風を纏うような爽やかな風貌、183㎝という高身長を活かし、現役『メンズノンノ』モデルとしても活躍する鈴木仁さん。初主演映画で、岡崎京子さん原作の『ジオラマボーイ・パノラマガール』では、自分探しに没頭中の男の子・神奈川ケンイチを演じています。一見物静かな印象の鈴木さんですが、実はファッションや漫画が大好きなカルチャーボーイ。饒舌に「好き」を語ってくれる姿がチャーミングな、注目の新世代俳優です。


鈴木仁を知るための10のこと。
ファッション&漫画オタクな21歳の新世代俳優を直撃
Q1.平凡な高校生たちが、恋や友情に悩みもがきながらも大人になっていく姿をおさめた本作。鈴木さんは、山田杏奈さんとW主演をつとめています。映画初主演の感想は?
「主演」と言われても、まだ不思議な感じです。ケンイチをどう生きていくか考えながら、スタッフ・キャストのみなさんと一緒に作った、という気持ちなので。プレッシャーはあまり感じず、素直にこの役をもらえたことが嬉しくて、楽しく演じました。
Q2.本作への出演以前に、岡崎京子さんの作品を読まれたことはありましたか?
何作か読んだことがありました。岡崎さんの作品はキャラクターも物語もユニークで、こういう世界観を描けるのってすごいなと思います。ベースとなっている物語は恋愛だったり青春だったり、日常的な人間模様が描かれていてリアル。なのに、そこへ想像もつかない“異世界”がちょっとだけ混ざっているような感じもします。そのバランスがおもしろくて好きですね。
Q3.鈴木さんが演じたケンイチは、突然自主退学したりナンパをした女の子と恋に落ちたり、どこか地に足のついていないフワフワした部分のある男の子でした。演じてみていかがでしたか?
はじめは、ケンイチの考えていることがわからなかったです。たとえば学校を辞めた直後の奇行については「どういうこと?」と思いました(笑)。辞めたことに後悔して泣くし、でも翌日にはケロッとしてるし。脚本を読んで、一生懸命これまでの自分に置き換えて考えてみたんですけど、常識をはずれた行動が多くて。でも、その誰も予測できないところがいいんですよね。たぶん、すごく素直な人。そのときそのときの言動にはケンイチらしい“まっすぐさ”みたいなものがあるんです。ブレているように見えて、本当は芯が通っている。その両面を表現することが難しくもあり、楽しくもありました。


Photo: Reiko Toyama Movie: Norberto Ruben Stylist: Yoshiaki Komatsu(nomadica) Hair&Makeup: NOBUKIYO Text: Yoko Hasada Edit: Milli Kawaguchi