人生を飛躍させるイメチェン請負人・松浦美穂さんが、自分らしい表現を模索しながらキャリアアップを願うモデルに提案したヘアスタイルは?さぁ、髪を切って人生を変えよう!


TWIGGY.松浦美穂の人生を変えるヘアカット。
服の数だけ印象を着替えるマッシュショート

「転機に向き合う人に出会い、自分の気持ちの整理整頓を作っていくのが美容師の仕事」と語る、ヘアサロン「TWIGGY.」のオーナーでヘアスタイリストの松浦美穂さん。名だたる女優やモデルから絶大な信頼を集め、覚悟を決めたイメージチェンジに立ち会ってきた。「嫌なことが続いたから切りたいという人もいるし、幸せの絶頂で方向転換のために切る人もいる。十人十色の変わりたい気持ちを受け止めながら、一緒に遊ぶ。一方的なスタイル提案はしません。私にとって髪を切るということは、お客さんとのセッション。まな板の鯉にはさせません」(松浦さん)。今回のセッション相手は、客室乗務員だった2年前にスカウトされ、ファッションモデルの道へ踏み出したという水野なつみさん。襟を抜いた白シャツにデニムというシンプルな装いに、エキゾチックな顔立ちと腰まで届きそうなロングヘアがヘルシーな印象だ。妊娠出産を経て、ようやく本腰を入れてモデルとしてのキャリアに向き合えるというタイミングで、意を決して松浦さんのもとを訪れた。
「モデルとしてのキャリアが浅くまだ方向性が定まってないから、なりたいイメージも湧いてこなくて……。それでも、新しい自分を見つけて自信を持って出ていきたいんです」と打ち明ける水野さんに、「がっつり行こうか」と請け負う松浦さん。まず確認したのは、意外なことに水野さんにとっての「ナシ」なヘアスタイル。「気分じゃない髪型は似合わないもの。洋服なら脱げばいいけれど、髪は一度切ったら1ヶ月はそのデザインでいなきゃいけない。気持ちにフィットしてない髪型だと、何を着ても似合わなくなってしまうから。私が目指しているのは、ライフスタイルに溶け込みつつ溶け込み過ぎない、その人がジャンプアップできるようなヘアスタイルなんです」(松浦さん)。今回カットした髪は、ヘアドネーションとして18歳以下の子供たちに無償でメディカル・ウィッグを提供するNPO法人JHD&C(ジャーダック)に寄付される。「以前から、髪をばっさり切ることになったらドネーションしたいと思っていたので、誰かの役に立てる機会ができてうれしい」(水野さん)。

Photo & Movie: Masaya Takagi Styling: Yoko Irie (TRON) Hair: Miho Matsuura(TWIGGY) Make-up: Mariko Shimada(UM) Lighting: Kota Yoshimatsu Movie Edit: Udo Model: Natsumi Mizuno Text: Anna Osada Edit: Karin Ohira, Yu-ka Matsumoto