LAのR&Bシンガー、ケレラは2013年に発表したミックステープ『Cut 4 Me』でポスト・アリーヤと評されただけでなく、敬愛するビョークからも賞賛を受け話題に。先日行われたNYコレクションでは新進気鋭のブランド〈エコーズ ラッタ〉のランウェイを歩き、パリで開催された〈クロエ〉の香水イベントではパフォーマンスを披露するなどファッションシーンからも熱い視線が注がれる歌姫なのである。そんな彼女が満を持してリリースした1stアルバム『Take Me Apart』では、パーソナルな恋愛観も露わにしている。
「相手にはっきり本音を言う、面と向かって対峙するというのが永遠のテーマね。歌詞を書き進めていく中で、自分なりの結論に達したわ。他者のせいで不本意なことをやるはめになったと思い込むことがあるけど、その選択は私が下した決断だと気づいたのよ。作品が完成して、それ以前に変化していた恋愛観を理解できたと言えるわね」
歌詞では普遍的なテーマを扱いつつも、個性豊かなプロデューサー陣によって、これまでのR&Bとは一線を画す多面的な音作りに成功。
「一聴してアルカのトラックかな?と思っても、そこには釉薬のようにボク・ボクのレイヤーが効いていたりする。友人のアーティストたちが多数協力してくれた中でもアルカとのコラボは目に見えて楽しい、陽気なスタジオ体験だったわ。コートを脱いで床に叩きつけたり、シーンを描写するのに2人でデモンストレーションすることも多かった(笑)。まるで、映画のワンシーンを演じるようにね。リスナーには、どんなに多彩なことをやっていても、一貫して流れる私という“スレッド”が明確に伝わるといいわね」
『Take Me Apart』
WARP / BEAT RECORDS
R&Bを軸にしつつも、ヒップホップやポップスなどをミックスした革新的なアプローチで魅せる全16曲。ストーリー性のある歌詞にも引き込まれて。