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10 QUESTIONS

to know about

TAKUMI KITAMURA

30 October 2020

北村匠海を知るための10のこと。
「今は感性をためるとき。いつかめちゃくちゃ自由に生きたい」

しっかりと目線を合わせながら、一つひとつの質問にまっすぐ向き合う北村匠海さん。その静かで落ち着いた物腰からは、今回『とんかつDJアゲ太郎』の主人公・アゲ太郎役で見せたお調子者ぶりは、まったくうかがえません。自分とは正反対ともいえるキャラクターを演じた感想や、撮影中の思い出とは?話題作への主演が続き、忙しく過ごしている日々の中で考えたことや同世代の仲間たち、将来について。たくさん話していただきました。

Q1.クラブミュージックをテーマにした映画『とんかつDJアゲ太郎』。北村さんが撮影中、劇中の音楽同様にアガッた瞬間はありましたか?
音楽好きの僕としては、撮影場所のクラブにいるだけでアガりました!普段は入れない昼間のクラブや控室を見渡すと、なんだかすごく不思議な感覚で、ちょっと得した気持ちになりましたね(笑)。個人的に自宅でもDJに触れているけれど、今回みたいに大きなステージで音楽をかけて、フロアにいるみんながノッているのを見るのは、本当に楽しかったです。普段しているバンド活動(DISH//)とはまた違う快感がありました。
Q2.個人的にも音楽がお好きとのこと。その趣味は、アゲ太郎を演じるうえで活かされましたか?
逆に使命感を感じすぎちゃって……。友達から「匠海がアゲ太郎やるの、やばいね!」って期待されたりすると、プレッシャーを感じる部分もあったり(笑)。でも、自分が音楽と芝居の両方をやっているからこそ、たどりつけたかもしれない作品だなと思います。頑張ってきたそのふたつを一度に背負えることも、うれしいです。
とはいえ、僕とアゲ太郎は全然キャラが違いますね。いつもはもう少し共通点のある役が多いんですが、僕が青ならアゲ太郎は真っ黄色、みたいに正反対。なかなかチャレンジングな役でした。
Q3.アゲ太郎はやや妄想が過ぎるというか、良くも悪くも思い込みが激しいキャラクターですよね。正反対だという北村さんご自身はどうでしょう?
思い込みは激しくないかなぁ……アゲ太郎とはベクトルが違うけど、すごく考えるタイプではありますね。周りの人の言動を見て「この人こう思ってるかも」とか「あれ、この間(ま)はなんだ……?」とか、たまに「僕、なんかしちゃったっけ?」とか。でも、アゲ太郎の思い込みの激しさからくる“瞬発力”はすごいですよね。すぐ結論から入って、あとはどうにでもなれ、みたいな(笑)。僕はゴールを決めて突っ走ることはなくて、いまを大事に楽しく生きていった先に何かがあるだろう、というタイプ。だから、アゲ太郎みたいに「俺はDJになる!」「頑張る!」っていうふうには生きられません(笑)。
北村匠海を知るための10のこと。<br>「今は感性をためるとき。いつかめちゃくちゃ自由に生きたい」 北村匠海を知るための10のこと。<br>「今は感性をためるとき。いつかめちゃくちゃ自由に生きたい」
Q4.ゴールを決めて突っ走らないなら、北村さんが一歩踏み出すときには、何をモチベーションにしているんでしょうか?
「40歳とか50歳になったとき、めちゃくちゃ自由に生きること」ですかね。なんなら、28歳くらいから自由に生きていられたらもっといいんですけど(笑)。いずれやりたいことがいっぱいあるんですよ。カレー屋、コーヒーショップ、古着屋、映画監督……写真や音楽ももっと深めたいし、畑で野菜も育てたいし。そういう自由な未来へ向かうために、22歳のいまは感性をためるとき。「北村匠海、なんでもやれるぜ」「まだ何かに縛られる必要はないぜ」っていう気持ちで、いろんなことをやったり、いろんな人に出会ったりしてるんです。こうやって取材でお話しすることでも、新しい自分を発見できたりするし。
Q5.いろいろな経験や出会いで、自分を深める時期なんですね。今回の現場には、もともと親交が深い同年代のキャストが揃っていましたが、いかがでしたか?
とくに(伊藤)健太郎や(山本)舞香ちゃんには助けられていて、一緒に闘っている感覚がありました。健太郎はドラマ『仰げば尊し』以来、共演こそなかったけれど心許せる親友。だから、今回ライバルの屋敷役として隣にいてくれたのが、とても心強かったです。日ごろから切磋琢磨している相手と「俺はこういう芝居をするけど、匠海はどうくる?」みたいな話ができるのも、すごくよかった。一緒にステージで並ぶシーンは本当にエモくて……お互い昔より少しは成長できたかなって思いながら、役とも完全にリンクできた気がします。
Q6.アゲ太郎と屋敷のように、よきライバル関係にある人はいますか?
うーん……ライバルっていうと世代の話にもなってくると思うけど、僕らの世代は、その感覚を持ってる人があんまりいない気がしますね。僕もないです。ナンバーワンになることが好きではないというか。それよりも「みんなで映画業界を盛り上げたい」とか「いいものをつくりたい」という思いがすごく強い。それこそ、健太郎が日本アカデミー賞で受賞したときはうれしかったし、そうやって仲間が頑張っている姿が、自分の力になります。きれいごとに聞こえるかもしれないけど……でも、やっぱり周りはライバルじゃないんですよ。ともに作品をつくりあげるために、頑張る仲間です。
Q7.2020年は4本の出演映画が公開。来年以降も話題作への出演が続きます。この多忙さを、どのように感じていますか?
自分でも「今年こんなに公開されるんだ!?」ってびっくりしてますね。去年は本当に忙しすぎて、記憶がない(笑)。ずっと忙しくていまが見えなかったんだけど、コロナ禍で急にお休みができて、心の洗濯になりました。好きな作品を観て、好きなものを食べて、好きな音楽を聴いて、好きなことをする……。周りに惑わされず、自分だけの時間を好きに過ごす生き方を、思い出せた気がします。毎日を豊かに生きているがゆえに、芝居や音楽で何かを届けることが、いままでよりすんなりいっている感覚もあるし。
2019年までは北村匠海っていう入れ物が頑張ってきて、ステイホーム中にその中身が戻ってきたから、もうこいつをどっかに行かせちゃいけないって思ってます。でも、去年あれだけがむしゃらに頑張れたから、いまのこの自分がいるとも感じるんですよね。
北村匠海を知るための10のこと。<br>「今は感性をためるとき。いつかめちゃくちゃ自由に生きたい」 北村匠海を知るための10のこと。<br>「今は感性をためるとき。いつかめちゃくちゃ自由に生きたい」
Q8.どんなときも心の軸として大切にしていることはありますか?
何をするにも、自分らしさを大事にしたいと思っています。こうやって話をしているときも、これは嘘偽りなく自分らしい言葉か、本当の気持ちか、っていうのを自分に毎分毎秒問いかけてる。“らしさ”がわかんなくなっちゃうときもあるけど……。役者をやってると、他者を演じる時間が長すぎて、自分を見失う瞬間があるんですよね。一日をとおして、本当の自分でいられる瞬間って数時間しかない。だから、役を演じている期間でも、自分の芯や本質みたいなものを忘れないでおこうって思うんです。
Q9.北村さんは東京生まれ東京育ち。生粋のシティボーイとして、理想のデートコースは?
小学生の頃はデートでとしまえんに行っていたんですよ。だから、こないだついに閉園しちゃったのが悲しいですね……。これからデートをするなら、ドライブしながら途中でシラス丼を食べて、パーキングでちょっとぐだぐだして帰りたいです。
Q10.では最後に。『とんかつDJアゲ太郎』の撮影中は、心ゆくまでとんかつを食べられましたか?
はい!スタッフの方たちが、やっぱりお弁当でとんかつを出してくれたんですよね。あと、現場でブラザートムさんが揚げるとんかつもめちゃくちゃおいしかったです。撮影中は通常時+8キロくらいあって、完成した作品を見たらムチムチでびっくりしました。自分では「ちょっとお腹かわいいな」くらいのつもりだったんですが(笑)……そのわがままボディから、次の作品のために10キロくらい減量したのがいまの僕です。
『とんかつDJアゲ太郎』は、音フェチにもたまらない映画。とんかつを揚げる音、キャベツを刻む音、包丁がまな板に落ちる音……いろんな“いい音”が、映画館で楽しめますよ!

INFORMATION

『とんかつDJアゲ太郎』

原作:イーピャオ、小山ゆうじろう『とんかつDJアゲ太郎』(集英社少年ジャンプ+)
監督・脚本:二宮健
脚本協力:喜安浩平
出演:北村匠海 山本舞香 伊藤健太郎 加藤諒 浅香航大 栗原類 前原滉 池間夏海 片岡礼子 ・ ブラザートム 伊勢谷友介
配給:ワーナー・ブラザース映画
10月30日(金)全国ロードショー
©️2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
agaru-movie-tda.jp

PROFILE

北村匠海
Takumi Kitamura

1997年生まれ。東京都出身。2017年に主演を務めた映画『君の膵臓をたべたい』で、第 41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2020年は『サヨナラまでの30分』、『思い、思われ、ふり、ふられ』、『とんかつDJアゲ太郎』と主演作が立て続けに公開。公開待機作に『さくら』、『アンダードッグ』(ともに2020)、『砕け散るところを見せてあげる』、『東京リベンジャーズ』(ともに2021)など。ダンスロックバンド「DISH//」のリーダーでもある。

CREDIT

Photo: Ahlum Kim 
Movie: Norberto Ruben 
Text: Sakura Sugawara 
Edit: Milli Kawaguchi

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