忙しい中でも公開中の映画をチェックされているんですね。今回の『カツベン!』も映画愛溢れる作品でしたが、高良さんが思う映画の魅力って、ずばり何でしょう?
別の世界の物語を見せてくれることかな。その物語を通じて、救われたり、傷ついたり、ときに新しい自分を発見できたりもする。たった2時間でそれだけ豊かな感覚を体験できるって、すごくラッキーなことだと思います。だから、映画館に行く時間はなるべく確保するようにしていますね。

INFORMATION

『カツベン!』

監督:周防正行
脚本・監督補:片島章三
出演:成田凌 黒島結菜
永瀬正敏 高良健吾 音尾琢真
竹中直人 渡辺えり
井上真央 小日向文世 竹野内豊 他
配給:東映
12月13日(金)公開
©2019「カツベン!」製作委員会
www.katsuben.jp/

PROFILE

高良健吾
Kengo Kora

1987年生まれ。熊本県出身。2006年に『ハリヨの夏』で映画デビュー。映画、テレビなど多彩なジャンルで活躍する実力派俳優。近年の出演作品には、『ふきげんな過去』(16)、『シン・ゴジラ』(16)、『彼女の人生は間違いじゃない』(17)、『月と雷』(17)、『万引き家族』(18)、『多十郎殉愛記』(19)、『アンダー・ユア・ベッド』(19)、『人間失格 太宰治と3人の女たち』(19)、『葬式の名人』(19)などがある。

CREDIT

Photo: Yuya Shimahara 
Stylist: Shinya Watanabe(Koa Hole inc) 
Hair&Makeup: Satoka Takakuwa 
Text: Maho Ise 
Edit: Milli Kawaguchi

CLOTHING

レザージャケット¥145,000
(semoh / ビューローウエヤマ TEL:03-6451-0705)
ニット¥26,000
(COMOLI / WAG, Inc. TEL:03-5791-1501)
パンツ¥41,000
(MARKAWARE / PARKING TEL:03-6412-8217)
その他スタイリスト私物

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